ニート気質な僕の生きる道

自分の経験を活かして、無職やニートや、ひきこもりなど自分と同じように、「生き方」や「働き方」に悩んだり立ち止まった人が前向きになったり、自分の進みたい道に一歩踏み出すきっかけになるブログを目指しています。

『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』を読んだ感想を書いてみました。

2008年に秋葉原で起きた無差別殺傷事件は、社会に衝撃を与え多くの人の記憶に刻まれた恐ろしい出来事でした。

 

今回僕が読んだ『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』という本は、この事件を起こした加藤智大死刑囚の人生を辿った一冊です。

 

 

 

なぜ犯人は事件を起こしたのか?

この事件のように無差別に他人を傷つける事件が発生すると、決まって出てくるのは「どうして犯人はこんな事件を起こしたのか?」という疑問でしょう。

 

事件についてはネット掲示板での人間関係についての軋轢や、勤めていた派遣先の会社での扱いなど様々な理由が挙げられていますが、結局のところどれが明確な理由だったのかがわからないというのが正直なところです。

 

「わからないからこそ、彼の人生の軌跡をたどってみよう」

 

筆者の中島さんはそんな思いから加藤死刑囚の言動や家族や友人との関係、職場での出来事などなどを丁寧に取材し彼の人生で何があったのかを本書を通じて伝えてくれています。

 

人が事件を起こす理由はそんな単純化できるものじゃないからこそ、彼の人生に起こった出来事を一つ一つ見つめてみようというわけです。

 

本書はあまり主観が入らず客観的な部分が多いので、「加藤死刑囚の人生はこんなかんじだったんだな」というのがとても把握しやすくなっています。

 

そんで僕はこの本を全部読んでみて改めて「彼はなぜ事件を起こしたんだろうか?」と考えてみたんだけど、「結局なにが理由なのかがいまいちわからない‥‥‥。」という結論に至ってしまったんですよね。「これだ!!」と断言できる理由がないという感じ。

 

僕個人としてはこういう事件を起こす人の場合「社会に居場所がない」とか「孤独である」っていうのが一つのキーワードだと思ってるんです。

 

繋がりがないからこそ誰を傷つけてもいい、孤独だからこそそんな社会に対してちゅうちょなく刃をむける、社会に対して復讐をしてやろう、そういう思いを抱いていてそれが犯行につながるんじゃないかと。

 

ところが、彼自身の人生を辿ってみるとずっと孤独でずっと社会に居場所がなかったというわけでもないんです。

 

彼の人生は母親から虐待に近いしつけをうけていたり、大人になってからは借金をしたり職を転々としたりと決して安定したものではありませんでした。けど、彼には学生時代から友達が複数いたし、職場では同僚ときちんとコミュニケーションもとれていたし、ネットの掲示板で知り合った人と会うなど、決して誰ともつながりがないというわけではなかったんですよね。(最後にはそれらを手放してしまっているけど)

 

確かに恵まれているとは言えないけど、かといって絶望的なまでにすべてが悪かったというわけでもないというのが、本書を読んで感じた彼の人生。

 

だから彼の人生を辿ってみても「何でこの人がこんな事件を起こしちゃったんだろうか?」と読みながらますます謎が深まるというか、スパッと答えが見つからない状況にもどかしさを感じてしまうわけです。

 

そんな風に考えていたところ、著者の中島さんはそんな僕の疑問にこたえるかのように次のようなことを書いています。

 

―母の厳しすぎる教育と過度の介入、内面を見せることが苦手な性格、不満を言えず行動でアピールするパターン、キレやすい性格、突発的な暴力性、勉強の挫折、学歴へのコンプレックス、非モテ、外見、掲示板への没入、ベタのネタ化とネタのベタ化、承認欲求、借金、家庭崩壊、職場放棄、地元からの逃亡、先輩や友人への裏切り、満たされない性欲、不安定就労、派遣切り、ニセ者、荒らし、無視、孤独、不安‥‥‥。

彼の鬱屈は心の中に溜まり続け、「なりすまし」と「ツナギ騒動」によって噴出した。マグマが限界まで溜まって噴火するように。コップの水が溢れるように。

引用元:『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』 著者 中島岳志 朝日新聞出版

 

色々な要因が重なり、過去の出来事の積み重ねが犯行に至るプロセスだったのではないかということですね。

 

確かに本書を読むとその線が強いのかな?と思ってしまいます。何かが決定打になったわけではなくすべてが繋がっていて、積み重なったすえにくすぶっていた火種が「ドカン!!」と暴発してしまった、彼の中で限界を迎えてしまったというのが正しいのかもしれない。いやっ、あくまで著者の意見なので加藤死刑囚からすると「これが決定打だ!!」というのがあるのかもしれませんが。

 

そんで、ここで出てくるのがもっと大事な疑問で

 

「この事件を防ぐ術はなかったのか?」

 

っていうことだと思うんですよね。彼自身の責任はもちろんものすごいでかいんだけど社会としてあるいは周りにいた人間としてできることっていうのはなかったのかと。ただ、これが非常に難しい。なぜなら事件までのプロセスが複雑でこれだという決定打がないわけなので「じゃああの出来事がなければ事件は防げたんじゃないか」ということが言えないからです。

 

母親からの厳しいしつけがなければ大丈夫だったのか、彼がモテる外見だったらこんな事件を起こさなかったのか、地元にとどまっていたらどうだったのか、とか色々考えてみてもそれは想像でしかありません。

 

結局のところ「人なんて何かのきっかけで誰もが罪を犯す可能性があるんだよな‥‥‥。」という当たり前すぎる結論に到達してしまって、読み終えた後とてもモヤモヤが残りました。

 

まとめ 

今回は『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』という本を読んだ感想を書いてみました。

 

本書を読むことで加藤智大死刑囚がどんな人生を辿ってきたのか、完全ではないにせよその大まかな部分が見えてきます。

 

 

彼の人生を辿り、彼の経験や思いを辿ることで何を感じるかはきっと人それぞれでしょう。本書で描かれているのは幼い時から凶悪な殺人鬼が辿ってきた数奇な人生ではなく一人の弱い人間が悩み苦しみながら歩んできた人生です。特別な生まれでもなんでもない、僕らとは決して無関係ではない男が歩んだ人生についてあなたは何を思うでしょうか?お時間あればぜひ読んでみてください。

 

それでは今回はこの辺で失礼します!

 

 

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