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日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

家族をテロリストにしないためにはどうすればいいのか学んでみた

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「若者はどうして過激な思想に染まるのか?」

 

いまだテロによる恐怖が世界を包む中で、僕はテロリストたちが事件を起こす度にそんなことを考えていました。なぜ若くて将来がある人たちが、他人を殺しそして時に自分を殺すことを強いられる組織にい自ら飛び込むのかと。

 

そんなことをテロのニュースが出るたびに思っていたのですが、そんな僕の疑問に答えてくれる一冊を発見したので読んでみることにしました。それがこちらの一冊です。

 

著者のドゥニア・ブザールさんはフランスにてムスリムの研究や宗教問題を専門としてきた方で、イスラム系セクト感化防止センターを創設し、過激化する人たちの実態を研究してきました。

 

本書はそんな著者やその協力者たちの経験をもとに「家族からテロリストを出さないためにはどうすればいいのか?」という視点で、実際に若い人たちがどのように洗脳され組織に取り込まれていくのか、そしてそのような組織からどのように抜け出せばいいのかが書かれています。

 

今回はこの本の中からざっくりとではありますが、過激派組織の洗脳の手口や若者たちがどのように洗脳されていくのか、またどのように過激派組織から抜け出すのかといったことを学んでいきたいと思います。

 

 

若者はどのように洗脳されて、組織に取り込まれていくのか?

本書の第一部では、若者たちがどうやって洗脳されて組織に取り込まれていくのかについて説明されています。

 

洗脳には段階があり、その段階を経て組織に誘い込むというのがイスラム過激派の方法のようです。本書によると洗脳は次のような段階を踏んでいくそうです。

 

  • 第一段階「この世界は嘘に満ちている」という映像の流布
  • 第二段階「真実を知るグループ」への誘い
  • 第三段階「選ばれた人」を戦闘に誘う

 

まずは第一段階から見ていきましょう。

 

「この世界は嘘に満ちている」という映像の流布

今の若い人たちはネットを使うことに抵抗がないし、動画を見る環境も整っています。そんな若い人たちに過激派からのメッセージを伝えるためにネットが使われます。動画サイト等を通じて自分たちの主義主張を伝えていくわけですね。

 

こういったネットを使った洗脳ではまず「大人はみんな嘘をついている」と思わせることから始めるんだそうです。

 

大人はうそつきだし、そんな大人たちが作った社会なんてとダメだと現実の社会を拒絶させてしまう。

 

その次に行うのは今のシステムは権力をもっている秘密結社がつくったもので、そういう人たちによって世界は支配されているという類の動画を見せていきます。

 

ちょっとイメージしにくいと思うので本書に記載されている例を一つ挙げてみます。

 

さらに、悪魔的秘密結社が人間を神から遠ざけようとしていると主張する動画もある。たとえば、ラップの一節を逆再生すると何度も「ファック・ジーザス」と聞こえてくることを示す動画などだ。ロック音楽には悪魔を想起させるものが多いとも言っている。

 

こういう動画というのは、色々なところに悪魔のシンボルが隠されているのだということを思い込ませるためであらゆるところに秘密組織による陰謀が渦巻いていることを若者に信じ込ませようとします。

 

このように自分のまわりは悪だらけと思いこませたら次のステップへ。

  

先述した悪魔のような秘密結社は、悪を倒せる存在であるイスラム教を攻撃しているのだと若者に思わせるようにします。

 

そして美しい自然の動画、そしてそれらを創造主が創り出しているということ。イスラム教に改宗した人の感動的な告白、イスラム教を褒めたたえるような内容の動画を見せていくことで、まずは若い人たちを活動家として導こうとするのだそうです。

 

さらにここから今度は過激派組織への取り込むための動画を見せていくわけです。

 

色々な種類の動画があるみたいですが、ここでは本書に記載されていた一部を紹介。

 

伝統的なセクトの手法をまねて、精神を不安定にする短い動画が長いシリーズになったものもある。その中には、イスラム教の宗教的高揚感をベースに、お金をかけたハリウッド映画の予告編のようなインパクトのある動画もある。それらは、仰々しい戦闘的な音楽と感動的な音楽、神話的な癒される部分とサイケデリックでおどろおどろしい部分を交互に使い、段階を踏んできわめて巧妙に構成されている。テレビのドキュメンタリー番組のように随所で巧みにコメントが入り、画面の間にはコーランの一節や不安をかきたてるメッセージも挿入され、見る人は最期には催眠術をかけられたように陶酔してしまう

 

ちなみに、セクトっていうのは宗教の分派のことですね。

 

このように過激派はかなり段階を踏んで若者に様々な動画を見せていく過程で

 

  • 社会は嘘をついた大人たちによってつくられている
  • 悪の秘密結社が唯一悪を倒せる存在であるイスラム教を攻撃している
  • そうした秘密結社から世界を救うには自分もイスラム教徒になるしかない

 

という考えを植え込んでいくんですね。ただここまでで第一段階が終了したにすぎません。洗脳は次の段階に進んでいきます。

 

「真実を知るグループ」への誘い

第一段階で行われたのはあくまで洗脳のベースを作っただけ。社会への疑心暗鬼を強めさせ、イスラム教が救いとなるという考えに若者が染まりつつあります。

 

ここからさらに第二段階では真実を知るグループに誘う段階へと入ります。

 

真実を知るグループというのは当然のことながら過激派組織のことです。彼らは次のようなやり方で若者を組織に誘い込もうとします。

 

「本物のムスリム」グループだけが西洋文明の悪と闘って地球を救うことができると説く。この純化されたグループに属さない者はみな、「内部の敵」とみなされる。グループの力を維持するためには、内部の純化が優先課題である。「純粋なままでいること」は「ほかの人たち」つまり、自分たちと厳密に同じでない人たちとは混ざらないことだ。こうして、若者を周囲の人たちから切り離し、自分たちの間だけで認め合うように説得する

 

この時点で既に洗脳が進んだ若者たちは、今ある社会や組織に対して不信感をものすごく持ってしまっています。そして自分のまわりは悪だらけなのだということも信じるようになってしまっているわけです。

 

西洋の文化に染まりきった悪いやつらとは一緒にいてはならない、最終的に君が救われる場所はそこにはない、純粋なイスラム教徒である我々の組織だけが救われる場所なのだというメッセージを伝えることで、若い人たちを今ある社会から自分たちのところへ引き込もうとするわけです。

 

そうしてその若者に社会との繋がりを絶たせます。社会とは家族とか、友人、知人、恋人、職場といったものですね。そして「真実を知る君たちは優秀で選ばれた人間である」と若者たちを持ち上げるのです。

 

今の社会に少なからず居心地の悪さを抱えていた若い人たちが「あなたこそが優秀なのだ。」と褒められたらどうでしょうか?そりゃ自分たちを認めてくれる存在に傾倒していくことは十分あり得ますよね?

 

そうやって持ち上げられた若者たちに「君たち選ばれた人間は集まらなければならない」と説いて、組織への加入を促していくわけです。

 

ちなみに本書では過激派組織への取り込みの危険性を察知するために、次のようなことが指標になると述べています。

 

  • 友人との決別
  • 課外活動との決別
  • 学校や職業訓練との決別
  • 家族との決別

 

このように既存の社会やコミュニティから若者たちが離脱していく時には注意が必要なようです。もちろん、中には単に友人と喧嘩をしたとか、学校の授業についていけないということもあるでしょう。この辺りの判断は非常に難しいところですよね。

 

ですが、それらがあまりにも極端な形で起こるようであれば注意をしなければいけないのかもしれません。

 

既存の社会から若者を離脱させた後には個人のアイデンティティを喪失させることをすすめていきます。

 

脱個人化のプロセスを始動させ、グループ内の融和を高めるため、<ジハーディスト>は服装や行動の規範を強制してメンバーの類似性を強め、家庭や性別の違いを目立たないようにする。同時に、そうすることによって、「真実を知る人」として選ばれなかった「他の人々」との違いを強調する。他者と「完全に区別」した上で、互いに仲間同士だとわかるような規範が敷かれる。あらゆる方法を用いてメンバーの外見が同じになるように仕向けられ、個人のアイデンティティや選択肢が抹消される。グループ内では個々人が違ってはいけないのだ。

 

時々過激派組織の活動などを報道などで見ることがありますが、みんな似たような恰好をしています。あれはグループのメンバー同士の融和を高める一方で、それ以外の人たちとは明確に違うことを強調するためだったんですね。

 

そうやって「自分たちのグループは他の奴らとは違う」とし既存の社会からは孤立させる一方でグループ内のメンバーたちは服装から何から似せることでグループで一体感を作り出します。そして個々の主張や考えではなくグループとしての考え、つまり自分たちが信じる宗教の信仰に基づいて動くようにすると。

 

女性であれば、チャドル(顔以外の身体全体を覆う大きな暗い色の布)やニカープ(顔も隠す大きな黒い布)といったものを身につけることで「自分は他の人たちと違う」ということを強調します。そして洋服などを着ていたそれまでの自分のアイデンティティを捨てるわけです。

 

男性であれば本名を捨てさせ改名させたり、ひげをたくわえ、カラシニコフの銃を持たせることで過激派の戦闘員として生まれ変わらせる、つまり過去の自分のアイデンティティを捨てさせるってことになります。

 

「選ばれた人」を戦闘に誘う

若い人たちを家族や友人などと決別させると、今度は本格的に組織への取り込みが始まるそうです。

 

例えばアル=ヌスラ戦線という組織では映画やゲームの映像などをうまく使うとのこと。例えば本書では例としてマトリックスが挙げられていました。マトリックスの主人公ネオは「今自分がいる世界は実はコンピュータに支配されている」という真実を教えられてそこからコンピューターとの戦いに身を投じていきます。

 

そのネオと若者たちに共通点があると思い込ませるのです。それは「真実を知った」ということと「選ばれた人間である」ということ。

 

過激派組織は若者たちに「君たちは真実を知った選ばれた人間である。さぁ、どうする?」と選択させるわけです。

 

この辺はすごい手が込んでいるというか考えられているなと思いました。確かに映画やゲームの主人公や登場人物なら若い人たちも受け入れやすいでしょう。中には「自分はネオと同じだ。この世界を救うために戦うんだ!!」と思い込んでしまう人もいるのかもしれません。

 

一方ではISのように、人質や敵対勢力を殺すような動画や拷問する姿を見せつけることで、残虐性を前面に押し出し、力をもちたい、権力をもちたいと考える若者たちを惹きつけるような組織もあるわけです。

 

ISのやり方については省略しますが、非常に残虐なやり方を見せつけることで、若者たちに倫理観を失わせ、人を殺す事への罪悪感を失わせてしまいます。そうやってISというグループの倫理が自分にとっての倫理であると思うようになり、多くの人質や捕虜に行ったような恐ろしい手口を実行する人間たちを生み出していきます。

 

僕達の持つ倫理観と彼らの持つ倫理観は全く違うものになってしまっているんですね。彼らの残虐な手口をニュースなどで見聞きするたびに「なぜあんな残虐なことができるのだろうか?」と思うわけですが、そこには周到な洗脳の手口があるというわけです。

 

このように過激派によってやり口は違いますが、若者たちのアイデンティティを喪失させること、そして彼らをグループの倫理や価値観を優先させる、つまり個人主義ではなく全体主義にさせることで、組織に都合よく動く人間を生み出すという点においては共通しています。

 

そうして洗脳された若者たちは、組織の命令に従い戦闘に参加し時には残虐なこともいとわない、時には自らトラックを積んだ爆弾で標的に攻撃を仕掛けるまるでマシーンのような存在となっていくわけです。

 

若者を洗脳や組織から抜けさせるためには?

ここまでは若い人たちが洗脳されていく過程を簡単にではありますがお伝えしてみました。

 

ここからは逆に「洗脳や組織から抜け出すにはどーすればいいのか?」ということについてお伝えしてみます。

 

ただ、著者曰くまだどの国も目覚ましい解決策を見つけてはいないとのこと。国によって心理的な側面や社会学的な視点から扱うなどアプローチの仕方もバラバラで、なかなか統一された解決策は示されていないようですね。

 

そこで著者たちは人類学や心理学、精神分析学、法律、社会、宗教といった一つの分野だけではなく複数の分野をを組み合わせて若者たちを洗脳や組織から脱却させる方法を試しているのだそうです。

 

ただし、洗脳されたり組織に取り込まれた若い人たちを元の生活に戻そうとするのは非常に困難なことのようです。

 

洗脳された若い人たちにとっては、洗脳を解こうとする人たちこそ「真実を知らない者たち」であり「選ばれし者たちを大人が作った嘘だらけの陰謀めいた社会に連れ戻そうとする」悪いやつらなわけです。

 

この辺は不謹慎かもだけど、すごくよく考えられた洗脳方法だと思いました。洗脳を解こうとすればするほど、洗脳された者たちは過激派組織の言う通りだと思うわけですからね。この洗脳を解くのは容易なことではないなと本書を読みながら改めて思いました。恐ろしい仕組みが出来上がっていると思います。

 

では洗脳や洗脳してくる組織から抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?著者は段階を踏んでアプローチする方法を紹介しています。

 

  • 第一段階 人生の基本的要素に立ち戻る
  • 第二段階 現実世界との対峙
  • 第三段階 組織からの脱却後も闘いは続く

 

一つずつ見ていきましょう。

 

人生の基本的要素に立ち戻る

著者はここではっきりとこういっています。

 

「子供を救えるのは親である」と。

 

著者たちは親とともに洗脳された若者たちがどういう道のりを歩んできたのか、そしてその過程でどういう人格が形成されてきたのか、人生において思い出に残る出来事などに目を向けることからはじめるそうです。

 

ただし、ここは非常につらい作業。なぜなら子供の過去を振り返るということはその子が洗脳されるまでの過程を思い出すということでもあるからです。親からすると「洗脳される前の子供に戻したい」という願望が働くんですね。

 

ただ一度洗脳された以上、その痕跡は残るため決して洗脳される前には戻らないとのこと。親からするとその事実を突きつけられるのは辛いものです。ただそれでも洗脳を解くためには、子供が過去に歩んできた道のりをたどっていかなければらないわけです。

 

そこから今度は楽しい思い出をよみがえらせるということをしていきます。

 

子供たちに楽しかった思い出の写真を見せたり、思い出の場所に連れていく、思い出の料理を食べさせるなどすることで、洗脳される前の人生や家族や友人達との関係が思い出されて、若者の中に感情の高まりが芽生えるとのこと。

 

ただし、これも少しずつ数週間~数か月かけて徐々に行っていくわけですね。いきなり昔の楽しかった思い出が呼び起こされて感情が動かされるということはまずないとのこと。

 

現実世界との対峙

洗脳された若い人たちが家族との思い出や歴史を振り返り、関係が少しずつ良くなってきたところで第二段階にすすんでいきます。

 

若い人たちを取り込もうとする組織っていうのは彼らを現実世界から引き離すことをするわけですよね。

 

「今の現実社会は嘘に満ちたものである。こちらにこそ理想の社会があるんだ。」とあの手この手を使って若者を洗脳するわけです。

 

ですから、この段階では現実に背を向けてしまった若者たちを現実の世界に引き戻すというアプローチをするとのこと。

 

具体的には「すでに改心した洗脳経験者や家族を失った人に証言させる」方法をとります。そうすることで、理性や知識ではなく感情に訴えかけることができるわけです。

 

例えばある少女は性的な中学生の時に男の子たちに性的な嫌がらせを受けていたことがきっかけになり、そこから洗脳動画を見ることで段階を踏んで洗脳されるようになりました。そうした子に現実と対峙させるには似たような経験をし、洗脳から脱却した人の証言を聞かせるという方法をとるわけですね。

 

「自分はどうやって自分は組織に洗脳されたのか。」

 

その方法を今まさに洗脳から抜け出そうとする若い人たちに伝えるわけです。すると似たような経験をしている人の証言ですから若者たちも受け入れやすく「自分も同じようなことをされていた」と気づけたりもするわけですね。

 

ただし、このアプローチも必ずしも成功するわけではないとのこと。

 

洗脳された若い人たちの中には既に人間性がかなり失われた人もいてそういう人の場合には洗脳を解くのは至難の業なのだそうです。

 

例えば本書ではシリアから生きて帰ってきた女性の例が紹介されていました。彼女は病気の治療の為にフランスに戻ってきたわけですが、すぐにシリアに帰ることを望んだのだそうです。

 

著者たちは彼女を現実世界に引き戻すために「夫を愛している」ということを利用して彼女の洗脳を解こうと試みたとのこと。

 

やり方としては、ISが彼女の夫を殉死者のリストに載せようとしていると嘘をつくことで、愛する夫が死んでしまうかもしれないということを彼女に教えます。ちなみに殉死者とは自爆者のことですね。

 

普通自分の愛する夫を自爆させようとするなんてとショックを受けるでしょうし、そんなことをさせる組織はなんて非道なんだろうと思うはず。そうやって彼女にある意味ではショックを与えて感情を揺さぶることで現実世界に引き戻そうと著者たちは考えました。

 

ところがここで予想外の展開になります。

 

泣き崩れるだろうという私の予想を裏切り、ナディアは愉快そうに目を上げてこういった。

「彼は四回も申し込んで、やっと殉教者の候補になれたのよ。選ばれるためには意欲を見せないといけないの。彼が殉教者になれなかったら私は別れていたわ‥‥‥」。私たちの作戦は失敗した。夫は人間性につながる唯一の存在だと思っていたが、ナディアは既に人間的感情を失っていた。

 

この女性にとって夫はすでに愛する対象ではなくただのモノであったというわけです。人間的な感情を捨てちゃってるので、そういうアプローチをしても何も意味がない。本書ではこういう若者たちの場合、再び社会で生きていくためには強制的な治療というのも考えなければいけないと述べられています。うーん恐ろしい‥‥‥。

 

組織から脱却後も闘いは続く

たとえ洗脳をしてきた組織から抜け出したとしてもそこで終わりではありません。先述したように一度洗脳されるとその痕跡は残り洗脳される前と同じ人間に戻れることはまずないからです。

 

洗脳していた組織から抜け出すと不安感を持ったリ孤独を感じたりするようです。

 

組織から抜けた若者たちはインターネットを使わないように言われます。使えばまた自分を加入してくる人たちの言葉が飛び込んでくる可能性があるからですね。

 

しかし、洗脳時には家族やそれまでの友人とは関係を断ち、組織に関わる人たちとのやり取りしかなかったわけですから、ネットを使わないことで孤独を感じてしまう人もいるとのこと。

 

ただ、こうした洗脳の経験をした若者たちを集めた自助グループもあり、自分たちが経験したことは嘘の勧誘であったことを自覚してもらい、洗脳されそうな若者たちを助けることに役立ててもらったりもします。

 

また同じ経験をした者同士がつながることで、孤独になりづらいという側面もあるのでしょう。同じような経験をしたものだからこそ話せることもあるし、それが安心感につながるということもあるのではないでしょうか?

 

最後に

今回は『家族をテロリストにしないために』という本から、若者たちが洗脳される過程や、どのように洗脳から抜け出すのかをお伝えしてみました。

 

本書ではここでは紹介しきれなかった過激派の詳細な洗脳の手口が出てきます。その手口の巧妙さを知ると精神的に不安定であったり、孤立したりあまり今の人生がいいとは思っていない若者たちが惹きつけられてしまうのも無理はないなと思いました。

 

お伝えしたように過激派組織のやり方というのは段階を踏んで行われており、若者を洗脳するまでの過程が仕組化されてしまっているわけです。いったんその仕組みの流れに乗っちゃうとなかなか洗脳を解くのは難しい。本書を読みながらとても恐ろしいことだなと感じました。

 

おそらく著者たちのような脱洗脳を手助けするグループがなければ、幸運にも中東の彼の地から帰国した若者たちは再度過激派のもとに走るか、社会に適応することが出来ず自国でテロ活動に走るようになるでしょう。

 

そう考えると著者たちの活動というのはとても意義があることだと思うし、若者たちの人生を救う素晴らしい活動をしているのではないでしょうか?

 

また個人的には、日本でもいずれは著者たちのような活動をするグループも必要になるのではないかとも思っています。なぜならネットでつながっている以上、いつ日本の若者たちが過激な思想に染まるかわからないからです。

 

その時にあたふたするのではなく、ぜひ著者たちのグループのようなところからノウハウを学び若者たちが洗脳されるのを未然に防ぐ、あるいは洗脳されても脱出できる仕組みを構築してほしいなと思いました。

 

あとやはり過激な思想に染まる若者というのは、どこか今の自分の境遇に不満だったり、孤独感や不安感、人生への生きづらさや絶望感みたいなものを抱えている人が多いように思います。ですから、

 

「社会全体で若者たちをサポートする」

 

そうやって若者たちが「今の社会で生きていてよかった。」「自分はここにいていいんだ。」と思えることが、結果的にテロリストになる若者を減らすことになるのではないかと思っています。

 

日本だけでなく多くの若者が絶望しなくてもすむような社会を作ることが、今を生きる僕たちの役目なのかもしれません。

 

それでは今回はこの辺で失礼します!

 

 

 

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