オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

『お金2.0』を読んで、これから経済はどうなっていくのかを学んでみた!

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だいぶ出遅れた感はありますが、前々から気になっていた『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』という本を読んでみました。

 

著者の佐藤さんは、大学時代に株式会社メタップスを設立。最近では時間を売買することができる「タイムバンク」を立ち上げており、今後ますます活躍が期待されている方です。

 

そんな佐藤さんが書いた『お金2.0』という本には「これまでの経済とこれからの経済はどうなっていくのか」「時代の変化に合わせて個人はどう生きればいいか」といったことが解説されています。いやあ、面白かったすね。面白かったので一気に読んでしまいました。

 

そんなわけで今回は本書を読んで僕が特に参考にしたいと思った部分や、大事だなと思った部分を中心にブログを書いていきたいと思います。

 

 

資本主義に抱く違和感

現在は資本主義社会である。これは誰もが認めるところでしょう。ところが、近年資本主義に対して懐疑的な流れが加速しているのではないかと佐藤さんはおっしゃっています。

 

既存の資本主義に多くの人が感じていたことは、「お金にはならないけど価値のあるものって存在するよね?」という点だと思います。例えば、NPOによる社会貢献活動だったり、地方創世のようなプロジェクトだったり。

お金の重要性があまりにも強調され過ぎてしまったため、お金にならないもの、財務諸表で資産として認識されないものはまるで無価値であるような扱いを受けてしまいます。逆に誰もが存在価値を感じていないものではあるが、お金を操るテクニックが上手いために大きな力を持っている場合もあります。

この資本主義が考える価値あるものと、世の中の人の考える価値あるものの大きな溝が出来ており、それが多くの人が違和感を持つ原因です。

引用元:『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』p153~154著者 佐藤航陽 幻冬舎

 

そうですねぇ‥‥‥。確かに今の時代っていうのは「お金になるかどうか」っていうのが大きな価値基準になっている気がしますね。金になれば価値があるし金にならなければ価値がない。いやっ、金稼げるっていうのはスゴイと思うんですよ。でもあまりにも「お金を持っている人がすげぇんだ。」って方に偏っちゃって、金を持っている人の方が世の中的に価値があるみたいな飛躍した論理に発展しちゃったり、稼いでない人がめっちゃ卑屈になっちゃりとかするんじゃないでしょうか?

 

そんで僕が思うのは、こういう金になる=価値がある、金にならない=価値がないっていう基準だけになっちゃってるから、今しんどい人って多いんじゃないかな?お金を稼ぐのが得意じゃなかったり、病気とかケガとかメンタル的とか気質みたいなものでなかなかうまく働けない人がいたとしてさ、基準が金を稼げるかとか役に立つか立たないかっていうだけの世の中だとそういう人に対して価値がないとか言っちゃいがちなんですよね。そんで、本人たちも「自分自身には価値がない」なんて思いこんでしまって、自分を苦しめてしまったりしている。

 

人によってはいい会社に入れなかったりしただけで自殺しちゃったりしますからね‥‥‥。就職失敗して自殺ってたまに聞くニュースじゃないですか?これもまさに「お金を稼げるいい会社に入れなかったら無価値だ。」っていう考え方から来てるんじゃないかな?それは本人の考えもあるだろうし、周りと世間の考えみたいなものにも影響されちゃってるんだろうけど、人を死に追いやっちゃうレベルになるともはや呪いなんじゃないかって思ったりもしますね。

 

参考記事:生産性が高い人だけが価値ある社会だとみんなしんどいんじゃないの? - ニート気質な僕の生きる道

 

そんで引用した文にも書いてあるように、資本主義っていうのは実際の価値あるものを価値として捉えられていないっていうのが大きな問題なわけです。なんせ基準が「お金があるかどうか、役に立つかどうか」だけなので。でも、実際には企業も個人もお金以外の価値を持っているわけで、それを正しく評価できてない仕組みは変だよねっていうわけですね。

 

ひずみが出てきた資本主義から価値主義へ

佐藤さんはこの資本主義一辺倒の状態から別の流れに移行していくのではないかと予測をしています。具体的には資本主義から価値を中心とした『価値主義』へ変わっていくのではないかということです。

 

価値主義という言葉について初めて聞いたという方もいると思うので、本文から説明を引用してみます。

 

価値主義ではその名の通り価値を最大化しておくことが最も重要です。価値とは非常に曖昧な言葉ですが、経済的には人間の欲望を満たす実世界での実用性(使用価値・利用価値)を指す場合や、倫理的・精神的な観点から真・善・美・愛など人間社会の存続にプラスになるような概念を指す場合もあります。

またその希少性や独自性を価値と考える場合もあります。欲望を満たすための消費としての価値は既存の資本主義経済では一般的に扱われているものですが、価値主義で言う価値とはこの使用価値にとどまりません。

興奮・好意・羨望などの人間の持つ感情や、共感・信用などの観念的なものも、消費することはできませんが立派な価値といえます。価値主義における「価値」とは経済的な実用性、人間の精神にとっての効用、社会全体にとってポジティブな普遍性のすべてを対象にしています。

引用元:『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』p163~164 著者 佐藤航陽 幻冬舎

 

これまで同様、資本主義で価値のあるものは今後も価値のあるものとみなされるでしょう。ただ、価値主義の場合、資本主義では価値となりえなかったもの、つまりお金にならなかったものにも価値があると考えられるわけです。

 

引用した文にも書いてありますが、人から興味を持たれたり、共感してもらえるってことにも価値が生まれます。例えば今ならSNSで活動するインフルエンサーやユーチューバー。あの人たちは、自分の考えや、活動を発信すること人々から興味を持たれたり、共感されるわけですよね。「あの人面白い」「あの人の考えに共感できる」「あの人の考えを支持したい」というところからスタートして、いいねが付いたりフォローをしてもらったりするわけです。多い人であれば数万とか数十万人のフォロワーがいたりします。

 

ただこれまでの社会では、仮にフォロワー数が何万人いようがそれは価値のあるものとはとらえられてきませんでした。なぜなら、フォロワーがどれだけいようがそれはお金になったり、利益が発生しているわけではなかったからです。

 

でも、今はそうじゃないですよね。ユーチューバーは個々のチャンネル登録者数や視聴者数が多ければ広告収入も得やすくなります。インフルエンサーはそのフォロワー数によってSNS上で多大な影響力を持っています。彼らが勧めた商品やサービスを一定数の人が利用するだろうし、イベント開催したら結構人が来たりします。ちょこちょこユーチューバーやインフルエンサーに自社の商品やサービスを紹介してもらったりしているわけです。企業という利益を重視する団体が、彼らの影響力を無視できなくなってきているわけですね。

 

この流れは面白いっすよね。これまでは「フォロワー数何万人?はっ、何それ美味しいの?」っていう感じだったと思うんだけど、実はそれが今の時代にはものすごい価値であり、人によってはその価値を変換してものすごい金額を稼いでいたりもする。ユーチューバーとかまさにそんな感じですよね。トップの人なんてウンゼン万とか下手すりゃ億稼いでたりするし。

 

そして、佐藤さんはこの価値主義が資本主義の問題点をカバーするんじゃないかとも考えています。

 

資本主義っていうのはお金を稼げることや役に立つかどうかだけを、価値の基準として考えてきたわけです。つまり、それ以外は価値がないというわけなので、資本主義的な価値から外れた人にとってはなかなかしんどい社会でした。でも、価値主義であれば資本主義で評価されてこなかったものにも価値があり、その価値を基に生きていくことも可能になるからです。先述したユーチューバーやインフルエンサーはその代表格といえるでしょう。

 

もちろん、価値主義にも問題がないわけじゃありません。ユーチューバーやインフルエンサーのような人たちも「じゃあ、面白れぇと思ってもらえば何でもいいじゃん」となって、無茶な動画作ったり過激な発言して他人傷つけたりってこともあるわけです。資本主義が金集めに偏り過ぎたように、価値主義では興味とか関心集めに偏り過ぎちゃうなんてこともあります。

 

ただ、資本主義のいわゆる「お金を稼げるだけが価値がある」っていう基準が一つしかないっていう社会よりも、そういう直接的にはお金にならなかったり役に立たないものであっても、それが評価されてそっちが得意な人はそっちで頑張る道があるっていうのはデカいですよね。デメリットもあるとは思うけど、多くの人にとってはメリットなんじゃないかな?

 

複数の経済システムを選べるようになるといい

そんで、これはこの『お金2.0』にも書いてあるんですけど、「色々な経済を選べるようになるといい」って思うんですよね。

 

今まで通り資本主義的な生き方がマッチしててお金をうまく稼げて楽しく生きれるんならそっちを選べばいい。でも、そうじゃない人は価値主義的な生き方もできるみたいな。

 

現在の資本主義経済の中ではうまく居場所を作れない人も、全く違うルールで回るオンライン上のトークンエコノミーでは活躍できるかもしれません。また1つの経済の中で失敗したとしても、いくつもの異なるルールで運営される小さな経済圏があれば、何度もやり直すことができます。 

引用元:『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』p192~193 著者 佐藤航陽 幻冬舎

 

複数の経済圏が並行して存在すれば、既存のメインストリームの経済から外れてしまった人に対しても膨大な選択肢を与えることになり、選択肢があることによって多くの人がリスクを取って積極的に活動ができるようになります。 1つの巨大な経済システムしか存在しないと、一度でも失敗したら再チャレンジが難しいという弊害があります。

引用元:『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』p194 著者 佐藤航陽 幻冬舎

 

まさに佐藤さんのおっしゃる通りだと思います。資本主義というシステムは素晴らしいものだと思うし、ここまで人々に豊かな生活をもたらしたものなので否定はしません。むしろ僕ら日本人はメッチャ恩恵を受けてますからね。やっぱり世界から見れば豊かな国であることは間違ない。ただ、やっぱりシステムが一つだけだとどうしてもなじめなかったり、蚊帳の外に置かれてしまう人っていうのは一定数いるんですよね。でも、他に選択肢がないからとりあえず資本主義社会の中で適応しようともがいてみるんだけど、うまくいかなくて病んじゃったり、自分責めちゃったりっていうのがこれまでだったんじゃないでしょうか?人が自殺するとかその典型例じゃないかな?

 

でも、価値主義社会になって、単に金を稼ぐって事以外も評価されるようになったら、多分もっと多くの人が楽しく生きられる気がします。たとえお金を稼ぐのが苦手でも他の選択肢があるよね、そっちでうまく生きられるよねっていうのが頭にあればたぶんみんな楽しく生きられるんじゃないかな?今の現状からしてもそういう流れになってきていると思うし、この流れは止まってほしくないですね。

 

っていうかこれってよく考えたら、価値基準が子どもの時に戻るってことなのかもしれない。ほらっ、子供時代って色々なものに価値を感じていたじゃないですか?足が速いヤツとか、ゲームが上手いヤツとか、勉強できるヤツとか、明るいヤツとか、優しいヤツとか、一緒にいて楽しいヤツとか、なんかのオタクみたいなヤツがいて価値基準が一つじゃなかったと思うんですよね。

 

でも、大人になったとたん「ここから先は資本主義社会です。お金を稼ぐこと、役に立つこと以外に価値はありません。」って急になっちゃってそこにうまく適応できない人が続出してる気がしますね。

 

そう考えるとやっぱり資本主義一辺倒よりも価値主義的な社会になって、色々なものの価値が認められて、その中で生きられるようになった方がみんな楽しいと思います。っていうか同じことめっちゃ繰り返していってるけど、本当にそう思うからついつい繰り返しちゃってます(笑)

 

まとめ

『お金2.0』すごく面白くてもっとたくさん書きたいことがあったんだけど、書きだしたら文字数ハンパなくなりそうなので、今回はこの辺にしときます。今回は主に時代がどうなるのか、経済がどうなるのかって事を書きましたが、また別の記事ではこの本に書かれている「個人の生き方」の方についての内容と僕なりの考えを書いてみようかなぁなんて思ってます。

 

『お金2.0』読みやすいし、今後の生き方を考える上でヒントに内容が詰まっているので興味がある方はぜひご覧になってみてください♪

 

それでは今回はこの辺で失礼します。