ストーカーによる被害というのは僕が想像しているよりも多くて↓のサイトによると
2015年は2万1968件の被害が報告されているそうです。
【図解・社会】ストーカーとDVの認知件数と摘発件数:時事ドットコム
またストーカーで思い出されるのが1999年に起こった桶川ストーカー殺人事件 - Wikipediaですね。何度も被害を訴えていたにもかかわらず最終的には殺人事件にまで至った悲しい事件でした。警察の対応も問題視され、この事件をきっかけにストーカー規制法が制定されたりもしましたね。
ここ最近でも歌手活動をしている女性の方がストーカーに襲われるなど、ストーカー対策の法律ができているとはいえ、なかなか対応するのが難しいのが現状のみたいです。
今回僕が見たNHKのハートネットTVという番組ではこのストーカーに関連した内容が放送されていたのですが、それが珍しい内容だったのに皆さんとシェアをしたいと思います。
ストーカー加害者の告白
ストーカーについては大抵の場合「被害者」からのコメントでその被害の内容やどういう経緯でストーカーをされるようになったかを聞くことが多いですよね。一方でなかなか加害者側からの話を聞くということはなくて、僕は「加害者はどういう考えでストーカーをしているのか?」なんて事が気になっていたんです。
そんな時に偶然ハートネットTVでストーカー加害者から話を聞くという回をやっていたんですね。結構長くなりますが、どういうところからストーカーが始まり、その時加害者はどういうことを思っているのかが語られていました。ここからは加害者の告白をザーッとご紹介していきます。
女性(29歳)
ストーカーの対象者はある作家さんで最終的には警察から警告を受けた。
始まりはブログの返信から
はじめは作品を読んで編集部にファンレターを送っていたりするだけのどこにでもいるファンだったそうです。そのうちブログに書き込むようになり、返事をもらうことができたのがきっかけでもっと仲良くなりたいと彼女は思うようになりました。
ファンレターだと反応がないがブログだと反応があって嬉しい。もっと反応がほしいと思うようになったのが最初のきっかけでした。うーん、まぁここまではまだ問題ないかな‥‥‥。ただ、ここから少しずつ彼女の行動がエスカレートし始めます。
ブログで返事が来てから彼女はこの作家さんと
異性として仲良くしたい
と思うようになったそうです。ただのファンから恋心へ。まぁそういうこともあるでしょう。恋心を抱くだけならなんも問題はありません。
そこで気になるのが相手に恋人がいるのかということ。この時に作家さんにメールで「お付き合いしてるかたはいるか?」と聞いちゃいます。(なぜメアドを知ったのかは不明)しかし作家さんからは恋人がいるという返事。その時は諦めたと言っていました。
でもたとえ相手に恋人がいるとわかっていても仲良くなりたいと思った彼女は1年に2、3回くらいメールをするようになります。
「ちょっと会えないか?」
「それはできない。」
作家さんには付き合っている女性がいるし、一対一で他の女性と会うことはできないという返事。作家さんは冷静に彼女の誘いを断ります。もし誘いに乗ってたらさらにこじれてだろうなぁ‥‥‥。
結局作家さんは付き合っている女性と結婚。ここで彼女は異性として仲良くなるのは難しいと思うようになります。
でもどうにかして関わりたいと考えた末に仕事としてかかわれればという考えに至ります。そのため一時期彼女はアシスタントになるための勉強をしていたそうです。ただ、アシスタントになったという話はしてなかったので、多分それは諦めたのだと思います。
僕なら相手に恋人がいるとわかった瞬間に諦めますが、この辺のどうにかして側にいたいという心理がよく分からないところ。自分が苦しくなるだけじゃないかなとは思うんですが、それでも近くに行きたいと思ってしまうんですね。
そのうちメールでの返信も来なくなって彼女も良きファンでいようと思ったとのこと。でもサイン会とかではくてプライベートで会いたいという思いも持ち続けてしまいます。ちょっと矛盾した考えですね。ファンだけどプライベートでも会いたい‥‥‥。うーん、わからん。
この頃の彼女の心理は連絡してはいけないというのはわかってはいるししばらくは我慢できるけど、ずっとは我慢できないという感じ。禁止されるとやりたくなるのは僕らにもよくありますよね。でも、彼女の場合この思いにブレーキをかけることができなかった。
そんな彼女の思いはあるツールによってさらにエスカレートしていくことになります。それが
「Twitterを始めたこと。」
Twitterでさらに行動がエスカレート
この女性はそれまでTwitterをしていなかったみたいなんですね。でも相手の作家さんはTwitterをやっている。それはまぁファンからのコメントとか気軽にやり取りしたいなという考えがあったからなのでしょう。
でもこれはストーカーの女性からしたらありがたいわけです。なぜなら
「相手がリアルタイムで何をしているかわかる」
ツールですから。その人が頻繁にTwitterを使っているならばタイムラインを追うとどこに行ってどういう食事をしかというのもわかっちゃいますよね。プライベートが丸裸に出来ちゃうのが怖いところです。
そこから彼女はいつもTwitterをチェックするようになります。作家さんの日常を知ることで離れていてもそばにいるような気持ちになります。
今年の5月にも女性アイドルの方がTwitterからの執拗なメッセージを受けて最終的には殺人未遂にまで発展する事件がありましたよね。
実際には遠いのに近くに感じられてしまうブログやTwitterなどのSNSはストーカーとの相性が最悪なのかもしれません‥‥‥。従来だったらやり取りができないアイドルやタレントとネット上とはいえやり取りができてしまうわけですから。そうすることで自分の持っている思いが燃え上がるということもあるのかな‥‥‥。
話を戻します。
そこから彼女はTwitterで作家さんにコメントをするようになります。作家さんはTwitter上ではオープンにしていて最初は1日何回も返事が来たそうです。まぁ、多くのファンとやり取りがしたいと思っていたので、最初はファンの一人に返してあげているという感覚だったのでしょう。
しかしストーカーの女性の認識は違います。彼女からすると話す回数が増えたと思うわけですね。嬉しいわけですよ。そんでそこからずーっとTwitterをチェック。
作家さんが小説を読めば自分も同じ小説を買い、感想を伝える。テレビ番組を見てたら自分も見て感想を伝えるという感じで、自分の日常は作家さんを追いかける日常に代わっていきました。
この頃には
付き合えなくても特別な存在になりたい。
と思っていたとのこと。彼女の中で作家さんへの思いが抑えきれなくなってきてしまいました。
受信拒否されても‥‥‥。
ただ、さすがにTwitter上でも話しかける回数があまりにも多いということになり、作家さんからの返事が段々と少なくなってきます。以前は毎回だったのがめっきり減ってきたそうで、最終的にはTwitterの返事がほとんど返ってこなくなったとのこと。
作家さんからするとTwitter上で他のファンと話がしたいのですが、ストーカーの女性の方から必ず書き込みがくるのでそれに疲れてしまったみたいなんです。っていうかよく続いたなという感じなんですが、ここで彼女は作家さんから予告を受けてブロックされることになります。
Twitterができなくなった彼女は次の方法を考えます。今度はTwitterで作家さんの行動をチェックして以前やり取りしていたアドレスにメールをたくさん送るということをやりはじめるわけです。しかしこのメールも受信拒否されてしまいます。
ここで終わりそうなものですが、ここまでくるともう止まらない。彼女も関係が終わったらあきらめられるんじゃないかと思っていたみたいなんです。でも実際に受信拒否をされてパニックになってしまった。どうにかしてつながりを持ちたいという思いは消えなかったようなのです。
そこから彼女はますますたくさんのメールを送り出すようになります。
ごめんなさいって謝ったり、相手を非難したりするようなメールをバンバン送ります。でも相手に届いてるかどうかもわからない。おそらくすぐに受信拒否されてしまうのでしょう。
そこから彼女は1日3回くらい自分のアドレスを変えてメールを送るようにしたようです。さらにTwitterのアカウントを100こぐらいつくって話しかけてはブロックされるの繰り返し。でもたとえブロックされたとしてもそれは反応が返ってきたと思って嬉しくなったとのこと。
ここまでくるともう病的ですね。本人の中でやめなきゃいけないとは思っていてもやめられない。
この時にはブロックされることが遊びのような感覚だったとのこと。
相手を疲れさせようとか困らせようと思うようにもなっていたみたいです。うーん、おそろしや。
自分でもこの頃には目的が全くわからない状態だったと言ってましたね。
作品のファンでもなくなり、作品を楽しみにしている状態でもないわけです。
ただただ作家さんからの反応がほしい。怒りでも何でもいいけどなんかかまってほしい状態。
心の中では私はあの人に愛されてるみたいな気持ちがいつもあったともいっててこれ見ながら「うわぁ、もう完全に妄想が膨らみまくってるな」と思いました。冷静に考えるとどう解釈したら自分は愛されてる思えるのか全く理解ができないんですが、そういう状態に至ってしまうのがストーカーの心理なのでしょう。
あの人はそうはいっても私のことを好きに違いない。
口では嫌いって言ってもそんなに嫌いじゃないはずだと思っていた。
頭では相手が嫌だと言ったり止めてくれと言うのはわかってるんだけど、その反面自分の中ではその人と私の幸せな世界っていうのがあってそこに現実逃避をしていた。
でもメールを送っても相手から返事がこないという現実が彼女を次の行動に動かします。
家の近くまで行ってみよう
ついに自宅を訪れる。
彼女には作家さんが住んでいるマンションの目星がついていたみたいなんですね。このマンションだと思っているマンションがあったといってました。おそらくTwitterとかファンのサイトなんかで情報が集まるのでしょう。
写真一枚から大体の場所がわかるケースもあるって言いますからね。タレント有名人関係なくある程度ネット上に載せるときには注意をした方がよさそうです。
ここでの彼女の行動がまた恐ろしい‥‥‥。
彼女は管理人さんに「このマンションに◯◯さん(作家さん)はお住まいですか?」と聞いてしまうんですね。しかも管理人さんはおそらく彼女をファンと間違えたのか知り合いと勘違いしたのか部屋の番号まで教えちゃったんですよ(>_<)
「教えちゃダメだろ!!」
とテレビを見ながら突っ込みましたが、でも仮に知り合いとか友達だとか嘘つかれたら部屋番号教えちゃうのかもなぁ。
そして彼女はマンションの入り口で部屋番号を押してインターホンで話しかけます。すると奥さんがインターホンに出たそうです。
奥さんは冷静で楓さん(ストーカー女性の仮名)という知り合いはいないので人違いじゃありませんか?と言われたみたいなんですね。その日はそのまま帰ったのですがその日のうちに警察に被害届を出されたということです。
彼女は警察から接近禁止命令を受けました。そんでここでおしまいと思いきやまだ話は続きます。彼女の中では警察から「近づいちゃだめだよ」と言われても自分の思いを止められないところまできていたんですね。
禁止命令を受けてから1ヶ月後くらいたって作家さんのおうちのそばでウロウロするようになってしまったんです。この時は少しでもそばにいると安心したと言ってました。会えなくても側にいられればOKという感覚。全然わからん‥‥‥。
ただ一方で自分の中で会いたい気持ちとそれはだめだという気持ちの闘いがすごいとも語っていましたね。やはり警察から禁止命令まで受けているわけですから、彼女の中で相当な葛藤があったようです。
ただそこから何回目かマンションの周りをうろついていたところ相手が引っ越してることに気づきます。というのも彼女は3日くらいマンションの周りにいたのですが、部屋のカーテンがなくなり人の出入りもなく電気もつかなくなっていたそうなんですね。
おそらく彼女が禁止命令を受けて再び家の周りをうろつくようになるその間に作家さんは引っ越したのでしょう。
ここでようやく安心した。相手の居場所がわからないんだからもうこんなことをしなくてもすむ。自分の影響がないところに行ったと思って安心したし、自分も解放されるんじゃないかと思ったようです。
ここで女性の話は終了。番組ではこの他にももう一人男性でストーカー加害者の方の話も語られていました。こちらも載せようかと思ったのですが、今の時点で5000文字オーバー、長くなりすぎる!!ということで今回は女性の話のみにしておきます。またいずれ機会があれば男性ストーカーの方の告白も掲載するかもしれません。
まとめ
今回女性ストーカーの告白を聞いていて
「きっかけは些細なところから始まる」
というのを改めて認識しましたね。そして今はネットやSNSでそのきっかけが誰にでも起こりうるということも実感しています。別に有名人じゃなくてもそうなることはありえますね。
ネット上でのトラブルや顔出しからストーカーの被害にあうこともあり得ます。自分の個人情報の扱いには十分注意しましょう。
それでは今回はこの辺で!!
最後までご覧いただきありがとうございました!!
次回もよろしくお願いいたします!!