ご存じない方も多いかもしれませんが、最近ポツポツと歌詞を書き始めました。自分が作詞をしていて思うのは、語彙だったり感情表現の仕方だったり、もう何もかもが足りないということ。通り一辺倒というんでしょうか、「あぁ、またおんなじような表現になっちゃった!」みたいなことが結構あるんですよね。
そう考えると多彩な歌詞を書く作詞家さんやシンガーソングライターだけではなく、アマチュアであっても心に響くような歌詞を書ける人はすげぇなぁと日々思うわけです。この辺はやっぱりやってみないと実感できなかったことなので、作詞始めてよかったなぁと思っています。
とはいえ、僕も「はぁ、みんなすげぇなぁ…」と指をくわえているだけではなく、やるからにはプロは到底無理にしてもせめて少しはレベルアップしたいぞという思いがあり、そのためにどうすればいいのかを考えました。で、とりあえずの結論としては「もっと色々な言葉に触れていかないとなぁ」と思うようになりました。これまでも読書はしていましたし、たくさんの言葉に触れては来ていましたが、どちらかというと知識を得るためのものであり、その言葉、文章で人物の心情や背景を描写したり、グッと心を掴むフレーズみたいなものに触れる機会は少なかったんじゃないかと。
それで最近は作詞をしつつ、色々な曲の歌詞を見返してみたり、人生で初めて詩集のようなものまで読んでみたりして、自分の表現の幅を広げようとヒーコラしているわけです。
で、今回紹介するのはその過程でたまたま見つけた一冊。萩原慎一郎さんの『歌集 滑走路』です。
本書は著者である萩原慎一郎さん唯一の歌集です。というのも、彼は2017年に32歳という若さでこの世を去っているんですね。つまり、これは彼にとっての遺作ということです。
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