オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

2018年に開催された『第12回ニート祭り』に参加したので、学んだ事や感想を書いてみる。

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「2月10日といえばニートの日!!」

 

ということで、毎年2月10日に開催されるイベント『ニート祭り』に参加してみました。毎年ニート的な感性を持った人たちが集まるこのイベント。今回も面白い人たちをゲストに招いてニート的な人たちが集まってましたね。そんなわけで、今回は『第12回ニート祭り』に参加した感想を書いてみたいと思います♪

2018年のニート祭りはどうだったの? 


僕は昨年のニート祭りにも参加していたのですが、今年はまず会場にビックリしましたね。なんか結婚式とかできちゃいそうな華やかな会場でした。ニート的な人たちには似合わないなーなんて思いました。主催者の方によると「手ごろな会場がとれなかった」とのことですが、会場入った瞬間に「えっ、ここなの?」ってなりましたね。明らかにニート的な人間たちが集まる場所じゃないんだもん。きっと他の参加者の人たちもびっくりしたんじゃないかな?

 

 

第一部は元ニートの人たちによる朗読劇

まずは去年と同じく元ニートの人たちによる朗読劇です。

 

このイベントはNPO法人ニュースタート事務局という、ニートやひきこもりの人をサポートする団体が主催しているのですが、そこでサポートを受けた元ニートの人たちによるお話。

 

今回お話をされたのは3名で、各々がニートになった原因や、どういうところでつまづいて、ニュースタートに来て何に気づき何を学び、どのようにニートじゃなくなっていったのかなどなど、非常に個人的なこともお話をしてくれました。

 

僕個人もニート的な人間。完全に働きたくないというわけではないけど、自分を消耗させて働くとかは無理なタイプです。だから元ニートの人たちの気持ちっていうのがすんごくよくわかります。

 

ある人の「父親はスゴイと思う。でも僕にはできない生き方だ」っていうのにもめちゃくちゃ共感したし、「人生には当たり外れがある。でも、当たえられた条件の中でどうにかやってみほしい。」っていう言葉とかもうメチャメチャ心に響いて、ウンウンうなずいちゃいましたよね。自分がないものを見ても始まらないし、しんどいというか苦しいだけだから、どうにか今の自分が持っているモノをやりくりしてやっていくってことの大切さ。みんながみんな違う境遇で育ってきているし人生もそれぞれ違うけど、各々の生きてきたか中に共通点がいくつもあって、そんな彼らが不器用なりの人生を歩もうと頑張っているということを聞けて、すげぇ良かったなと思いました。

 

第二部はゲストによるトーク

朗読の後は、ゲストの方々によるトークライブです。今回のゲストは4人。

 

  • 葉梨はじめさん(山奥ニート)
  • 吉田かつやさん(Bライフニート)
  • 小林園子さん(We neet you! プロジェクト“代表)
  • 山瀬健治さん(株式会社「ウチらめっちゃ細かいんで」COO)

 

というなかなか濃い方々でした(笑)

 

山奥ニート葉梨さんの話

トークライブ一人目は和歌山県の山奥でニート15人で共同生活を送っている山奥ニートの葉梨はじめさんです。ニート界では結構な有名人かと思います。

 

葉梨さんは山奥での生活の様子や、なぜ、ニートになったのかといった事をお話されていましたね。その辺は昨年のニート祭りでのお話とかぶってる部分もありましたが、昨年同様「今が幸せである」という感じがとても伝わってきてきました。いいっすねぇ。自分も胸を張って幸せと言えるようにしたい。

 

さらに葉梨さんは、昨年に会社員の女性と結婚をしたんですよね。ニート的な人間が結婚ってなかなか聞かないし、僕のまわりにもいないのでこれには驚きました。だって、ニートと結婚なんてなったら絶対に相手の親御さんに反対されそうですから(笑)

 

ただ、葉梨さん自身は山奥ニートではあるけども、同時にNPO法人共生舎の職員という肩書も持ってるんですよね。単なるニートと結婚じゃなくて、NPOの職員との結婚なら相手のご両親も納得してくれそうです。

 

僕もこの記事を書いてる時点では一応「NEET株式会社の取締役」っていう肩書はあるんですけどねぇ(笑)ただおそらく、日本一信用ならない会社の取締役だからなぁ‥‥‥。もし相手の親御さんから「何してる人?」って聞かれたらにー株の名前は出さずに「取締役してます!!(会社からは一円も入らないけど)」って言えばいいんだろうか?まぁ、騙してはない。騙してはないけどもなんだか僕の中にかすかに残る良心が痛みそうな気はします(^^;

 

ちなみに葉梨さんは現在奥さんとは別居婚の形をとっているみたいですね。葉梨さんは和歌山の山奥、奥さんは確か愛知県だったかな?まぁ、それなりに距離はあるけどもSkypeなんかでやり取りもしているみたいなので、そこまで寂しくないとのこと。いずれは山奥に来てくれたら嬉しいみたいな話もしていたので、いつかその様子がブログなどでみれるかもしれませんね(^^

 

Bライフニート吉田さんの話

続いて二人目にお話をされたのが、吉田かつやさんという方でした。吉田さんは千葉県の九十九里に土地を買い、自分で小屋を建てて一人で生活をされている方です。テレビでその生活っぷりが紹介されたりしています。詳細は↓のブログをご覧ください。

 

吉田さんのブログ:真・田舎暮らしにあこがれて

 

失礼ながら僕は、このイベントに参加するまで吉田さんがどういう活動をされているのか全く知らなかったのですが、いやはや話を聞いてみると面白い。

 

吉田さんは元々は食品工場で現場監督をされていたそうなんですが、心をすり減らして退職。その後引きこもり状態になり、ネットサーフィンをしているうちに小屋暮らしという生き方があることを発見。「小屋で貧乏だけどゆっくり暮らしたい」と思って、行動に移されたそうです。ご自身は小屋なんて一度も作ったことがない素人にもかかわらず、ネットを見ながら作り方を学んだというアクティブっぷりです。すごいよね。

 

大抵の人は小屋暮らしとか見ても「面白そうだなぁ」とは思いつつもどこかで「自分にはちょっと無理かも‥‥‥。」と思ってしまうものですけどね。僕もBライフの本とか読んだ事がありますが、「よっしゃ!小屋作って暮らしたろ!」とはなりませんでしたから(^^;

 

そんで、吉田さんの話を聞いていておもしろいなぁと思ったのは、山奥ニートの葉梨さんも吉田さんもニート的な感性を持ちつつ、その生活っぷりがまるで違うということです。

 

葉梨さんは大勢のニートと山奥での共同生活。山奥の村人たちとも交流があり、仕事を手伝ったり、祭りに参加したりなんてこともあるらしいんです。一方の吉田さんは自分で建てた小屋でひとり暮らしだし、ご近所づきあいもほとんどないとのこと。吉田さんはご自身で「神経質な部分がある」とおっしゃっていてそれで集団ではなく一人で暮らすことを選んだのだそうです。

 

お二人の話を聞いていると「同じニート的な人でも全然違うんだなぁ。いろいろな生き方があっておもしろいなぁ」ってことを改めて思います。みんな違っていいんですよね。無理に周りに合わせるのではなく「自分はこれが生きやすい」っていう生き方を選択していく。これが出来ればお二人のように楽しく暮らしていけそうですね(^^

 

ちなみに吉田さんの場合、小屋を建てたり土地を購入するのに約100万円かかり、月々の生活費はに約5万円程度だそうです。現在吉田さんは雇われて仕事をしているわけではないみたいですが、ブログやYouTubeをやっていて、そこからの広告収入が入ってくるのと、友人の仕事の手伝いなどをして十分に賄えているそうです。

 

土地や建物は完全に自分のものだから、最初にお金を払ってしまえば家賃などはかかりませんからね。また小屋暮らしといっても、昔の人のような不便な生活を送っているわけではなく、掃除機があったりストーブを設置したりと家電も活用しているようだし、ぜいたくをしなければ5万円程度でも生活できるのかもしれません。

 

小林園子さんのお話

三人目に話をされてたのは『We need you!プロジェクト“』の代表である小林園子さんです。

 

小林さんは元々は社会福祉の仕事をしていた方です。障害者施設などで働いたそうですが、働くうちに支援の在り方に疑問を感じてしまいます。その後仕事をやめて色々な働き方が出来る『We need you!プロジェクト“』を始めます。小林さんの具体的な活動は下のサイトをご覧ください。

 

小林さんのサイト:we need you プロジェクト 市川市

 

小林さんがされているのはハウスクリーニングや、部屋の片づけなどをするいわゆる便利屋さんです。もちろんニート祭りに呼ばれるような方ですから、単なる便利屋さんではありません。ニュースタートの若者とも一緒に働くなど「仕事になかなか踏み出せない」っていう方を積極的に活用されている方です。

 

こういうニートやひきこもり、障害者の方などマイノリティへの理解が深い働く場所やその他の居場所がもっと増えるといいなぁなんて思いますよね。そうすれば、もっとそういう人たちも、改めて一歩踏み出しやすいのになんて思います。

 

今のところ千葉県の市川市を中心に活動されているとのことです。

 

山瀬健治さんの話

ラスト四人目は株式会社「ウチらめっちゃ細かいんで」のCOOをされている山瀬健治さんです。

 

とても興味深い会社名だと思うんですが、この会社が面白いんですよね。というのも「ひきこもり経験者やその当事者が安心・安全に働ける場所を作りたい」っていう思いの下に設立された会社だからです。

 

設立についても、ひきこもり当事者や経験者が主体となって設立されており、まさに「ひきこもりのための会社」と言えるでしょう。

 

今まで僕もニートやひきこもりに関する様々な本やニュースを見てきましたが、たぶんひきこもりのための株式会社ってないんじゃないかな?(会社のホームページを見たら株式会社として日本初だそうです。)

 

そんでこの会社がいいのは、「ひきこもりの人の現状を無理やり変えようとしていない」ってことなんですよね。ひきこもりの人を理解し、ひきこもりの人の気持ちに寄り添った会社組織であるということなんです。

 

こちらを見てもらうとわかりますが、ホームページにこれだけ「ひきこもり」というキーワードが出てくる会社はまずありませんね。つまり、それだけひきこもりの方たちのことを考え、その人たちが働きやすい環境を作ることを意識した会社であるということです。

 

実際、今回のニート祭りに訪れた、COOの山瀬さんによるとこの会社では「無理はしない、させない」という方針だそうで、もし仮にダメならダメで早めに言ってくれればいいというスタンスとのこと。何が何でもやれという考えではないのでひきこもりの人でも働きやすそうですよね。

 

ただ、できたのは2017年の12月ということで、現時点でまだ設立から二カ月程度しか経っていません。山瀬さん曰く、「まだ内部での案件が多くこれから外部の案件が入ってきたときにどう回していくのかが課題です。」とはおっしゃっていたので、今後少しずつ組織として壁にぶつかることもあるのかもしれません。ただ、会社の理念はものすごく共感できるので、ぜひ長く存続してほしいなと思います。

 

ここでゲストの方達のトークライブは終了。

 

ニート的な感性を持って生きている方達と、ニートやひきこもり、その他のマイノリティの方達の居場所や働く場所を作っている方達の話はきいていて共感できる部分が多かったし、なんというか希望が持てましたね。改めて「ニート的なやつでも生きていけるじゃん」と前向きな気持ちになることができました。

 

質問コーナー

トークライブ後は元ニートの方やゲストの方に対して質問をするコーナーが設けられていました。

 

結構質問は多かったですね。すべての質問と回答を書きたいところですが、さすがに多すぎるので特に印象的だった質問と回答をお伝えします。

 

「皆さん、能力がある人だからできるのでは?」という質問がありました。確かに、今回ゲストとして参加されている方達は元々能力があるからできるんじゃないの、自分とは違うんでしょ。と思う方もいるだろうなぁとは思います。

 

この質問に対してゲストの方達の回答がこちら。

 

  • 葉梨さん→山奥には15人のニートがいるし、色々な人がいるからそんなことはない。ただ、山奥はお金を稼ぎたいっていう人には向いていない
  • 吉田さん→不安だったら見に来たり調べたりしてみると具体的な答えが出る。仮にいやだったらそれはやらなければいい。
  • 小林さん→自分をさらけ出していると助けてくれる人が出てくる
  • 山瀬さん→必要な能力はネットでも学べる。興味とか必要だと思ったら面白そうな場所に行ってみる。

 

ゲストの方達の回答は「あんまり能力とは関係ない」っていう傾向でしたね。ただ、僕の意見を付け加えるとするならば「いきなり始める」っていうのは難しいかもとは思いますね。特にガチニートやひきこもりの人の場合、なかなか一歩踏み出せないんじゃないかと。いきなり山奥行くのも難しいだろうし、小屋暮らしっていうのも抵抗があるはずです。

 

その場合考えてほしいのは、いきなりやろうとするのではなく「ものすごいハードルを下げてみる」ってことですね。それこそ吉田さんが言ったようにまずは調べてみたり、見学をしてみるという感じで、ハードル下げて行動してみる。山奥に行きたいんだったら、まずは見学させてもらうとか、葉梨さんのブログを見て「山奥での生活はこんな感じなんだ」とイメージを固めておくのもいいでしょう。

 

そうやってハードルを下げて少しずつ少しずつ動くようにしてみると、意外と出来ることって多いものです。まぁ、それでも「ちょっと無理だな」と思えばまた別のことをやってみればいいし、山奥でもなく小屋暮らしでもなく別の生き方をされている人もいるでしょう。そういう人の生き方を真似してみればいいんじゃないかな?

 

どちらにせよ、「あの人は能力が高いから」と最初からあきらめてしまうのは勿体ない気がします。それよりもしつこいぐらい言いますがハードル下げて「これならできそうだな」ってところから始めてみるっていう方が結果として前に進めると思います。やってみないとわからない部分って多いですからね。最初から決めつけすぎず少しずつでも動いてみる。

 

「ほんのちょびっとでもいいから動いてみる」

 

そうすれば、何もしてない状態よりは確実に気づきや学びを得られるはずです。

 

まとめ

そんなわけで、今回は2018年2月10日開催された『第12回ニート祭り』の様子や感想を書いてみました。

 

今回も面白い人たちの話が聞けて非常に楽しいひと時でした。そして、自分の今後について改めて考えるいいきっかけになりました。

 

ニート的な人でも楽しく幸せに生きていける。僕自身もそう胸を張って言えるよう、自分の人生を充実させていければと思います。

 

ニート祭りは、ニート的な人たちが色々な気付きを得るためにとてもいい場所だと思うので、興味がある方は来年のニート祭りにぜひ参加してみてください♪少し視野が広がるかもしれませんよ(^^

 

それでは今回はこの辺で失礼します。

 

 

 

葉梨さんのブログ→山奥ニートの日記

吉田かつやさんのブログ→真・田舎暮らしにあこがれて

小林園子さんのサイト→we need you プロジェクト 市川市

山瀬健治さんの会社のホームページ→株式会社ウチらめっちゃ細かいんで | ホームページ制作、プログラミング教育などをひきこもり経験者が細かに対応します

NPO法人ニュースタートのホームページ→【引きこもり支援】ニートや引きこもりの若者が自立するまでを支援する施設/NPO法人ニュースタート事務局

 

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