オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

記者の執念を見た!FIFA腐敗の全内幕という本を読んでみました。

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僕は幼稚園ぐらいからサッカーをはじめて高校卒業までそれなりに真剣にやっていました。まぁ、今はたまにフットサルやるぐらいでサッカーからは離れてしまいましたが今でもサッカー観戦は好きですし、雑誌やサッカー番組なんかもよく見るんです。

 

そんなサッカーを国際的に統括するのがFIFA(国際サッカー連盟)です。FIFAについては

国際サッカー連盟 - Wikipediaをご覧になっていただけれある程度理解できるかと思います。

今回はそのFIFAの腐敗を暴くことに成功したある記者が記した本をご紹介したいと思います。思った以上にドロドロでサッカー好きにはショックかもしれません‥‥‥。

 

 

目次 

 

  • 序章 逮捕
  • 第一章 リオのゴッドファーザー
  • 第二章 爆殺事件
  • 第三章 FIFA会長の黄金入りアタッシュケース
  • 第四章 秘密賄賂リストを入手する
  • 第五章 ナイキとの片務契約
  • 第六章 ドイツW杯決定のスキャンダル
  • 第七章 W杯チケット闇市場
  • 第八章 副会長の錬金術
  • 第九章 アメリカ理事はなぜ太っているのか
  • 第十章 副会長ジャック・ワーナーを切る
  • 第十一章 スイス当局の捜査
  • 第十二章 法廷で暴かれた会長ブラッターの関与
  • 第十三章 結審
  • 第十四章 極秘捜査報告書の公開
  • 第十五章 アヴェランジェの追放
  • 第十六章 軍事政権の虐殺に関与
  • 第十七章 FIFA「捜査局」の実態
  • 第十八章 倫理コードを書き換える
  • 第十九章 ブラッター、家族の墓を移す
  • 第二十章 靴を投げつける記者

 

 想像以上の腐敗っぷり

 細かい事を書くときりがないので省略しますが、本を読むと想像以上に腐敗しております。本書読んでるとため息出ちゃいますよ。ほんとガッカリ。腐敗の内幕の一部についてはWikipedia様からご覧になってみてください。ほんとかねの亡者ばっかか!!

2015年FIFA汚職事件 - Wikipedia

 

「汚職」「横領」「賄賂」「マネーロンダリング」「ギャング」などなど、本書には頻繁にこれらの言葉が登場します。いやっ、これがどっかの犯罪組織を取材した本ならわかりますよ。マフィアとか暴力団組織とかそんなところを取材したなら全く違和感ありません。うわぁ、やっぱ黒い世界なんだなと。

 

でも、本書で取り扱ってるのはFIFAですからね!国際サッカー連盟!!世界のサッカー連盟を統括する組織!サッカーは世界で最も知られているスポーツで世界中で人気のスポーツですよ。そんな組織の幹部連中やらトップがもうズッブズブ。爽やかさのかけらもなし。

 

政治家やらギャングやら大企業やらともう癒着しまくってる。しかもここ数年とかの話じゃないんです。前の前の会長時代からもう何十年もですよ。そっから一部の人たちはあまーいしるを吸いまくってたわけです。

 

仲間を非難しない組織

腐敗したFIFAを牛耳る人たちについて筆者はこんな事を言っています。

 

ファンは冗談で、FIFAを「マフィア」だといった。だが、それは冗談ではないーFIFAを牛耳るブラッターのグループは、組織犯罪シンジケートと共通する要素をすべてそなえている。強くて冷酷なリーダー、序列、メンバーに対する厳しい掟、権力と金という目標、入り組んだ違法で不道徳な活動内容

ブラッターとその理事会のメンバーは、自分たちの犯罪が表に出た時、決して仲間を裏切らない。最近グループからはずれた八人については?非難の言葉はひと言たりともなかった。

引用:本書のP351より

 

表向きにやってることは違えど組織の構造は犯罪集団と一緒って事か。FIFAっていうサッカー界の頂点にある組織とそのトップにいる幹部やリーダーたちには当然権力や金が集まるからなー。やっぱ権力と金が集まるとろくなこと起きないですね。必ずと言っていいほど私利私欲のため、私腹を肥やすためにあらゆるものを利用しようという連中が出てくる。

 

これは別にFIFAだけじゃなくて、この世界に存在するあらゆる組織に共通する事なんじゃないかな。権力と金が集まれば集まるほど汚職とかそういう事が起きる可能性が高くなる気がします。

 

しかも、そういう組織って基本的に開かれた組織運営されてなくって限られた人たちで勝手に物事を決めちゃってるところが多いんですよね。めっちゃ閉じちゃってる。

 

FIFAの場合、組織運営については幹部たちで全て決めてるし、会議の内容とかも秘密。法律による内部資料の開示義務もありません。経理資料とかも外からじゃ見れないですからね。そりゃ好き放題できるがな。

 

外からの厳しい監視が必要

基本的に長年こういう運営をしてきた組織には自浄作用なんてものはないと考えていいんじゃないでしょうか。それこそ幹部含めて総とっかえするぐらいしないと変わらないと思うし、それにプラスして外部機関による厳しい監視が必要ですよね。

 

FIFAと癒着していない組織でメチャメチャ厳しくお金の流れとか不正取り締まるようなとこにもう常に監視してもらう。もう全て見えてしまうぐらいの透明性を確保するぐらいの意気込みじゃないと、ちょっと幹部連中のクビ切ったぐらいじゃ変わらんのじゃないかなー。日本でもどっかの大企業が不正やってたけどあんな感じになるんじゃないの?

 

尊敬に値する記者の執念

筆者である、アンドリュー・ジェニングス氏は元々ロンドン警視庁の汚職やイタリアのマフィアなど組織犯罪を取材してきた方です。今回は15年もの間FIFAの汚職取材を続けてきました。あれだけ巨大で権力も金もあり、世界中に影響を与える組織に立ち向かうことは生半可なことではないでしょう。

 

著者は途中会見から締め出されるような妨害をされたり脅迫まがいの行為をされたりもしますが、それにも屈せず取材を続けました。その結果、彼の告発した資料からFBIが動き、FIFA幹部の逮捕劇につながったというわけです。放置していたらますます腐敗は進み取り返しのつかないレベルまで腐食していたかもしれません。まさにジャーナリストの鏡と呼ぶにふさわしい人物なんじゃないかな。ほんとかっこいいわ。

 

権力にすり寄って権力側に都合のいい記事を書くのか、それとも権力の行っている不正を暴くことに全力を尽くすのか。どちらがいい記者なのかは言うまでもない。でも氏のようなジャーナリストって世界にどれぐらいいるんだろうか?決して多くないような気がします。今後もこういう組織犯罪が横行するんだろうな‥‥‥。

まとめ

本書はFIFAの腐敗についての内幕を暴露するものでしたが、FIFAのみならずあらゆる組織が腐敗する際の流れのようなものを学べるものであるとも思っています。

 

簡単に言えば権力や金が集まり、秘密主義で外からは閉じてしまっていて不透明な組織運営とくれば危ないと思った方がいい。それは会社だろうが国だろうが関係ありません。いくら表向きにはクリーンに見えても何かやましい事をしているんじゃないかという疑いの目が必要ですね。

 

またジャーナリストを目指す人にはぜひ一度本書を読んでジェニングス氏のジャーナリズムの一端に触れてほしいですね。彼の姿勢を見て、「権力による不正や、犯罪行為を許さない」そんな方が一人でも多く出てきてくれればもう少しクリーンな世界に近づけるんじゃないかな。そんなジャーナリストの力を見せつけられた読み応えのある一冊でした。

 

興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね♪

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後までご覧いただきありがとうございました!

次回もよろしくお願いいたします!