実は7月に富士山を登る計画があるのですが、僕登山とかとんと縁がなくて、正直登れるかどうか不安でした。じゃあ、ちょっと事前に体力作りなり、道具を整えていこうと思い立ったのが4月頃。そんで、今回ものは試しということで僕の住んでいるところから割と行きやすく、そこまでハードルも高くないとされている筑波山を登ることにしました。今回はその時のことを書いていこうと思います。
筑波山へのアクセス
筑波山へは車で直接向かうこともできますが、今回僕は電車で行ったので、電車を使ったアクセスの仕方を載せておきます。
最寄り駅はつくばエクスプレスのつくば駅。都内の秋葉原からつくばエクスプレス線を使うと、最短で45分、遅くとも1時間は経たずに到着します。
駅からは筑波山に向かうバスを利用します。どの登山コースを選ぶかで、乗るバスや降りる駅も変わってくるのでご注意を。僕が選んだ御幸ヶ原コースで山を登る場合、直行筑波山シャトルバスを使います。目的地の筑波山神社入り口のバス停まで、所要時間は大体40分ぐらいです。そこそこかかりますね。
ここで頭に入れておきたいのはバスの本数です。筑波山へのバスは平日だと1時間に一本。土日祝日でも30分に一本と少なめです。僕の場合、つくば駅に着いたのが10時を少し回っていたぐらいだったのですが、10時にバスは出発してしまい、次の11時発のバスまで1時間近く待つことになりました。
最寄りにはショッピングセンターなどあるので、時間を潰せるとは思いますが、なるべく効率的にいきたい人の場合、電車の到着時間などは事前にチェックしておきましょう!
筑波山の概要
筑波山は日本百名山に選ばれていて、筑波山神社や、温泉、ハイキングコースや登山コースなどがあります。男女二つの神を祀っていて、男体山(標高871メートル)と女体山(標高877メートル)があり、女体山が筑波山で最も高いです。
筑波山にはいくつかハイキングコースがあります。難易度や見える景色もだいぶ違うので、自分のレベルや目的に合ったコースを選択していくといいと思います。以下に主なコースを挙げておきます。
- 御幸ヶ原コース
- 白雲橋コース
- 迎場コース
- おたつ石コース
- 自然研究路
- 薬王院コース
- 旧ユースホステルコース
- 筑波山高原キャンプ場コース
- 東筑波ハイキングコース
※いずれも『筑波山徹底パーフェクトガイド』著スタジオパラム、メイツ出版に掲載
このうち、薬王院コース以下は筑波山の裏側にあるコースです。今回僕は登りを御幸ヶ原コース、下りはおたつ石コースを選択しました。登山初心者ということもあり、きついとされるコースは回避したつもりでしたが、それでも足腰と心肺機能への負荷はけっこう大きかったです。体力に自信のない人は、難易度低めとされているコース(迎場コースや旧ユースホステルコース)などを選ぶといいかもしれません!
御幸ヶ原コースで筑波山を登る!
ここからは実際に筑波山を登った感想を中心に書いていきます。すでにお伝えしたように、僕が今回登ったのは御幸ヶ原コースです。このコースは筑波山神社入り口のバス停を下りて、筑波山神社を経由して山道を登っていきます。
筑波山神社は、平安時代ぐらいまで遡ることができる歴史のある神社です。さらに江戸時代には徳川家によって庇護されたとのこと。この神社の左脇の道をゆくと、ケーブルカー乗り場と、登山道への道があるのでそちらに行きます。
登山道を甘くみてはいけない
『筑波山徹底パーフェクトガイド』によると、この御幸ヶ原コースは所要時間が大体1時間50分。体力度は三つ星中の二つ星なので、ぶっちゃけそこまでキツくはないかなと思っていたんですよね。でも、まぁ考えが甘かった。
基本的に登山道が木の根っこと岩のコンボでボコボコしてて不安定なんですよね。あんまり平坦な道がないんです。そのため、バランスを取ったり足をどの場所に置こうかを選択するため、けっこう集中力を奪われます。さらに僕が思わず「これなかなかじゃない?」と独り言を呟いちゃうぐらい、結構な角度の坂道を登ることも。階段3段抜かしかよぐらい足を持ち上げたりもしました。
これを、荷物をそこそこ詰めたリュックを背負った状態で登るわけですから、そりゃしんどいですね。まぁ、疲れたらちょっと岩に腰かけたりしてもいいし、途中でベンチなんかもあったりするので、休めるスペースはあります。体力に自信のない人は頻繁に休んで、無理のないペースでいけばいいと思います。僕もちょこちょこ休みを入れてはいたものの、中盤から後半にかけてかなり太腿はパンパンでございました。結構息も乱れたしね。
こういうベンチがあるとホッとする
一応、普段から筋トレもしてるし、荷物背負って階段登るみたいなことも継続はしてたんですが、やっぱり山を登るとなると角度や、地面の不安定さなど色々違うんだなと。道も真っ直ぐじゃなかったりしますからね。この辺はとてもいい経験になりました。
登山は疲れるけど気持ちいい!
登山して観て思ったのはやっぱり空気の美味しさですね。見渡す限り木々が生い茂っていて澄んでいる感じ。多少思い込みもあるのかもしれませんが、これはまず実感しました。
あと、この日は30度を超える暑さだったのですが、ほとんど木陰で登っている最中は直射日光をガンガン浴びて体力消耗みたいなこともほとんどなかったです。もちろん、坂を登る時にエネルギーを使うので汗はダラダラかきましたけどね。登ってる最中は自販機とかないので、水分持参は必須でございます。(僕は1.5リットルぐらい持ってたかも)
後、印象的だったのは登山者同士の挨拶ですね。ほら、よくすれ違う度に挨拶が交わされるなんて聞くじゃないですか。あれ、本当かなぁなんて思ってたら、実際上から降りてくる人が「こんにちは〜」なんて挨拶をしてくれるじゃないですか。で、僕も「こんにちは〜」って返す。別に、これ以上のやり取りはないですし、そこから一緒に登山するとかもないんですが、なんか気持ちいいんですね。挨拶ってバカにできんなぁと。文字にすればほんの数文字のやり取りにちょっとした喜びがある。きっと、相手から気にかけてもらえているという感覚を、ひと時でも得られるというのがあるんでしょうね。
で、僕もすれ違う人に「こんにちは!」って声かけてみたんですよ。すると大抵返してくれるんですよね。年配の方から、若い人まで老若男女問わず無視されることはほとんどありません。まぁ、これを読んでる方の中には、挨拶なんてめんどくさいっていう人もいるかもしれませんが、試しにちょっとしてみると、けっこう清々しい気分になれていいんじゃないかなと思います。普段街中で、ここまで頻繁に挨拶を交わすなんてこともないでしょうから、いい経験にもなると思いますよ。
御幸ヶ原到着!
そんなこんなで、1時間20分ぐらいヒーコラいいながら登り続けたところ、何やら人の声がちょこちょこ聞こえてくるじゃありませんか。そうしてようやくたどり着いたのが↑の写真の御幸ヶ原です。
この日は遠足だったのか、幼稚園児たちの集団や引率の大人たち。後は、僕と同じく登山をしにきた人が体を休めたり、お土産屋さん兼食事処みたいなお店でご飯を食べたりしていました。
こうやって一面を見渡せる景色が素晴らしかったです。それまで木が生い茂る道をずーっと歩いてたので、開放感もありました。ただ、一気に木陰がなくなるので太陽の光がガンガン来てまぁ暑かった。サングラスちょっと外したら、眩しくて目も開けづらかったですね。山登りにサングラスは必須。山道に悪戦苦闘してお疲れモードだったので、景色を楽しむのもそこそこに、食事処に逃げ込みお昼を食べることに。
どうやら筑波そばが名物ということで、せっかく普段来ないところに来たんだから、その土地の名物いきたいじゃないですか。なので筑波そばを注文。ただね、まじでミスったなぁと思ったのが、この筑波そばが熱いんですよ。しっかり温められたスープで、体温爆上がり中でこれ以上温める必要なんてどこにもない僕の体を容赦なく温めてくる。あっ、これは僕の注文ミスです。熱いか冷たいか確認を怠りました(笑)
それで、1人ですからリアクションとったり、言い訳もできず黙々とさも「何もうろたえてませんよ」という顔をして熱いそばをすする私。近くでは幼稚園児たちが冷たそうなかき氷を頬張っているわけです。普通のかき氷なんだけどうまそうなのよ。こんな感じで、自ら苦行を課すという予想外の展開でしたが、そば自体は美味しかったので良しとします。
ちなみに、いいなぁと思ったのは食事処でアルコールを注文しているお客さんです。おそらく登山も終わって帰りはモノレールで降りるんでしょう。その前にグイッと冷たいアルコールで喉を潤して下山する。筑波山には温泉施設もけっこうあるので、もしかしたら帰りに入るのかもなとか想像しておりました。(風呂とアルコールの相性は悪いのでおすすめはしませんが)
男体山と女体山の山頂に到達!
しばらく食事処で休んだ後は、男体山と女体山の山頂へと向かいました。先ほどの御幸ヶ原から男体山の山頂までは10分〜15分程度でしょうか。ここ、意外と足場がゴツゴツした岩場だったり、急な坂があったりするので要注意です。
そんなこんなでようやく山頂へ。ここには筑波男ノ神(いざなぎのみこと)を祀っている筑波山神社の本殿があります。
ここから見える景色もまた素晴らしい。っていうか高い。ちょっとせり出した感じの場所から景色を眺められるのですが、これ高所恐怖症の人はしんどいかもしれません。ただ、視界は開けてて遠くまで見通せるのでオススメです。残念ながらこの日は見えませんでしたが、場合によってはスカイツリーとか富士山もみれるとのこと。
ここで一通り景色を楽しんだ後、先ほどの御幸ヶ原まで戻ります。先ほどまでワイワイしていた幼稚園児たちはどうやら帰るようで、モノレールの駅の前に並んでいます。あぁ、俺にもこういう時期があったなぁと遠い目をしつつ、今度は女体山の山頂へ。こちらは御幸ヶ原から15分〜20分あれば着くと思います。
出発直後は「割とゆるい道が続きそうだなぁ」なんて楽観視してましたが、見通しの甘さ再びですよ。こっちもこっちで岩場でけっこう足元が不安定でしたからね。もちろん、ここまでの疲労の蓄積もあるとは思いますが、甘く見てはいけない。どこまで行っても山は山なんだなぁと心の中でつぶやいておりました。
とはいえ、まぁ15分程度ですからあっという間ですよ。女体山の山頂に到着!こちらには筑波山女ノ神(いざなみのみこと)を祀る本殿があります。
で、女体山の山頂に関してはけっこう怖いです。剥き出しの岩場が山頂になってて、囲いとかないんですよね。もちろん、景色は辺り一面見渡せてサイコーなんですが、遮るものが何もないので、けっこう風が吹きつけてきたりする。僕の首に巻いてたタオルもちょっと飛びかけましたもん。なので、滞在もそこそこにそそくさと降りてしまいました。
その後は、山頂からちょっと降ったところでケーキを食べました。実は僕この日が誕生日でして、どうせ山に登るんなら自分の誕生日を筑波山の山頂で祝おうと思ってたんです。で、つくばの駅にあるショッピングセンターでちょっとしたケーキと言いますか、スイーツのようなものを購入して持ってきておりました.
ただ、本当は山頂でケーキを食べたかったんですが、なんと「飲食禁止」の貼り紙がありまして、やむなく断念。なので、少し下ったところで1人プチバースデーパーティーをしたというわけです。
ケーキはけっこう甘かったのですが、山登りによる疲労で体が糖分を欲してたんでしょうね。バクバク食べられました。なかなか思い出に残る誕生日となりました。
筑波山から下山!帰りはおたつ石コースで!
さてさて。登ったら当然ですが山を下りなければなりません。ここでケーブルカーを使ってスイスイと下山するのも、それはそれで楽しいとは思うのですが、僕の目的はあくまで富士登山前の予行練習のための登山です。なので、今回は自らの足で下りることにしました。コースは行きとは違うおたつ石コースです。
こちらは眺望を楽しめるコースということで、行きよりは楽かなぁなんて思ってたのですが、はい、またまた出ましたよ見通しの甘さが。こっちもけっこう急な坂があったりするんだ。しかも、ゴツゴツした岩で足元不安定だから滑るのが怖くてヒヤヒヤします。
で、何と言っても筋肉や関節への負担ですよ。これはほんとバカにできない。下りる時は膝とか足首とか股関節周りへの負担がグッと増します。登りは主に心肺機能や筋肉疲労が辛かったですが、下りは筋肉や関節へのダメージの蓄積がありました。途中ちょっと膝が痛くなったりしましたからね。それでも下りてかなきゃいけないから余計に神経使って、まぁ疲れましたね。関節に不安がある人なんかは、下りはモノレールで降りた方が無難かもしれません。
ただ、このおたつ石コースは※途中で白雲橋コースと合流するのですが、パワースポットとか名所と呼ばれる場所がいくつもありましてね。そういうところ見ながら、山の歴史に思いを馳せたり、かつてここを通った人たちのリアクションなんかを想像したりするのは楽しかったです。
※おたつ石コースはつつじが丘から弁慶茶屋跡まで。その後に白雲橋コースと合流して、女体山山頂まで行ける。
弁慶七戻り
こんな感じの小屋もあるので、少し疲労が溜まったなぁという場合は長めに休んでもいいかもしれません。
ここをさらに下っていくと、つつじヶ丘高原に着きます。ここにもベンチや日差しを避けられる東屋があるので、休憩にはもってこい。僕もここでベンチに腰を下ろして水分補給をしながら景色を眺めておりました。鳥のさえずりと風の音が心地よかったです。まだ、耳にうっすらと余韻が残っています。
休憩を終えてさらに下ってようやくゴールです!膝がちょっと痛かったり、けっこう写真も撮ってのんびり降りたので所要時間は1時間程度でしょうか。なんにせよ無事に降りられて良かったです。
さぁ、このまま帰宅だぞというわけには行きません。なんせバスは1時間に1本ですからね。どうやら後30分程度は来ないので、近くにあるお土産屋を覗き、階段に腰を下ろしてぼーっとしながらバスが来るのを待ちました。
おたつ石コースを降りると、利用するバス停はつつじヶ丘のバス停を利用することになります。ここからつくばの駅までは約50分ほどかかります。さすがに、疲れたのかバスの中ではほぼ目を閉じて眠りについておりました。で、駅まで着いてそのまま電車で帰宅しました。
筑波山登頂のまとめ
そんなこんなで筑波山初めて登頂を終えました。そこまで難易度は高くないという評判だったので、少し甘く見ていましたが、やっぱり山を舐めちゃいかんと確認できて良かったです。不安定な坂道をリュックを背負いながら登るのは思ったよりも大変でした。
ただ、やはり山に登らなければ味わえない景色、空気、疲労も含めた体への影響など、いつもと違う刺激は確実に僕の中に刻まれましたし、山を歩いたからこそ考えたこと、感じたことがたくさんあって、登って良かったなぁと改めて思います。
筑波山は都心からのアクセスも割といいですし、駅からのバスやモノレールもあるので景色だけ楽しみたい人にも行きやすい場所です。日帰りでも十分行けるので、興味がある方はぜひ一度行ってみてください。
参考書籍、サイト