オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

歴史から現代の世界情勢を見るために。大世界史という本を読んでみました。

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 池上彰・佐藤優の両氏

 

僕はこのお二人を勝手に『知識のバケモノ』と呼び勝手に尊敬しております。

 過去記事でもお二人の本を読んだ感想を書いているんですが、お二人はあらゆる分野の知識を網羅されているんですよね。

 

戦争の事を知らない男が新・戦争論という本を読んでみました。 - ニート気質な僕の生きる道

 

歴史、宗教、経済、法律、芸術など、「えーっ、そんなところまで話せるの??」っていう内容がガンガン出てくるんです。僕が勉強不足なので分からない部分もあるけど「そういうことなんだ。」っていう発見も多くて、難しく感じる問題を分かりやすく解説してくれていて凄く勉強になるんですよね。

 

そんな知識のバケモノのお二人がまた新たに本を出されたというので読んでみたというわけです。それがこちらの本。

 目次

  1. なぜ、いま、世界史か
  2. 中東こそ大転換の震源地
  3. オスマン帝国の逆襲
  4. 習近平の中国は明王朝
  5. ドイツ帝国の復活が問題だ
  6. 「アメリカVSロシア」の地政学
  7. 「右」も「左」も沖縄を知らない
  8. 「イスラム国」が格をもつ日
  9. ウェストファリア条約から始まる
  10. ビリギャルの世界史的意義
  11. 最強の世界史勉強法

 

 内容&感想

目次見てもらってもわかるように、中東からアメリカ、ロシア、中国はたまたビリギャルまでとてつもなく幅広い分野を網羅されている事が分かります。

 

前回の『新・戦争論』と同じく池上・佐藤両氏の会話形式で進んでいきます。

 

まず重要なのはこの本の意義です。本章に入る前にお二人も「なぜ、いま、世界史なのか」という事を語られています。人によっては「は?世界史?何で今更そんなもの?」なんて思う人もいるでしょう。僕もぶっちゃけそう思っていたタイプで歴史なんて暗記物でしょ(笑)位の何とも浅い考えの持ち主だったんです。まずはその辺りの考え方を改めていく必要があります。以下、お二人の会話の中で僕が特に重要だと思うところを印象していきます。

 

佐藤 歴史を博物館の陳列物のように扱っては、面白みもありません。歴史は、現代と関連付けて理解する事で、初めて生きた知になるのです。

池上 まったく同感です。 歴史は今を理解するためにある。たとえば、新聞を読みながら、事件の背後に世界史の知識を重ねてみる。すると、その事件が立体的に見えてきます。あるいは、歴史を学ぶ際に、現代の様子も思い浮かべてみる。イスラムの歴史を学ぼうとするなら、現代のイスラム世界の人々の暮らしにも関心を向ける。そうやって、過去と現代の往復を繰り返すことで、歴史をわが物とすることができます。

 

 

佐藤さんが、おっしゃっている歴史を博物館の陳列物のように扱うというのは確かに面白みがありませんよね。ほんとの美術品なら外から見る面白さもあると思いますが、歴史はケース越しに眺める類のものではありません。

 

実際に自分が歴史を学んで見て、「ああ、この出来事は過去のあの時の出来事と似ているな。だから今後はこうなるのかもしれない」という風になると初めてそれが初めて知識となるのでしょう。ぶっちゃけ、僕も全然歴史を学んでいないので、今起きている事と過去の出来事を結び付けることが出来ていません。ちょっとこれではまずいなーとこの本を読んでいて思うので、これからちょっとずつ歴史の勉強をしていくつもりです。

 

 

池上 「我々はどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」というゴーギャンの有名な絵がありますが、私たちが歴史を学ぶのは、一言で言えば、今の自分の立ち位置を知るためですね。

日本という国も、第二次世界大戦後、「もう二度と戦争はしない」という事で再スタートしました。そこから今日までどのような道を歩んできたのか。そして今どのような位置にいるのか。

それは個人の場合も同様です。自分はこれまでどう生きてきたのか。今どんなところに立っているのか。そして、これからどう生きるのか。要するに、「歴史」を知るとは、生きていくために「自分」を知ることなのです。

佐藤 だからこそ、主婦やビジネスパーソンにも、歴史を学ぶ意味があります。一人の人間が、人生の中で経験できることには限りがある。しかし、歴史を学ぶことによって、自分では実際には経験できないことを代理経験できる。

こうした代理経験を積むことは、単なる娯楽にとどまりません。より直接的に、人生に役立つのです。論理だけでは推し量れない、現実の社会や人間を理解するための手がかりになるからです。

読者や歴史を学ぶことで得た代理経験は、馬鹿に出来るものではありません。この代理経験は、いわば世の中の理不尽さを経験することでもあります。しかしだからこそ、社会や他人を理解し、共に生きるための感覚を養ってくれるのです。

 

確かに僕も読書をする事から自分以外の人が感じたこと、経験したことを沢山学ぶことが出来ました。僕の読書量は多くはないですが、それでも僕がたとえ100年生きても決して経験できないような事を本からは学ぶことが出来ていると思います。

 

歴史を学ぶというのもそれに近いのかもしれません。確かに歴史は膨大な人間の経験が集まってできたものですからね。戦争にしたって、僕らは体験したこともないけれど歴史を学べば「戦争はどうやって始まるのか??」「戦争中の日本はどんな雰囲気だったのか??」「戦場の様子はどうだったのか?」といったことを疑似体験することができます。

 

もちろん、歴史の中には成功と呼べる歴史もあれば失敗と呼べる歴史もあるわけです。例えば第二次世界大戦なんか国民や世界の平和を脅かすような大失敗だったわけですよね。その失敗自体は二度としちゃいけない。だからその失敗の歴史を疑似体験しておくことで、今の時代と照らし合わせて「どうすれば戦争を起こさなくて済むのか??」っていう事を考えることが出来ると思うんです。そう考えると歴史を学ぶことってすげぇ大切だと思いますね。

 

学校とかでも口酸っぱく「何で歴史を学ぶのか?」って教えればいいと思うんだよなー。そうじゃなくて、何となく暗記物みたいなイメージがあるから勉強してても「何の役に立つのこれ?」みたいになっちゃうんだと思うんですよね。テスト終わったらすぐ忘れちゃうもんね。

 

もっと歴史の授業に入る前の工夫とか歴史と現在を結び付けるような授業も必要なんじゃないでしょうか。

 

池上 「歴史」を知ることが「自分」知ることだとするならば、その「自分」は、「個人としての自分」だったり、「消費者としての自分」だったりします。さらには、「日本人としての自分」も存在する。そういう「自分」をよりよく知るには、おそらく日本の歴史だけでは十分ではないでしょう。日本の歴史だけでは十分ではないでしょう。日本の歴史だけでなく、世界の歴史の中に位置づけなければ、「日本人としての自分」も、今どこにいるのかわからなくなるからです。もちろん、世界の歴史のすべとぉ把握するなど出来ることではありません。それでも「世界」というものを認識し、できるだけ把握しようと努めることが大事です。

佐藤 「大日本史」ではなく「大世界史」。日本の歴史を学ぶことはもちろん大事ですが、さらにそれを世界史の中に位置づけて考える、ということですね。

その際、同じことを中国人が見たらどう思うか、韓国人や北朝鮮人が見たらどう思うか、ロシア人が見たらどう思うか、アメリカ人が見たらどう思うか、アメリカのなかでも南部の人が見たらどう思うか、ユタ州の人が見たらどう思うか、ウォールストリートの投資銀行の連中が見たらどう思うかと、立場をトランスする必要がある。世界史を見るのも、こっちからはこう見えるが、あっちからはこう見えると、一度は自分の価値観をカッコに入れて物を見る訓練が重要になってきます。

 

世界の中から見た日本っていうのはどの位置にいるのか?それを知るためには世界史から学びましょうということですね。日本だけじゃなくてそれぞれの国には歴史があるわけで、日本人の歴史だけ学んでいたのでは理解できない部分が沢山出てくるわけですから。

 

今、中東とかで起きてることなんてまさにそうじゃないですか??中東の歴史とかよく分からんから、「なんかテロこえぇー」とか「なんでテロをするんだ?」位の感想しか持てないんだけど、過去をさかのぼれば「こういう理由でテロを起こすのか?」とか「最終的にはこうなりたいんだな、あの国は。」っていう思惑みたいなものが見えてきたりするんですよね。

 

違う国の人々、違う民族、違う国家それぞれの立場から物事を考えるにはそれぞれの歴史を学ぶことが必要ですよね。正直全てを理解するのは難しいけど、「相手の事がわっからんから受け付けない!」じゃなくて「相手の国の全てはわからないけど理解しよう、理解する努力をしよう」っていう姿勢が大事なんじゃないかな?

 

結構いますよね?自分とおんなじ考え、価値観じゃなきゃ認めないよっていう人。それだと凄い世界が狭い気がするなーなんて思うんです。もったいないですよね。偏った考えで自分以外を排除していってしまうのはね。

 

とまぁ、したり顔で書いてきましたが完全にこの本の受け売りでございます(笑)でもお二人が言っている事っていうのは凄く納得できるし、僕の中ではしっくりくる考えでしたね。

 

歴史を知ることで相手に共感できる。共感出来ればより相手の事を知ろうとする。こういういい循環っていうのが生まれるんじゃないかな。歴史を学ぶことっていうのはほんとに意義のある事ですね。ほんと学生の時に学んでおけば良かった。池上さんとか佐藤さんの本にもっと早く出会いたかったと改めて思います。

 

正直、この世界史を学ぶ意味を学べただけでも本書を読んだ価値はあると思いますね。もちろん、本書の中で現在の世界情勢の事とかどういう歴史から今に繋がっているのか大まかに解説してくれているので、めっちゃ勉強にもなります。大まかに今の世界情勢の流れなんかを学びたい人も目を通しておくといいでしょう。

 

僕はこれを機にちょこちょこと世界史を学んでいくつもりです。あまりにも世界の歴史を知らな過ぎましたからね。名前を暗記したり地名を暗記するのではなくて「今につなげるための世界史」というのをこれから学べたらと思います。

 

あと、目次にもあるように本書の最後ではお二人が最強の世界史勉強法を語ってくれています。世界史をこれから勉強しようと考えている方は、お二人のオススメする世界史の本なども紹介されてます。ちょっとだけお伝えすると『ナビゲーター世界史B』という本と『世界史B講義の実況中継』なんて本がオススメらしいです。

 

 僕もまだ読んでいないですが、これから読んでみようと思います♪

 今回ご紹介した『大世界史』も図書館とかで借りれると思うので、ぜひ読んでみてください!!

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後までご覧いただきありがとうございました!

次回もよろしくお願いいたします♪