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日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

藤里町から学ぶひきこもり脱出のヒントとは?

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あなたは秋田県藤里町というところをご存知でしょうか?

引きこもりを地域の力に。秋田県藤里町の取り組みをご紹介します。 - ニート気質な僕の生きる道

 

上の記事でも紹介しましたが、この藤里町はひきこもりの方の支援に力を入れている街で、以前にはNHKのクローズアップ現代にもその活動が取り上げられてしました。

 

また僕が普段から読んでいる読売新聞でも藤里町の活動を取り上げた記事がありました。そこに書かれていたひきこもり支援の内容がひきこもり脱出のヒントになると思ったのでちょこっとではありますがシェアをさせていただきたいと思います。

 

ひきこもり支援でするべきこととは?

①出ていく先を多様に用意する

記事の中で印象的なエピソードがあります。支援をしている社会福祉法人の会長がひきこもっていた若い人に「頑張って出ておいで」と声をかけたそうなんです。そしたらそのの若者がなんて答えたと思いますか?それは

 

「どこへ?」

 

っていうシンプルなんだけど的を射た回答だったんですね。

 

確かにひきこもる人に出ておいでというのは簡単です。でも仮に家から出てこれたとしても本人に行く場所がなければどうでしょうか?

 

都会ならまだしも田舎(藤里町は人口3500人程度)で外に出たところで行き場はなくぶらぶらするしかありません。しかも田舎ですから知り合いにも会うし近所の目は気になるものです。

 

またひきこもり期間が長引けば長引くほど社会に出ることへの不安もあるでしょうし、仕事のスキルもの身に付いていない可能性も高い。履歴書の空白がネックになってしまい仕事に就けない可能性も高いはず。

 

そうなると「結局行く場所なんてないじゃん。」と考えてしまいますよね?その結果やっぱり居心地が悪い外よりもまだマシな家の中にひきこもってしまうことが多いのではないでしょうか?

 

ただ藤里町の支援が素晴らしいのは、そこで支援の手を止めずにひきこもりの人たちが出てこれる場所を用意しようとしたことです。実際に調理や接客を学べたりヘルパーの研修が受けられるような場所を用意しました。その結果ひきこもった人たちが外に出ていく場所を提供することができたというわけですね。

 

これは非常に大事な考えです。家から出ることを促すだけでなく同時に出てくる場所もセットで用意する。藤里町のように仕事のスキルを学べる場所でもいいでしょうし、自助グループなんかでもいいかもしれない。そうやってひきこもりの方にとって「出て行く場所」ができると少しずつひきこもりから脱出できるのではないかと思っています。

 

②出ていく先の情報を伝える

実際の支援では2,3か月に一度家庭訪問をして支援情報などが書かれたチラシやニュースレターを本人に渡すそうです。

 

最初から積極的に外に飛び出そうというひきこもりの人は少ないはずです。家に引きこもっている人は外に出ることが不安になっていたりしますからね。何も情報がない、何をしているのかわからないという場所にはなかなか飛び込みにくいものです。それはひきこもりの方でもそうじゃない方でも同じですよね?

 

でも「こういうことをやってますよー。」とちょこちょこ情報が入ってくれば安心するじゃないですか?何やってるかある程度把握できれば「ちょっと気になるな。」とか「やってみたいな。」って思ったりするもんなんですよ。それが一つのきっかけになったりする。

 

なのでできるだけオープンに「こういうことをやってます。」「こういう人が来てますよ。」という情報をひきこもり本人に積極的に提供するっていうのはとても大事だなーなんて思いますね。

 

③弱者として捉えない

藤里町ではひきこもっている人を弱者としてとらえず貴重な人材であり、単に社会経験がない人として考えているそうです。

 

理由は弱者として扱うことで本人の自尊心を傷つけてしまうから。

 

確かに「君は弱者だ」と言われてしまうと自尊心は傷つくし「やっぱり自分はダメなのか」と思ってしまいがち。ただでさえなかなか外に出れない自分を責めて自己否定を重ねてしまった人も多いはずです。

 

その人たちに必要なのは自尊心を取り戻させてあげること。「いやいや、君は単に経験がないだけでできることはあるし、社会に必要な人材なんだよ。」と期待してもらった方が本人もやる気も出るでしょうし、頑張れますよね。自尊心も徐々にではあるかもしれませんが取り戻せるはず。

 

「本人を弱者扱いしない」

 

そして社会に必要なんだということを伝える。これがとても大事な考えだなーと思いました。

 

長期間ひきこもっていても脱出は可能

今回藤里町を取り上げた記事では実際に引きこもっていた人たちのインタビューも掲載されていました。3人の方のお話が書いてありましたがその中の1人はなんと16歳から29年間ひきこもり続けたんだそうです。(時々家族での外出はあり)29年ひきこもるというのはちょっと想像がつきませんね(^^;

 

その方も社協の人が支援の情報などを持ってきてくれたのが一つのきっかけになり、お父さんが亡くなったことで外に出るようになったとのこと。現在は介護職員になるための研修を受けているみたいです。

 

他の方も12年ひきこもったり20年ひきこもったりと10年以上こもった方ばかりです。そう考えると藤里町のようにひきこもりの方に対してきめ細かな支援をすることで「長期間ひきこもっていても脱出可能である」と言えるのではないでしょうか?

 

 

まとめ

今回は読売新聞に掲載されていた秋田県藤里町の取り組みからひきこもり脱出に参考になりそうな考え方をシェアさせていただきました。

 

藤里町のようにひきこもり当人の声を受け止めてきめ細か支援を行うことで長期間のひきこもりから抜け出せる人もたくさんいます。ぜひこういった支援が全国で行われて多くのひきこもりの方が自分の居場所を見つけ活躍できればなんて思っています。

 

それでは今回はこの辺で。

最後までご覧いただきありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。

 

参考

読売新聞朝刊 2017年2月7日(火曜日) 12版