「プロフェッショナル仕事の流儀」
毎回様々なプロに密着し、プロの仕事の様子や思い何を大切にしているのかなどを掘り下げていくドキュメンタリー番組です。
番組で取り上げられていたのは「自殺対策NPO代表の佐藤久男さん」今回は佐藤さんの活動の中から絶望や先の見えない不安から苦しんでいる人たちがどうすれば自殺を回避できるのか、そのヒントを学んでいきたいと思います。
自殺者数を半減
19年連続自殺率ワースト1だった秋田県。僕も秋田って自殺が多い県っていう認識だったんですよね。佐藤さんはその自殺者数を半減させた立役者と言われています。
どのように自殺者を減らしてきたのかとても気になりますよね。佐藤さんは秋田モデルといわれるネットワークを生み出しました。それによって救われた人は1200人以上!!
1200人ってすごいですよね。それだけの人を救う秋田ネットワークって一体どういうものなのか書いていきたいと思います。
秋田モデルとは?
まず、佐藤さんが窓口となって相談者の悩みを聞きます。自殺対策のNPO法人を立ち上げてから述べ4000件を超える相談を受けて来た経験から相談者の悩みに応じてそれぞれの専門家につなぐという形です。専門家は弁護士、臨床心理士、司法書士など。
さらに自治体や大学やメディア、メンタルサポーターというボランティアの方々とも連携し自殺したい人を救うという仕組みを作りました。
それまで自治体や大学などはバラバラに自殺対策を行っていたのですが、それを佐藤さんが声をかける事で統一した対策をとれるようになったのです。その結果佐藤さんのNPO,専門家、メンタルサポーター、大学、メディア、自治体が連携して自殺者への対策をとれるようになったのです。
佐藤さんのNPOでの相談はいつも一本の電話から始まります。担当者との電話でのやり取りからの内容から面談日を決めて佐藤さんが面談します。
面談では特に内容を決めず何でもいいので話してもらう。なぜかというと追い詰められた人は複雑な問題にどう手を付けていいかわからず暗闇にいるような気分に陥ってしまうからです。そうなった時に相談者の口から語らせることで複雑に絡み合った問題を一つずつ解きほぐしていくことを目的としています。
ここで重要なのはひたすら悩みを聞くということ!
相談者の方にひたすら自分の思いや悩みなどを語ってもらう。あくまで佐藤さんは聞き役に徹するということですね。
経営者だった過去
佐藤さん自身が経営していた会社が倒産して地獄を味わった。自殺を考えたこともあったそうです。ご自身もどん底を味わった方なんですね。
80年代、34歳で不動産会社を立ち上げ経営は右肩上がりだったそうです。当時は日本も調子が良かったですからね。順調に規模も広がっていたとのこと。
しかし、日本が不況に陥った2000年に事業が傾き会社は倒産。ご自身も破産者になってしまいました。その際佐藤さんは従業員や家族への負い目からかなり精神的に追い詰められたといいます。
きっかけは経営者仲間の自殺
佐藤さん自身が苦しんでいる中、経営者仲間が事業の不振から自殺したという知らせが飛び込んできたそうです。そこで佐藤さんにわいてきた感情は悲しみではなく「怒り」
「なんで、地域のために一生懸命やっていた人間を自殺に追い込まなければならないのか?」
別に悪いこともしていない一生懸命やっていた人間が何で死ななければならないのか?そこに憤ったということなんですね。
そこから秋田県の自殺率は日本最悪である事を知り、こんな悲劇を減らせないものか。そして、地獄を味わった自分だからこそできる事があるかもしれないと思うようになり自殺対策のNPOを一人で立ち上げます。そこからの活動は冒頭で説明した通りです。
どんな絶望にも、光はある。
佐藤さんはそうおっしゃっています。実際さ父さんの元を訪れた相談者の方達は最初は「自殺」や「破産」などまさに真っ暗な状態でした。うつむき加減の方も多くて声のトーンも暗かったんですね。
だけど相談を続けていくうちに徐々に表情も明るくなり、笑えるようになった方も多かったんです。僕はそのことに非常に感動したし素晴らしいなと思いました。
仕事が駄目になっても、人間関係が駄目になっても病気になってもどんな苦しい状況でも必ず相談に乗ってくれる人はいるはずです。諦めるなんて軽々しくは言えません。でも、自殺をする前の一歩立ち止まって誰かに相談してほしい。そうすることで、何か解決策は見つかるかもしれません。
「何かに思い悩み苦しみ自分ではどうしようもないと思っているのなら誰かに相談する」
苦しい思いをしているのなら自分だけで抱え込まずぜひ人に相談して誰かの手を借りながらでも問題の解決法を見つけられればいいなと思っています。助けてくれる人、相談に乗ってくれる人は必ずいます。そのことをお忘れなく。
それでは今回はこの辺で!
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!