この前久々にphaさんの『ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』という本を読みました。
phaさんは京都大出身でニートになった方で、シェアハウスをつくったり、ニート的な生き方をブログなどで積極的に発信したりしていて、ちょこちょこテレビとかネットニュースなんかで取り上げられたこともあるニート界隈では有名な方です。(今はあんまりニート関連の活動はしてないっぽい)
この本は、phaさんが「ニートとして死なないで生きていくにはどうしたらいいのか?」というのをご自身の経験をもとにまとめた一冊なんですが、この本を読み返してみたところ「ニートだけじゃなくて弱い人たちが生きていくためにすげぇ大事なことが書いてあるじゃん」ということに改めて気づいたわけです。
では、いったいその大事なことっていったい何なのか?それは
「弱いやつらこそ集まろうぜ」っていう考え方です。
弱い者同士で集まることが生きのびるための戦略だ!!
これは非常にシンプルな戦略です。
「弱い者は集まる。」
それは、なぜかというと、弱い者は一人じゃあ生きづらいからです。おそらく多くの弱い人というのはお金もあまりない、財産もそんなにないという人が大半でしょう。そうなると、何かうまくいかないことや、病気、困りごとがあったりした場合、一気に窮地に追い込まれる可能性もあるわけです。
でも、そんな時に弱い者同士で連携していたらどうでしょうか?まず、「どうやらあいつ困っているらしいぞ」という情報が共有されますね。そして、もしかしたら多少お金に余裕がある人間が、お金を貸してくれたりカンパしてくれるかもしれない。あるいは、金銭的な面では難しくても、相談にのってくれたり「○○で困っているなら○○に行ってみたら」といった具合に役立つ知識や情報を提供してくれるかもしれません。
一人だとどうしたらいいかわからなかったり、切羽詰まってしまっても二人、三人と集まればいい知恵も出てくるでしょう。いわゆる「三人寄れば文殊の知恵」ですね。
自分を弱い者だと自覚することはもしかしたら、抵抗があるかもしれません。ただ弱いことは別に悪いことではありません。単に今のあなたの状況を指しているにすぎないわけですから。もちろん、弱い自分から強い自分になるというのも方向性の一つ。実際に世の中にはそうやって弱い立場から強くなっていき活躍している人もいまず。ただ、現実的にはなかなか強くなるのが難しいという人もいるわけですね。そういう人は、「強くなれない自分が悪いんだ」と自分を責めるのではなく「弱い者同士で集まる」というのを一つの選択肢として考えてみてください。
常に一緒にいる必要はない。ゆるくつながろう!!
弱い者同士で集まるとなると、「ずっと一緒にいなければならないのか?」と考える人もいるかもしれませんが、そんなことはないと思います。僕個人としては「ゆるいつながりをいくつも持つ」方が現実的だと思うんですね。
ずーっと一緒にいるというのは、言ってしまえば家族のような「強いつながり」の関係性の中で生きるということです。強いつながりは確かにいざという時に頼りになる部分もありますが、その分縛りがきつくてしんどい部分もある。過干渉されてしまったり、支配的な関係になるなんてこともあるわけです。それはそれで生きづらさが増してしまう。実際親御さんと一緒に暮らしていて肩身の狭い思いをしている人もいるはずです。
であるならば、つかず離れずのいわゆる「ゆるいつながり」をいくつもって、そこまで干渉はしないけども、なんかあればお互いちょっと協力し合いましょうよという関係性の方が負担も少なくていいのではないでしょうか?
「でも、ゆるいつながりっていったいどうやって探せばいいんだよ?」と思う人もいるでしょう。実際に誰かとつながるということを難しく感じる人も多いかもしれません。phaさんは弱い者は「マイノリティのコミュニティを探せ」という提案をしています。
一般的なレールから外れて生きることを目指すなら、同じような境遇の仲間を見つけよう。自分が多数派の場合は、特に深い疑問を持たずに一般的に当たり前だって決められたことを守って目立たないようにしていれば基本的になんとかなったりするんだけど、少数派に当たる人間はこの多数派だらけの世界の中で、死なないために仲間をつくって協力したり情報交換をしたりしていくことが必要になる。
引用元:『ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』pha 技術評論社
マイノリティのコミュニティというとなかなか、想像はつかないかもしれませんが要は「少数派の集まる場所」といったところですかね。サラリーマンやってて結婚してみたいな人は多数派。ニートしてて実家暮らしでお金もないという人は、まぁだいぶ数は増えてきているとは言えどまだまだ少数派といった感じです。
そういう人が自分の周りにいればいいのですが、実際にはそんな人自分の周りには見当たらないよとなるかもしれない。そりゃ、マイノリティですからそうそう都合よく自分の近くにはいないとは思います。では、いったいどこで探せばいいのでしょうか?それはインターネットです。
あなたが僕のブログにたどり着いたように、ネット上にはマジョリティもマイノリティも関係なく様々な発言をしている人がいるわけです。経営者、サラリーマン、フリーター、主婦、フリーランス、ニート、ひきこもりなどなどネット上には肩書きを挙げればキリがないぐらいにたくさんの人たちが存在していて、今の時代はそういう人たちと気軽にコンタクトをとれたりするわけですね。
実際に、phaさんもネットを通じて自分と似たような考えを持つ人と繋がり、だいぶ生きやすくなったみたいです。
僕自身のことを言えば、やっぱりSNSというかTwitterの存在はデカかったかなぁ。僕もなかなかの社会不適合者なので、Twitter経由で似たような人からコメントもらったり、「会ってみませんか?」なんて話を貰ったりもします。そこから関係性が続いたり、離れてしまうこともあるけども、なんにせよそういう機会が与えられるというのはネットがもたらすメリットだと思うわけです。
あ、あとはニー株ね。僕はいま年に3000円を払うと取締役になれる『NEET株式会社』というところに所属しています。(今後は支払う金額上がっていくかも?)この会社はニート的な人とか、それに近い感性を持つ人、あるいは少数派の人たちが多く所属しているので、まさに「マイノリティのコミュニティ」と言ってもいいんじゃないかな。
NEET株式会社 - 取締役全員ニート!ニート株式会社NEET株式会社
いずれはここからも離れるかもしれないけど、今のところ居心地はいいし、それなりに仲のいい人もいて住んでる場所は各々違えども繋がっている感覚もあります。
ニー株の人たちとはたまーに会ったり、SNSで話をしたり音声通話で何人かとバカ話をしたりなんかもしてますね。僕は割と一人でいても大丈夫なタイプですが、やはりこういう繋がりっていうのも、僕のメンタルを少しいい方向にもっていってくれてるわけです。
このブログを見ているあなたは少なくともネットとつながれる環境にあるわけですよね?であれば、SNSや趣味の掲示板など色々なところを覗いてみて、自分と合いそうな人と繋がってみましょう。
すぐには見つからないかもしれない、もしかしたら見つかったけど居心地が悪くなるなんてこともあるでしょう。でも、コミュニティは一つじゃないし、きっとあなたの感性に合うコミュニティもあるはずだし、近い考えを持っている人もいるはずです。
弱い者同士うまく助け合いながら生きていく、支え合いながら生きていく。
もし、あなたが生きづらさを感じているのであれば、ぜひ「人と繋がること」「集まってみること」を思い出してみてくださいね♪