久々にワールドビジネスサテライト(以下WBSに省略)を見た。
WBSと言えばテレビ東京の報道番組で人気のある番組。経済関係のニュースが多くて人気のある番組というのが僕の認識。
やや意識が高い系のこの番組。意識が超絶低くて地面に埋もれてしまっている僕は普段あまりこの番組を見る事がない。ただこの日は他に見る番組が特になかったため何となくテレビのチャンネルを7に合わせていたにすぎなかった。
「大江さんってバラエティ出てたんだよな‥‥‥」
WBSのメインキャスターは大江アナウンサー。元々『もやもやさまぁ〜ず』でさまぁ〜ずと一緒にバカやってたのが信じられないぐらい報道番組のメインキャスターとしての役割をしっかりとこなしている。
何故か番組内容よりも大江さんの過去に意識がいってしまう意識低い系の僕。
何となく経済のニュースを見たりしてそろそろ他のチャンネルに変えようかなーなんてリモコンに手を伸ばした。ちょうどその時に番組で僕の地元『埼玉県』に面白い取り組みをする企業があるという事を紹介していた。
「埼玉関連のネタ書きまーす!!」
などと高らかに宣言をしておいて、未だに関連の記事数が2という僕にとってはまさに渡りに船。だって埼玉って話題ゼロなんだもん。
埼玉の記事を増やすために今回は番組で紹介されていたこの企業の取り組みについてまとめてみることにした。
三州製菓って知ってるかい??
今回紹介されていたのは、埼玉県春日部市に本社がある三州製菓。
おせんべいやあられ、クッキーやサブレなどを高級菓子専門店向けに製造販売している会社。
僕は埼玉県民でありながらこの会社の存在を全く知らなかった。
「この会社初めて聞いたわー。」っていうのが正直な感想。
(記事を書くために調べてみると地元に店舗がある事が発覚。しかも割と頻繁に目にしていたとこだった(^^;三州製菓さんすいません(>_<))
今回の記事ではこの『三州製菓』のある面白い取り組みを紹介してみようと思う。
一人三役に挑戦
番組では三州製菓の社員の方々の通常業務を取材。その中で各々の社員が『一人三役』をこなせるような仕組み作りをしているとのことだった。
番組でも取り上げられていた例を紹介してみよう。
①ある営業事務の女性はフランチャイズの受注などを担当している。
②もう一人の女性は専門店の得意先に請求書を発送するといった業務を担当している。
各々がまずメインで担当する業務があるわけだが、ここからが通常の企業とは違う取り組みだ。
別の日、②の女性がこの日は休みだった。ただ、この女性が担当する業務というのは誰かに引き継いでもらわなければならない。
そこで、マネージメントを担当する社員から①の女性に対して、「今日は②の女性が休みだから業務を引き継いで行ってください。」
という指示をしていたのだ。
①の女性は自分の業務と②の女性の担当する業務を並行しながら仕事を進めていた。
ただ、ここで一つ疑問が出てくる人もいるだろう。
「普段担当していない業務をいきなり引き継いでちゃんと仕事が出来るのだろうか??」
正直、自分の担当以外の業務をいきなり割り振られたら僕ならテンパるし、そもそもやり方が分かりませんとなってしまうはずだ。
そこで三州製菓では連絡ノートを積極的に活用しで自分が担当していない業務状況が一目でわかるようにしている。この日も②の女性がしっかりと連絡ノートに業務内容を引き継いでいたため、①の女性は滞りなく自分の担当以外の業務もこなすことが出来たというわけだ。
ちなみに一人で全ての業務を担当できるわけではなく、自分の担当業務以外の習熟度をもとにマネージャー職の人間が業務を割り振るという仕組みになっている。
何故一人三役制度を導入??
この三州製菓という会社は従業員が約250人いるのだがそのうち180人が女性なのである。つまり全体の7割は女性。さらにお店にくるお客さんも大半は女性という事で女性の活躍が欠かせない。
しかし、女性と雇用の関係で言えばもうさんざん叫ばれているが、結婚や子育て、介護との兼ね合いというのが一つの課題になってくるだろう。
当然三州製菓でもこの課題に直面する事となったわけだ。しかも、女性がかなりの割合を占める企業なので、子育てや介護で仕事を離職されてしまうと会社としても結構な痛手となる。
そこで、三州製菓が取り入れたのが上記の仕組みというわけだ。
この仕組みなら介護や子育てで急に誰かが休むことになったとしても、他の人が業務を担当できるために仕事に支障をきたす恐れが少なくなる。
働く側としては通常であれば『介護や子育てで会社を休む』という事に対してやや躊躇しがちだ。ただそれが『自分がいなくても業務が回る』という状況であれば安心して休むことが出来るだろう。
これは働く側の負担を減らすという点においてとてもいい仕組みのように思う。自分が休むことで業務が滞るなんてことになったら、どうしても従業員は休みにくいもの。その辺りの心理的な負担を見事に払しょくしてくれる取り組みだといえるだろう
さらにもう1つ、三州製菓の取り組みを紹介しておこう。三州製菓には サテライトオフィスというものがある。
通常であれば事務的な仕事などは本社での業務となるのだが、本社の場所は最寄駅からバスで約20分程度(だったと思う)。やや通いにくい場所にあるといえる。
こういった少し通いにくい場所の場合、介護や子育て中の従業員の方にとっては通勤が負担となってしまう場合があるわけだ。バスだけで往復40分はちょっときついかもね。
親の介護や子育てのために早めに帰宅しようとしても、バスで20分かかるのであればそれは結構しんどい。早く帰りたくても帰れないというのは心理的な負担が大きいはず。
そんな時にサテライトオフィスを活用するというわけだ。このサテライトオフィスは本社とは別の場所にあり、サテライトオフィスの最寄駅からは徒歩ですぐにいける立地条件のいい場所にある。
ここに介護や子育て中の従業員を配置する事で従業員の負担を減らしてあげる。その結果従業員が辞めたりしなくても、業務を続けることが出来るという環境を作り出したのだ。
この環境のおかげで、実際に従業員が辞めずに業務をこなせているという例が番組でも紹介されていて、この仕組みはかなり円滑に機能しているように感じられた。
思わぬ効果
番組内では三州製菓のこういった取り組みによって以下のような効果があったと語られていた。
1社内の風通しがよくなる
2顧客満足度の向上
3人材採用にプラス→2人採用で400人の応募があった。新卒採用。
4育成にプラス→自分がやったことのない仕事に対して積極的になる
一つずつ説明していこう。
1、社内の風通しがよくなる
一人三役という仕組みを作ることで、社員は自分の業務だけでなく必然的に他の人の業務にも気を配ることになる。つまり他の人が「何をしているのか」といったことを常に確認する必要があるわけだ。
そのためには他の業務担当の人ととコミュニケーションを取ったりして、お互いがどんな事をしているのかを知らなければならない。
お互いの業務を知ることで、「あの人はこういう業務をやっているんだな」と理解が深まる。理解が深まれば相手の立場が想像でき、無理な仕事の振り方なども少なくなるだろう。
『あの部署やあの人は何をやっているのかわからない。』という状態で仕事をするよりもお互いに理解していた方が仕事が円滑に進み、社内の風通しがよくなるというのは当然と言えるだろう。
2、顧客満足度の向上
通常であればある業務を担当していた人が休んでしまえばその業務は滞ってしまう可能性が高い。だが、三州製菓では前述したように一人三役の仕組みがあるため、ある人が休んでも別の人が業務を担当することが出来るわけだ。
その為顧客側からすれば、『担当者が不在でも業務をしっかりと行ってくれる』という安心感を得ることが出来る。そしてある一定のクオリティは保証されているわけだから顧客としては助かるし、当然満足度も上昇するだろう。
3、人材採用にプラス
女性を応援する企業であり、実際に働きやすい仕組みが整えられている三州製菓では2人の募集のところ応募者400人という嬉しい誤算があったらしい。
そりゃ、これだけ働きやすい仕組みを整えている会社だ。働く側としても介護や子育てと仕事というのは切っても切り離せない課題。その課題に対しての負担を少しでも軽減しようとしてくれている企業があれば、その企業に行きたいと思う人が増えるのも当然だと思う。
4、人材育成にプラス
様々な業務を担当する仕組みを取り入れることが人材の育成においてもプラスに働いている。
一つの業務だけでなく他の業務を担当する事で、視野が広がるきっかけにもなるし新たな発想にも結び付く。
それを従業員側も肌で感じているから、自分の担当業務以外の業務に対しても積極的に取り組むという環境になってきているとのこと。とてもいい感じじゃないだろうか。
まとめ
『企業の制度に人を合わせるのではなくて、働く人に合わせた制度をつくる』
これからは上から目線の制度の押し付けでは働く側のニーズには対応しきれない。三州製菓のように働く側の負担を減らす、働く側の状況に企業の制度を合わせる、そのための仕組みを作るということが必要になってくるのではないだろうか。
労働人口もどんどん減っていく時代だ。介護や子育てなど働く側を取り巻く環境も厳しくなるだろう。その事を考慮しつつ、労働者をしっかりと確保する。そのためにはいかに従業員にイキイキと働いてもらう環境を整えるか。それが雇う側の課題になるのではないだろうか??
特に人が集まりにくい中小企業には三州製菓のような取り組みがヒントになるのではないかと感じた。ほんといい仕組みだと思うので、このままうまくいってほしい。
今回はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いいたします!