ニート気質な僕の生きる道

自分の経験を活かして、無職やニートや、ひきこもりなど自分と同じように、「生き方」や「働き方」に悩んだり立ち止まった人が前向きになったり、自分の進みたい道に一歩踏み出すきっかけになるブログを目指しています。

『ギャングース・ファイル』読了。居場所がない少年たちの行きつく先とは?

 

今回紹介するのは『ギャングース・ファイル』という本なんだけど、これが結構衝撃的な一冊でした‥‥‥。

 

 

犯罪を犯す少年たちを丁寧に取材した一冊

本書では家や学校に居場所がない少年たちがなぜ犯罪者になるのか?少年たちは犯罪をする時にどんな事を思うのか、また様々な裏家業の人たちに取材することで犯罪を犯す人たちの境遇やその時の思いなどを丁寧に取材しています。もちろん、どのような犯罪を犯したのかについてもしっかりと紹介されています。

 

正直、筆者が取材をした少年たちの犯罪というのはなかなかえげつないです。捕まったら普通に報道されちゃってもおかしくないようなレベルだったりします。

 

窃盗、強盗、傷害などなど少年たちが犯した罪を知ればおそらく多くの人たちは眉をひそめるでしょうし、彼らがなぜそんなことをするのか理解できないでしょう。僕も本書で紹介される数々の犯罪の手口を読みながら「なんて恐ろしいことをするんだろう‥‥‥。」とゾッとしました。

 

僕も含めおそらく多くの人は彼らのような罪を犯したことはないはずです。警察に厄介になったという人も少ないでしょうし、ましてや懲役〇年のような罪を犯すとなるとその数はさらに少なくなるはず。

 

じゃあ、そんな彼らと僕達は関係ないのか?犯罪を犯すものと自分たちは別の世界の人間なのか?というとそんなことはありません。彼らも僕らと同じように少年時代があり、同じように家族がいました。

 

ただその家族が彼らにとっては受け皿でもなかったし、心を安らげてくれるわけでもなかったわけです。

 

これは本書に登場する少年時代から犯罪を犯してきた男性の話。

 

「小学校の入学式とかからかな、記憶あるんですけど、そのころはしばらく同じ男の家にいて。父親違う妹が2歳下でいるんですけど、よく家出してたな。家にいると『うるせー』って母親からぶん殴られるから。母親が男替えて別の家に行ったら、そいつシャブ中で、母親ももともとシャブは打ってたから、俺ら放置でアッチの世界だから」

引用元:ギャングース・ファイル 著者 鈴木大介 講談社文庫

 

しかもそんな親たちですから、子供たちに暴力をふるったりもするわけです。虐待ですよね。

 

もし、あなたがこの家庭の子供だったらどうでしょうか?恐ろしくありませんか?薬物中毒で、いつ何をするかわからない大人と一緒に生活するんですよ?心身共に休まることはないでしょう。少なくとも勉強とかできる環境じゃないだろうし、当然習い事とか友達と楽しく遊びなんてこともできないわけですよ。ひどい環境だと思います。

 

もちろん、罪を犯す少年たちがみんな家庭環境に恵まれてないというつもりもないです。中にはいい環境にいながら犯罪を犯す少年もいるでしょう。だけど、現実としてとんでもない環境に身を置かざるを得ない子供たちがいて、その子たちは家庭や学校にも居場所がなくなっていく。自然と彼らは家を出てストリートで同じような境遇の子たちとつるんだりして、最初は万引きなんかから始めて段々と罪の意識がなくなり、大きな犯罪へと繋がったり、反社会的な組織に入っていってしまう。

 

僕は犯罪行為自体を擁護するつもりはないけど、実際彼らのような環境であれば「自分だってこの道を選んだかもしれないな‥‥‥。」そう思わざるをえません。

 

僕もふくめ多くの人には帰る家があった、受け入れてくれる家族がいた。でも彼らにはそれがなかった。その差は何でしょうか?単に運が良かったからとしか思えないわけですよ。何かのボタンの掛け違いがあれば僕自身も、今この記事を読んでいるあなたも彼らのような人生を歩んでいた可能性があるわけです。関係ないなんてことはない。そんなことを本書を読みながら強く認識させられたわけです。

 

劣悪な環境は人を犯罪へと走らせる

ちなみに先ほど紹介した男性は、余りに劣悪な環境のためおばあちゃんの家に避難していたわけですが、そのおばあちゃんが他界した後は施設に入っていたそう。だけど、そこでも格差はあって上下関係はある。男性はその当時力がなかったらしく、施設ではパシリとして年中万引きをさせられていたそうです。

 

そこからはもう学校なんか行かないわけですよ。万引きから段々と行為がエスカレートしていって路上で強盗したりして逮捕して少年鑑別所へ。

 

でも、そこで彼には引受人になってくれる人なんていないわけなんですよね。施設にも帰ってないし、親だって薬物中毒で彼のことなんか気にも留めていない。身元引受人がいれば保護観察処分もあるんだけど、誰にも引き受けてくれないから少年院に入るしかないわけです。そうなるとね、もうそっちの道へ行っちゃいますよね。

 

なんかもう、ほんとにどうしようもない現実が彼の目の前にはあったんだろうなぁと想像しちゃいます。本人の資質とかもあるかもしれないけど、環境が良くも悪くも人に影響を与えるという現実を彼のエピソードからまざまざと見せつけられました。

 

少年たちが犯罪を犯さないようにするには?

「犯罪者はけしからん」というのは、正論だ。

社会には治安と秩序が必要だ。だが犯罪者が犯罪者である背景を知らずに、単に「けしからん」と切り捨てるような良識ある者こそが、僕は世に犯罪をはびこらせる元凶だと考えている

 

これは本書のはじめの方で筆者の鈴木さんがおっしゃっていたことなんだけど、僕もその通りだと思っています。犯罪者は自分とは全く関係のない人間だと思う人ほど「犯罪をする奴は単にダメなやつだ」と切り捨て自分には関係ないと目を反らすわけです。でも本当に無関係ないのでしょうか?僕はそうは思いません。何度も言うようになにかのきっかけで自分がそういう道に進む可能性だってあったと思うわけです。

 

僕は何度かこのブログでも書いたことがあるんだけど、犯罪っていうのは社会に対する警告なわけです。「この社会なんかおかしくないかい?」と問いかけられているわけですよね。だって、社会が本当に一人一人の人間にとって生きやすくて楽しい場所であるならば、誰も犯罪なんてしないわけですから。でもそうじゃないから、犯罪を犯してしまう人が出てくる。

 

ということは犯罪が起こることは犯罪を犯す人の問題でもあるけど、同時に社会を構成する僕ら一人一人の問題でもあるわけです。それを忘れちゃいけないんじゃないかな?無関係だって放っておいちゃいけないんじゃないかな?そんなことを思いました。

 

ちなみに鈴木さんは数多くの非行少年や犯罪を犯した人を取材した経験から犯罪を減らすための方法についても語っています。

 

真に社会から犯罪を減らしたいと思うのであれば、まず犯罪そのもの以前にそのベースに横たわる理不尽と不平等と不幸を正すことだ。

 

なかなか難しいかもしれないけど、これは真理だろうなぁ。単に犯罪がダメだー!!といっているだけじゃなくて、その前にある問題に目を向けること。貧困でご飯を食べれない子供はお腹が空くから万引きをしちゃったりするわけです。それを未然に防ぐ。

 

今は子ども食堂とかそういう取り組みがありますよね。そういうのを社会で充実させて子供たちが仮に家や学校に居場所がなくてもいられるような居場所を作ること。それが少年たちが犯罪を犯さずすむためのひとつの方法なんじゃないかな?と僕も思います。

 

まとめ

今回は『ギャングース・ファイル』という本について紹介してみました。少年たちが犯罪を犯してしまう理由、その背景に何があるのかがしっかり描かれた一冊です。

 

描かれている内容は社会の闇を映し出すようなものでもしかしたら、少し精神的にしんどいと思う人もいるかもしれません。でも、本書に描かれている内容も間違いなく僕たちが存在する社会で起こっていることです。

 

目を背けたいけど背けちゃいけない。そんな現実があることをぜひ知ってもらえればなと思います。

 

それでは今回はこの辺で失礼します!

 

 

 

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