オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

ある夏の早朝の出来事

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連日、35度を超える猛暑日となり、日中は炎天下。夜中も熱帯夜か、それに近い日々が続いている。

 

僕の部屋にはエアコンが無いため、どうしてもこの時期は暑くて寝苦しい。大抵の場合、一度寝ても、どこかのタイミングで目を覚ましてしまう。この日も、夜中の12時に寝て早朝4時すぎに目を覚ましてしまった。

 

「やれやれ。また、こんな時間に起きちゃったか。もうひと眠りしなくちゃな。」

 

そんなことを思いながら、目を閉じると外が何やら騒がしい。人の声ではない。虫の鳴き声だ。

 

大小、長短折り重なるような虫たちの大合唱が、何故かこの早朝の時間から始まった。何匹、いや何十匹だろうか。まるで、何かを主張するかのように、一斉に声を重ねている。

 

正直、この寝苦しい朝に厄介なことが始まってしまったなと思った。彼らの声はどんどんと大きくなっていく。不協和音とまではいかないが、けっして美しいメロディを奏でているわけではない。

 

だが不思議だ。うるさいだけのように思えた虫たちの鳴き声が、何故かとても心地よいのだ。

 

目を閉じたまま、彼らの声に耳を傾けること10分程度だっただろうか。なんの目的で始めたのかわからない大合唱は、突然終わりをつげた。

 

騒がしくて心地よい。

 

そんな不思議な感覚に襲われた僕は、いつの間にか眠りに落ちていた。

 

あの不思議な感覚に出会えるなら、寝苦しさで目を覚ましてしまうのも悪くはない。(たまになら)そう思ったある早朝の出来事だった。