オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

人生で初めて裁判の傍聴に行ったお話

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僕が所属するNEET株式会社(ニー株)には様々な事業部があります。今回はその中の一つ『大人の社会科見学倶楽部』の話。

 

3月某日、その倶楽部に所属するニー株のメンバーの一人が、社内SNSにこんな書き込みをしました。

 

「裁判の傍聴をしよう!」

 

そんで、これはおもしろそうだということで、あれよあれよという間に参加者は増え、最終的には総勢10名以上が裁判の傍聴に参加をしました。(途中参加も含む)


僕自身も、裁判の傍聴には以前から興味があったんですが、いかんせん行くきっかけがなくて今日まで来てたんですよね。そしたら、まさかまさかのニー株のメンバーからの提案ってことでササッと飛びつかせてもらったというわけです。いやはや、この企画を提案してくれたメンバーには感謝っすね。

 

そんなわけで4月の某日、人生で初めて、裁判の傍聴に参加をしてきました。いやー、裁判の傍聴初めてということもあって、予想以上に学びと言いますか、衝撃を受けたり、考えるところがあったので、今回はその辺りのことを語っていこうかなーと思ってます。

 

※今回は写真がほとんど撮れなかったので、ほぼ文章のみの構成となります。

 

 

いざ東京地方裁判所へ!!

今回僕らが裁判の傍聴をしてきたのは、東京の霞が関にある『東京地方裁判所』です。最寄駅は東京メトロの霞が関。A1出口から近いので、これから行こうと思う方は参考に。

 

ちなみに最初はこの門の中で写真を撮ろうとしたところ、すかさず警備の方が駆けつけてきまして、「すいません、敷地に入ったら撮影できないんですよ」とのこと。これは事前に確認してなかった僕のうっかりミスでした。建物内はダメだろうけど、敷地内なら大丈夫だろうと勝手に思っちゃってたんですよね。 ただ、門の外からの撮影ならOKということで、門の外まで出てパシャリと撮らせてもらいました。

 

そんで、建物の中に入るとまずは手荷物検査があります。空港の手荷物検査をイメージしてもらうとわかりやすいですね。荷物を機械に通して、中に危険物が入っていないかどうかを確認。そして金属探知機の下を通って特に問題がなければ中に入れます。

 

ちなみにミリタリーグッズとか持ってると検査に引っかかったりするらしいので、ふだんからサバイバル意識が高く、ついついナイフなんかをカバンに忍ばせてしまうという方は、傍聴の時にはもっていかないようにしましょう♪

 

とりあえず、僕を含め怪しいブツを隠し持っていた人はいなかったようで、みなさん検査は無事にスルーしました。

 

その後には裁判の時間と場所の確認です。建物の一階にはタッチパネル式のモニターが複数あって、それを操作すると何時からどんな事件の裁判がどの法廷で行われるかを確認することができます。

 

裁判の傍聴がはじめての僕は、なんの事件でもいいなぁと思っていたので、ここは他のメンバーの選択に任せることに。その結果、とある窃盗事件の裁判を傍聴することになりました。

 

僕らは建物内のエレベーターで上の階に移動。確か7階だったかな?メンバーでエレベーターを降りてトコトコ歩き、裁判が行われている部屋の前に到着。やっぱり最初は緊張しましたね。「このドアの向こうで裁判が行われているのか」と思うと、ちょっと背筋が伸びる感じがしました。

 

人生初の裁判傍聴は窃盗事件 !!

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法廷に入ると、既に裁判は開始されていました。うーん、やっぱり人が裁かれる空間っていうのは独特な雰囲気っすね。ふざけちゃいけない空気が法廷の中を支配してました。ああいう空気は普段なかなか味わえない気がします。人生ふざけ気味の僕もここはさすがにちゃんとすることにしました。

 

中に入るとすぐ傍聴席があるので、傍聴人は各々好きな席に座ります。っていうか傍聴席って意外と数が少ないんですよね。多分20席ぐらいだったかな?しかもそんな少ない席数なのに、僕らニー株のメンバーが10人近くで押し掛けたもんだから、一気に傍聴席が埋まってちょっと注目の事件みたいになってましたね。被告からしたら「えっ?何でこんなに人来るの?」って思っただろうなぁ‥‥‥。

 

あと傍聴人席から被告人席までほんの数メートルしか距離ないのにも驚きましたね。一応柵があるとはいえ、ほんと距離が近くてハッキリと被告人の表情がわかります。っていうか柵も「えっ?これ余裕で飛び越えられるじゃん?」っていうぐらい低いです。

 

そんで、席について傍聴開始。傍聴人から見て左側に検察官、右側に弁護人、中央には被告人と警護の人が2人。その奥には裁判所書記官がいて、さらに奥に裁判官がいるという形になっています。

 

窃盗犯は女性だった

今回の裁判は窃盗事件について。そんで、被告っていうのが髪の毛ほとんど白髪のおそらく高齢者の女性だったんですよね。たぶん70歳は超えてるんじゃないかな?

 

その被告がね、僕らが傍聴し始めてからもうずーっとうつむいてるんですよ。小さい体を丸めて、全然顔が上がらない。そういう姿見ちゃうと、被告とはいえ同情してしまいますよね。自分の親よりももしかしたら上の方なわけですから、見ていてちょっと胸が痛むわけです。

 

そんで、気になるのが彼女が犯した罪ですよね。結論から言うと彼女がしたのは万引きです。とあるスーパーで高級イチゴ(1パック645円)を万引きして、さらに魚も万引きしようとしたところお店の人に声をかけられてっていう感じ。時々、万引きGメンが万引き犯を捕まえる場面に密着するみたいな番組あるけど、まさにああいうパターンです。

 

「そうかぁ、万引きしちゃったんだ。きっと魔がさしたんだなぁ」

 

テレビでも高齢者の万引きが増えてるって聞いたことがあるし、きっとこの女性も何か理由があってついつい万引きをしてしまった。そんでいざ裁判が始まって、「自分はこれからどうなるんだろう」と想像し、おびえているんだろうと。そんでこれだけ落ち込んでいるということは、おそらくこの女性は初犯なんじゃないか?と僕は想像していたわけです。

 

ただ、僕が甘かった。話はそう単純ではありませんでした。

 

女性は執行猶予中に罪を犯していた!

裁判が進むにつれて、ある事実を知ることになりました。それは

 

女性は執行猶予中にもかかわらず万引きをしていた

 

ということです。僕はこれ聞いた瞬間「えっ?あなた二度目だったんですか?」と心の中で軽く突っ込んじゃいました。初犯なんじゃないかという僕の読みは見事に外れたわけですね。

 

実はこの女性、万引きをする何か月か前にも同じような事件を起こしていたんです。ただその事件に関しては家族が面倒みることや、クリニックに通って、ものを盗みたくなる衝動を制御するということで執行猶予が付いたとのこと。

 

でも、結局クリニックに通うのも途中でやめてしまって、その後万引きをしてしまったんですね。結果として支えてくれていた家族の期待も裏切ってしまうことに。ちなみに前回の事件の時には家族の方も傍聴に来ていたそうですが、今回身内の傍聴は誰もなし。まぁ、二回続けてともなると、家族が怒るのも無理はないのかなぁと思ってしまいます。厳しい現実ですね。

 

「うーん‥‥‥。そうか、二度目かぁ。となるとこりゃもう次は実刑だよなぁ‥‥‥。」

 

さすがに執行猶予中の犯罪となると、次は実刑になる可能性は高い。女性もそのことがわかっているから、終始顔を下に向けて落ち込んでいたのかもしれません。そりゃ、刑務所に入るなんて嫌ですよね。ましてや、高齢者ともなれば健康面なんかも不安があるだろうし。僕もおんなじ立場だったら顔上げられないかもしれない。

 

ちなみに、窃盗罪って10年以下の懲役、又は50万円以下の罰金です。万引きも立派な窃盗ですから、甘く見ちゃいけません。下手すりゃ数年刑務所に入れられてしまう可能性もあるわけです。たかだが、数百円のものを盗んだだけで、刑務所で何年か過ごすはめになる。これは恐ろしい‥‥‥。

 

まぁ、そんなわけで、ちょっと厳しい現実を見せつけられていたわけですが、まだまだ僕が甘かった。この後、さらにビックリする事実を僕は知ることになるのです。

 

女性がこれまで犯してきた罪の数は‥‥‥

おそらく多くの方は、この女性が2回事件を起こした万引き犯であると思ったことでしょう。ところが事実は違います。

 

女性は今回の事件も含めて、昭和33年から18回罪を犯してきた

 

被告の女性が罪を犯したのは、2回でも3回でもなく、なんと今回で18回目だというんですね。しかも、最初は昭和33年ですよ。昭和33年を西暦に直すと、1958年。いま2018年だから60年前‥‥‥。そんな前から罪を犯してきたなんてまったく想像もしていませんでした。

 

「じゅ、18回だと!?」

 

たぶん、傍聴席にいた人はみんなこう思ったんじゃないかな?みんな声には出さなかったけど、心の中はけっこうざわついてた気がする。いやぁ、予想外過ぎてビックリしましたね。僕、普通に「えっ?」っていいそうになりましたもん。

 

そんで思ったのは、もう、これだけ長い期間、罪を重ね続けてきたってなると、単に刑務所に入れたところで矯正できないんじゃないかなってこと。ちょっとやそっとの常習犯じゃないですよ。だって18回だもん。

 

だから前回の事件の後にはクリニックに通うことで、その常習性を抑えようとしたわけだけど、それも結局は失敗に終わってしまった。まぁ、これは女性がクリニックに通うのをやめてしまったというのもありますけどね。そのまんま通い続けていたらどうだったかはわかりません。ただ、クリニックに通わないからといって、強制的に通わす手段はおそらくないと思うので、難しいところです。

 

裁判官もその辺りのことを気にしていて、女性に対して「出所後の生活はどうするんですか?」って質問をしていました。まぁ、そうですよね。罪償って出所してもまた犯罪したら意味ないわけですから。

 

その質問に対して女性は「母親が残してくれた土地があるからそれを処分して、自分は老人ホームに入ります」と答えていました。僕もあれこれ考えてみたけど、結局のところそうするしか手段はないのかなぁと思いましたね。

 

この人多分、スーパーとか行ったらまた万引きしちゃうんですよね。これを止めるには、盗みができないような環境に身を置くしかないんじゃないかな?老人ホームのような施設に入れば、本人がスーパーなんかに行くこともないわけですし、行動もある程度制限されるわけです。もうそれぐらいしか、彼女が窃盗をやめる道はない気がする。まぁ、ちょっと残念な気はしますけどね。でも、施設に入れるお金があるだけいいのかもしれない‥‥‥。

 

そんで最後には今回の事件に対して検察による求刑がなされました。求刑は懲役3年。理由は直近4件の犯罪が窃盗であり、常習性があることや、執行猶予中の犯罪であるからということです。

 

一方弁護側は、クリニックを途中で止めてしまったことは認めるが、それまで月平均18回は通っていたことや、出所後は老人ホームに入るので、裁判所には寛大な処置をお願いするとのことでした。

 

判決は後日ってことで、審理は終了。いやぁ、正直判決気になりすぎて仕方がないんですが、この日はここまででした。

 

まとめ

そんなわけで、今回は人生で初めて裁判の傍聴に行った時の話を書いてみました。

 

今回お伝えした事件以外にも、詐欺事件や恐喝事件、覚せい剤関連の事件など傍聴したのですが、全部入れるとあまりにも膨大になってしまうため、今回は特に印象的だった万引きのみを扱わせてもらいました。

 

いやぁ、それにしてもすんごい濃い体験でしたね。裁判所や法廷の雰囲気も感じられたし、罪を犯したとされる被告をあんな間近でみることもそうそうないことだと思います。そこそこショックですよ。手錠と腰縄付けられた人を目の前で見るっていうのはね。

 

さすがに、漫画やゲームのように新たな証拠が出て驚くような展開がっていうのはなかったけど、裁判官と検察官と弁護人のやりとりなど、その場に行かなければ見ることができないものを見れたのも良かったです。

 

今回はニー株のメンバーと行きましたが、また機会があれば一人でプラーっと行って見るのもありですね。

 

裁判の傍聴。思った以上に貴重な体験だったし、人生について色々考えさせられます。興味がある方はぜひ一度行ってみてください!

 

それでは今回はこの辺で失礼します。

 

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