ニート気質な僕の生きる道

自分の経験を活かして、無職やニートや、ひきこもりなど自分と同じように、「生き方」や「働き方」に悩んだり立ち止まった人が前向きになったり、自分の進みたい道に一歩踏み出すきっかけになるブログを目指しています。

『隷属なき道』ベーシックインカムがもたらすメリットをわかりやすく理解できる一冊

ここ最近、ベーシックインカムについて少しずつ世間の関心が高まっているように感じます。少し前にはNHKのクローズアップ現代でも取り上げられていました。

 

参考記事:NHKのクローズアップ現代に取り上げられた、ベーシックインカムについて語ってみる - ニート気質な僕の生きる道

  

またビルゲイツやイーロン・マスクといった著名な経営者たちもベーシックインカムの導入がいずれは必要であるということを語っています。

 

参考記事:「人工知能に人間の職は奪われる」テスラのイーロン・マスク氏、ベーシックインカムが必須と語る

 

そんなこんなでベーシックインカムについて世間の注目も高まっているなぁということで僕自身も「これからはベーシックインカムを導入することを本気で考えていかなきゃいけないんじゃね?」と思うようになり、最近はちょこちょこ書籍を読んだりして勉強しています。

 

ベーシックインカムに関しては何冊か読みましたが、特にベーシックインカムがもたらすメリットについて「これ分かりやすいなぁ」と思ったのが今回ご紹介する『隷属なき道』という本です。

 

 

本書では単に著者の意見を述べるだけでなくデータをまじえ実際の実験結果なども挟みながらベーシックインカムがもたらすメリットにについて語られています。

 

例えば本書の第3章では貧困問題についてベーシックインカムを導入することの有効性について書かれています。今回は本書の中から特に読者の方と共有しておきたい部分について紹介していきたいと思います。

 

 

貧困と欠乏の心理について理解しよう

貧困について語られるときによく出るのが「貧困はその人の自己責任だ」という意見です。貧困に陥った人物が努力をしなかったから、あるいはその努力が足りなかったからその人は貧困なんだという考えですね。あくまで貧困になるのは本人たちのせい。そういう意見を持っている人は読者の方の中にもいるかもしれません。

 

しかし、本書ではそんな考えに対して疑問を投げかける説を紹介しています。それはプリンストン大学の心理学者エルダー・シャファーという人と、ハーバード大学の経済学者センディール・ムライナサンという人たちが発表した貧困に関する画期的な説です。

 

彼らは貧困状態の人たちは「欠乏の心理状態にあるのではないか」と言っています。では、この欠乏の心理状態とはいったいどういう状態のことを言うのでしょうか?そしてなぜそれが貧困と関係があるのでしょうか?そのことをこれから説明していきます。

 

欠乏の心理は視野を短期的なものにしてしまう

欠乏とは簡単に言うと「何かが足りない」状態のことを言います。貧困であればお金が足りない状態ですね。では、何かが足りない状態になると人はどうなるのでしょうか?本書ではこう書かれています。

 

欠乏はあなたの気持ちを、差し迫った不足に集中させる。五分後に始まる打ち合わせとか、翌日に迫った支払いとか。そうなると、長期的な視野は完全に失われる。「欠乏は人間を消耗させる」とシャファーは言う。「他にも等しく重要なことがあるのに、そちらに気持ちを向けられなくなるのだ」

引用元:隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働 著者 ルトガー ブレグマン  文藝春秋

 

つまり足りない状態になると、人々は非常に近い問題にしか目を向けられなくなってしまうということです。

 

貧困状態の人ならば「明日の食費をどうしよう」とか「今日生きていくためにはどうやってお金を調達しよう」という非常に短期的なことにしか目が向けられなくなってしまうんです。そしてそのことに気がとられてしまって結果として短絡的な行動をとってしまったり、間違った判断をさせてしまうわけです。

 

もし仮にあなたが「今日のご飯が食べられるかどうかわからない」という状態だったらどうでしょうか?あるいはご飯が食べられたとしても自分の時間もなくフル稼働で全く休みもない状態で働かなければならないとしたら?その状態で長期的な展望、たとえば将来なりたい職業のことなど考えられるでしょうか?あるいはそのために「今から勉強をしておこう」という考えに至るでしょうか?

 

おそらく多くの人はそんな事を考えられず、「勉強どころじゃない、それよりも今日の飯だろ!!」という直近の問題に目を向けるはず。非常に視野が狭くなってしまうんですね。しかも一時的ならまだしも貧困状態にいる人は常にこういう思考でいるわけですから、短期的かつ判断を誤る可能性が高まってしまうというわけです。

 

このように貧困状態の人は必ずしも自己責任であるとは限らないと言えるでしょう。最初から貧困だったり長く貧困状態にいる人はそもそも努力をするという考えまで及ばない可能性だってあるわけですから。

 

実際に貧困はどれぐらい人の知能を下げてしまうのか?

本書を読んでいて「マジか‥‥‥。」と思ったのがこの部分。

 

「その影響は、IQが十三から十四ポイント下がるのに相当した」とシャファーは言う。これは、一晩眠れないことやアルコール依存症の影響に匹敵する」。

 

貧困状態に置かれると徹夜状態、もしくは常にアルコールの影響を受けたような状態で物事を判断しているというわけです。これって恐ろしくありませんか?徹夜やアルコールの入った状態なんて明らかに頭がボーっとしていて正常な判断に出来るわけがありません。普段超頭が切れる人でもアルコール入ればバカなことをやるのは、僕やあなたのまわりにいる人たちを見ればわかるはずです。

 

貧困が続くとこんな状態で物事を判断しなければならない。そりゃ、判断間違いますよね。貧困と犯罪の関係性はよく取りざたされますが、正常な判断が出来ない状態で仮にお金がないとしたら、人によっては犯罪をしてお金を得るといった短絡的な行動に出てしまうのかもしれません。

 

まず貧困を撲滅させることが、個人にも社会にも大きな利益をもたらす

このように貧困状態に陥ることで、人々は知能が下がった状態になってしまいその結果誤った判断をしてしまう可能性があります。結果として健康、教育、仕事などなど非常に短期的な視点で物事を見てしまうわけです。それは当人だけでなく社会全体にとっても不利益なはずです。

 

ですからまず大事なのは「貧困を撲滅させる」ということ。金銭や道徳に関する教育をするのはその後なんです。貧困状態にある人に「月に○○円貯金をして」なんてアドバイスをしてもそれを実行するのは難しいんです。なぜなら先述したように「欠乏の心理」によって短期的な視野で物事を考えるようになっているから。

 

じゃあ、どうすればいいか?その一つの方法としてベーシックインカムがあるわけです。ベーシックインカムによって無条件にお金を配布して人びとを貧困状態から抜け出させます。そうやってまず欠乏の心理状態から抜け出させる。その上で金銭教育をしたり長期的な視野で物事を考えるような教育をする。すると「将来どうしようか」とか「ちょっとずつお金貯めなきゃな。」といった長期的な視野で物事を考えることに繋がるんです。それが個人の人生を豊かにし社会全体にも利益をもたらすというわけですね。

 

ちなみに貧困に対してそれを根本から解消しようとする施策をすると、結果としてコスト面でもいい方向に向かうということがわかっています。

 

例えばユタ州では2005年にホームレスの人に対して無償で家を提供するということをはじめました。すると隣のワイオミング州ではホームレスの人が二一三%増えたのにユタ州では七四%も減ったんだそうです。

 

そしてコスト面でもそれまでホームレスの人たちには一人当たり年間で一万六六七〇ドルかかっていたところ、アパート代と専門家のカウンセリングでは一万一〇〇〇ドルまで抑えられたんだそうです。つまり年に五五〇〇ドルのコスト削減が出来て、家がない人の数も劇的に減らすことが出来たんです。

 

この結果からわかることは自己責任だからと貧困にいる人を責めたり蔑むのではなくて、まず貧困状態からその人を引っ張り上げてあげること。ホームレスの人なら家を与えてあげる、貧困の人ならお金を与えること。それが結果として個人を欠乏の心理状態から救いますし、金銭面などから社会にとっても有益になるというわけです。

 

実際に貧困減らそうとすると社会全体が得するんですよ。だったら「自己責任だから」とか「努力不足だから」と放置するのではなくて足りないものを与えた方がいいわけです。

 

まとめ

今回は『隷属なき道』という本からベーシックインカムがもたらすメリットについて紹介してみました。

 

本書を読むと今回紹介した以外にもベーシックインカムがもたらすメリットやベーシックインカムが社会にどのような影響を与えるか、未来におけるベーシックインカムの必要性などを理解することができます。

 

またこういう本は内容が難しいから苦手という方でも、各章の最後に覚えておきたいポイントがまとめられているので、ざっくりと理解することができると思います。

 

個人的にはベーシックインカムの導入は待ったなしだと思います。これは僕がお金がないから言っているわけではなく、これからますます格差が広がり機械化の波にのまれて多くの人たちの仕事を失っていくでしょう。その時に最低限の生活の保証が人々は自らの生活を守ることに精一杯になり、新しい事ややりたいことにチャレンジできなくなってしまうからです。それは今回この記事でも書いたように人々が「欠乏の心理状態」に陥ってしまうわけです。

 

するとお金がない→お金がないから働くが、多くの仕事は機械に奪われているから、やりたくもない仕事を長時間働かなければらない→すると多少のお金はあっても今度は時間がない。時間が欠乏している状態だと将来のことは考えられません。その結果、その場しのぎのことをしてしまったり、また興味のない仕事に時間を費やすというループが起こってしまいます。

 

これではたして国は成長していくでしょうか?国を保てるでしょうか?人々が自尊心を持って暮らせるでしょうか?僕はそうは思いません。

 

ベーシックインカムによって最低限の生活を人々に保障することで、欠乏の心理から人々が抜け出し、多くの人が自分のやりたいことや興味のある事にチャレンジするようになる。その方が、国も活性化すると思うしそこに生きる人たちも幸せになると思うわけです。

 

まだまだベーシックインカムの導入までの道のりはあるかもしれませんが、世界では既に一部の地域などで実験が始まっています。日本でもホリエモンこと堀江貴文さんが彼の運営するサロンで似たようなことを初めていい結果が出ていたりします。

 

ぜひ、今後は国内の自治体やある地域においてもベーシックインカムを実際に取り入れてみてほしいし、日本のように行政が新しい制度を取り入れることに抵抗がある国こそ、少しずつ段階を踏んで試してその有効性を立証していく必要があるのではないかなと思っています。あなたはどうお考えでしょうか?お時間があればベーシックインカムについて考えてみてくださいね♪

 

それでは今回はこの辺で失礼します!

 

 

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