オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

『敏感すぎる自分を好きになれる本』HSPを理解したい時に読みたい一冊!!

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世の中には人の気持ちにものすごく共感する人や、繊細な感性を持っていたりする人がいます。それをHSP(Highly Sensitive Person)というんだそうで、僕もつい最近まではこの単語自体知りませんでした。ただ、ここ数年SNSなんかを見ていても、「自分はHSPです」という人たちをちらほら目にすることが増えてきたし、知人にもHSPという単語を知っている人がいたりして、少しずつ世の中にそういう人たちの存在が広まってきているんだなぁと実感しています。

 

で、僕の性格上やっぱり気になるわけですよ。「HSPが敏感だったり繊細なのはなんとなくわかった!でも、もうちょいどういう特徴を持っててどんなことで困ってんのかな?」ってことをね。

 

つーことで、とりあえず一冊本を読んでみることにしました。それがこちら。

 

著者の長沼さんは精神科医で日本では数少ないHSPの臨床医としても活動をされています。本書は、その長沼さんによるHSPを知らない人や、HSPに詳しくない人がその概要について学ぶことができる一冊です。

 

今回はこの『敏感すぎる自分を好きになれる本』の感想を書いていきたいと思います。

 

HSPって何?その基本についてわかりやすく解説してくれてます!

「そもそもHSPって何?初めてきいたわ!」という方もいるかもしれません。HSPは先述したようにHighly Sensitive Personを略したもので、日本語ではとても敏感な人と訳されるそうです。

 

とても敏感な人‥‥‥。でははたしてHSPの人たちは何に敏感なのでしょうか?それはひと言で言ってしまうと「世の中にあるすべての出来事」に対してです。

 

ある人は知人や友人からかけられた何気ない一言で、周囲が驚くぐらいに傷つき落ち込んでしまうことがあります。ある人は、都会の人混みに紛れるとそれが強いストレスとなり疲労困憊になってしまう。敏感であるがゆえに日常生活が困難になる、あるいは生きづらいと感じてしまう、それがHSPの人たちというわけです。

 

「うーん、まぁHSPの人たちが大変なのはなんとなくわかるわ。でも、その人たちってどんぐらいいるの?あんまり自分の周りには見当たらないけど?」

 

確かにHSPの人たちは決して多数派ではないですし、もしかしたらあなたの周りにそういう人は見当たらないかもしれません。あるいは、本人が気づいてないというパターンもあるかもしれない。単に「自分はメンタル弱めで傷つきやすいだけなのかも‥‥‥」って思いこんでいる人もいるでしょう。

 

じゃあ、実際にHSPの割合はどのぐらいなのか?これに関してはHSPの第一人者であるアメリカの心理学者のアーロン博士という人が、ご自身の著書の中で語っているそうです。

 

アーロン博士はその著書の中で、どの社会にも男女問わず、人口の15~20%の割合でHSPというとても敏感な人たちがいることを明らかにしました。

引用元:『敏感すぎる自分を好きになれる本』p23 長沼睦雄 青春出版社 

 

15~20%ということは、100人いたらその中の15人~20人いるということになります。割合としては少数だけどけっしてメチャメチャ少ないってわけじゃないですよね?

 

そう考えると、HSPって決して僕らと無関係であるとは言えないのではないでしょうか?もしかしたら、あなた自身がHSPの可能性もあるし、あなたの家族、知人、友人、同僚が該当する可能性もある。しかも、その人たちはもしかしたら日ごろの生活の中で息苦しさみたいなものを感じながら生きているのかもしれません。

 

そういう人が「どういう特徴を持ってて何で苦しんでるのか?」っていうのを理解するためにも、本書のようなHSPについてわかりやすく教えてくれている本を読む価値はあるのかなと思います。

 

HSPの人たちが生きづらさを解消する方法を教えてくれている

HSPの基本的な情報を知ることは大事ですが、やはりそれを知った上で「どう日常生活に活かすのか?」というのがより大事なことなのではないでしょうか?

 

本書では

  • 第3章 敏感すぎる自分に振り回されずに生きるには 
  • 第4章 敏感な人が陥りやすい15の「困ったこと」の対処法

 

という2章を通して、その特徴がゆえに生きづらさを抱えてしまいがちなHSPの人たちが、いかにその特徴を活かし日常生活をおくればいいのか、どのように遭遇する可能性がある困難と向き合い対処していけばいいのかを教えてくれています。

 

ここはすごく大事なところなので、HSPもしくは「自分もそうかもしれない」と考えている人にはぜひ読んでほしい。

 

では、いったいまず何をすればいいのか?ちょこっとだけ本書の内容を紹介していきます。

 

生きづらさを解消するために大事なのは、「知る」「対応する」「心構えを作る」の3つです。

引用元:『敏感すぎる自分を好きになれる本』p108

 

知るというのは「HSPについて知る」ということと、「HSPである自分が何に困っていて、どういう問題があるのか」をより明確にしていくということになります。一口にHSPといっても、個々人でどこに敏感なのか、何がつらいのかは異なるわけです。そういうものを把握していくことです。

 

そして、自分のことをよく知ったあとは、「対応する」に移ります。自分の敏感さに対する具体的な対応策を持つのです。生きづらさを実際に取りのぞいていくための対処法と実践法を実施していきます。

対応策を持つことができたら、「心構え」をつくりましょう。HSPであることを受けいれば、より生きやすい自分になるための心構えや考え方を付き合っていくのです。対応策という技術を、心構えや考え方という太い何本かの柱でしっかりと補強することで、あなたはHSPである自分を少しずつ認め、肯定できるようになるでしょう。

『敏感すぎる自分を好きになれる本』p109

 

対応策も当然個々人で異なります。もしあなたがHSPで「人混みだとストレス過多で疲労困憊になってしまう」というのであれば、対応策としてはシンプルに「人混みを避ける」もしくは「人混みができるであろう場所にはなるべく行かない」という策を持っておくとかね。あるいは、どうしてもいかなければならないのであれば、お店に入ってお茶を飲むとか、ベンチに座ってこまめに休むといったこともできるはずです。

 

ここまででHSPについては理解して、対応策もわかったということで、ラストの「心構えに」行きたいところですが、この心構えについては少し難しいかもしれません。

 

HSPの方の中には、「生きづらい日々から抜け出したい」「落ち込んでいる自分を変えたい」と口では言うものの、なかなかいい方向に進まないという人もいるようです。

 

著者の長沼先生によると、彼らの中には言葉とは裏腹に「変わりたくない」といった変化を恐れる気持ちや「考えたくない」といった現状の困難について考えることを回避してしまうことがあるようで、このような状態のことを「心理的逆転」というそうです。

 

「心構えをつくる」という中で大事なのは、HSPであることも含めた自分の状況をすべて認めた上で、「生きづらさを捨てていいんだ」と、自分の心に言い聞かせることです。自分が意識できていない心理的逆転を乗り越えることです。

引用元:『敏感すぎる自分を好きになれる本』p118

 

うーん、やや精神論的な感じがしなくもないですが、まずは「生きづらさを捨てていいと認める」ことが出発点になります。「自分なんて‥‥‥」と思わなくていいし、自分を否定することもしなくていいんです。自分はいい状態になっていいし、生きやすくなっていいと思うようにする。なかなか難しいかもしれませんが、これはもう意識してやっていくしかないのかなと思います。

 

もちろん、ここで紹介した以外にも、HSPの人が「どういう考えで過ごせばいいのか?」といった項目や、第4章にもあるようにHSPの人が困ってしまう場面での具体的な対処法も学べるので、本書は一度目を通しておいて損はないのではないでしょうか?

 

こんな人におススメ!!

ここでは、「こんな人が読むとこの書は役に立つんじゃないかな?」っていう人を書いていきます。

 

  • HSPについて知らない初心者の人
  • 自身がHSP(もしくはその疑いがあって)特徴や対処法を知りたい人
  • 周りにHSPっぽい人がいて、どう接していけばいいか悩んでいる人

 

まとめ

というわけで、今回は『敏感すぎる自分を好きになれる本』を読んだ感想を書いてみました!!

 

この本には、HSPかどうかを判定する簡単なチェックリストがあるのですが、それやってみたところ僕もHSPっぽい感じでした(笑)

 

まぁ、僕は確かに刺激とかに弱いし敏感だったりもするし、人混みしんどいし、集団とか苦手で疲れるし、本に書いてある特徴に当てはまることも多かったし、知人から「そうなんじゃないですか?」と言われたりもしたので、まさかまさかと思いきやという感じです。ただ、お医者さんに診断を受けたとかではないので、「グレーゾーンやな」ぐらいに思っておきます。

 

とはいえ、HSPに近い傾向がある僕としては、この本は一からHSPを理解するのに非常に役立にたったし、具体的な対処法もわかりやすく説明してくれていたので読んだ価値はあったなぁと思います。文章も平易で読みやすく良かったです。

 

もし、あなたが「敏感」とか「繊細」といった言葉に引っかかったり、思い当たる節があったり、あるいは周りにそういう特徴を持った人がいるのであれば、ぜひ一度本書を読んでみてください。きっと役に立つ内容を学ぶことができるはずです。

 

それでは今回はこの辺で。