最近、ニュースとか色々なところで目にするせいか、宗教に興味を持ってしまいましてね。
あっ、興味を持ったと言っても、僕が宗教をやりたいとかじゃなくてね、
- 宗教ってどうやってできるのか?
- 教義ってどうやってできるの?
- どうやって信者とか集めるの?
といった仕組みの方に興味を持ったんですよね。宗教ってなんだかんだ人に影響を与えるし、メチャメチャパワーがあるじゃないですか?三大宗教と呼ばれる、キリスト教、イスラム教、仏教は世界中に布教されていて、信者数も膨大だし、その教えを守ることで人々が心の安定をはかったり、人生を生きていくうえでの指針にしたりしている。宗教ってすごいわけで、僕はそこに興味を持ったわけです。
まぁ、興味を持ったらすぐに動こうぜということで、さっそく宗教についてざっくりとでも学べる本を読んでみようと思ってね、アマゾンでチャチャっと見つけたのがこちらの本。
「タイトルが怪しい‥‥‥」
もしかしたらそう思った方も多いんじゃないでしょうか?まぁ、そうですよね(笑)僕も、メチャメチャ思いましたもん。「なんだこれ?教祖ってマニュアルでなれるもんなの?」ってね。
でも、アマゾンの評価なんかを見てみると意外と悪くない。そんで、まぁ一応読んでみるかと思って買ってみてパラパラと読んでみたわけです。
そしたら、まぁちょっと茶化した部分とか、良くも悪くも軽い感じの文章ではあるんだけど、宗教が出来上がるための仕組みについて解説してくれてて、自分が教祖になるためにはどうすればいいのか?ってことも教えてくれてます。
僕みたいな、いわゆる宗教に関してほとんど知識がないような人間であっても、わかりやすかったですね。うん、初心者の人がざっくりと宗教の仕組みとか成り立ちについて知るのにはとてもむいている本なんじゃないだろうか?
まぁ、簡単にいっちゃえば面白い本だったので、今回はこの『完全宗教マニュアル』を読んで、読者の方と共有したいなと思う部分や、個人的な感想などを中心に書いていきたいと思います。これを読めばあなたも宗教のことがちょびっとわかるようになるかも?
完全宗教マニュアルを読んだ感想
宗教がよくわからんって人でも、この本を読めば自分の宗教を作れるかも?
この本は、自分が教祖になることを前提に「宗教をいかにして作り、広めていくのか?そのためには何が必要なのか?」を分かりやすく教えてくれています。これだけ具体的に順序立てて、自分の宗教を作るための方法を教えてくれてる本ってあんまりないんじゃないかな?まさにマニュアルって感じです。なので、読み進めていくうちに「あっ、もしかしたら自分でも宗教作れるんじゃね?」って気分になるんですよね。
おそらく宗教を作るって言っても、「じゃあ、どうすりゃいいのよ?」ってなっちゃいますよね?学校で宗教の作り方なんて習うわけでもないですし。とりあえず、なんか教典みたいの準備するの?とか、どっかで集まってなんか布教しなきゃいけないの?とか多くの人はそんな認識なんじゃないかな?僕もそうですし。
そこで登場するのがこの本です。この本は一見すると、ちょっと面白おかしく書かれているように感じるんですが、ちゃんと古今東西の宗教を分析して、その成り立ちから布教して広がっていくにはどうすればいいのか?っていう具体的な方法論について語ってくれてるわけです。
ここでちょっとだけ本書から引用しつつ、「宗教を作るには何から始めればいいのか?」を見ていきましょう。
自分が教祖となり宗教をつくるためにまずやるべきなのは、「教義つくること」だそうです。教義を作る上でのポイントは以下の4つ。
- 神を生み出す
- 既存の宗教を焼き直す
- 反社会的な教えを作る
- 高度な哲学を備える
今回はこの中から二つ、『既存の宗教を焼き直す』と『反社会的な教えを作る』についてちょこっと書きます。
まず一つ目の既存の宗教を焼き直すとは一体どういうことなのでしょうか?本書ではこんな風に語られています。
キリスト教のケースを見てみましょう。イエスといえば、むろんキリスト教の教祖ですが、彼自身はユダヤ教徒でした。イエス本人には自分がキリスト教の開祖という意識はおそらくなく、たぶんユダヤ教の改革運動をしているつもりだったのでしょう。それが運動を進めていくうちに元々のユダヤ教徒は懸け離れていき、ついに相容れなくなったときに別の宗教となったわけですが、こういったケースは非常に多いのです。
それで、どうしてこういうことが多々起こるかというと、歴史のある宗教というのは言い換えれば古い宗教です。そして、古い宗教は、それが作られた当時の古い時代の文化や問題点に依拠しているので、どうしても今の時代に合わない様々な問題が発生してきてしまいます。
引用元:『完全教祖マニュアル』p30 著者 架神 恭介,辰巳 一世 筑摩書房
なるほど!!キリスト教という世界最大の宗教にしても、そもそものスタートは「ユダヤ教ちょっと違うんじゃないの?」というイエスが感じた疑問みたいなところからスタートしているってことですね。そこから段々と別れていってキリスト教になっていったと。
確かに仏教とかも、根底にはお釈迦様の教えがありつつも、色々な宗派に分かれてたりするもんなぁ。そう考えるとまったく無から宗教を作り出しているケースって実はそんなに多くはないのかもしれない。
イエスのような偉大な人ですら、まったく0から神を生み出したわけじゃないので、僕らのような凡人も彼を見習えばいい。つまり、まったくの無から新しい神様を生み出すのではなく、「今ある何らかの宗教をもとにより時代に即したものを作り出す」ということをするわけです。なんかそう考えるとちょっとだけ宗教作れる気がしてきません?
これを踏まえて、あなたの具体的な行動指針を示すと次のようになります。すなわち、あなたはまず仏教、キリスト教などの伝統宗教、もしくはそれなりに歴史のある新興宗教へと入信します。しばらくはそこで真面目に信者生活をして下さい。すると、どうしてもそこの教えに対し、「これは現代的感覚に合ってないな」と思うところが出てくるはずです。そうなればチャンスです。その「合ってないな」と思うところを適宜修正し、別の一派として教団を立ち上げるのです。もしくは、「形式主義に陥ってるな」と思ったら、「もっと信仰中心にしようぜ!」「格式ばったルールなんか必要ないぜ!」などと呼び掛けて下さい。これも独自の一派を拭くる契機となるでしょう。
引用元:『完全教祖マニュアル』p32
さらに、本書では具体的にどうやって教義を作っていくのか、その具体的な行動指針についても述べられています。簡単にいっちゃうと、既存の宗教に入って、おかしいなと思ったところとか、時代に合ってないなって思ったところを主張する宗教を立ち上げると。
まぁ、まず既存の宗教に入るってところでちょいとばかし、ハードルが高い気がするし、そんな理由で宗教に入るのかって思わなくもないですけどね。でも確かに内部に入ってみて実際に信者として生活をしてみなければ、その宗教のいい面もちょっと時代に合ってない面も見えてきにくいのかなとも思います。
続いて二つ目の反社会的な教えを作るです。
「反社会的な教えを作る!?お前社会に対して反抗するつもりか!?この危険人物め!」
と思った方が一人ぐらいはいそうですよね。
実は、宗教、特に新興宗教というのはどれも反社会的なものだったりするわけです。では、なぜ宗教は反社会的になるのでしょうか?その理由について本書ではこんな風に語られています。
なぜ、新興宗教が反社会的になるかというと、そもそも新興宗教はその社会が抱える問題点に根差して発生するものだからです。なので、どうしても反社会的にならざるを得ませんし、またそこにこそ宗教の意義があるとも言えます。
引用元:『完全教祖マニュアル』p35
確かに考えてみれば、今の社会で大満足っていう人はそもそも宗教にどっぷりつかるってことはないのかもしれません。「今の社会で生きづらかったり、報われない、しんどさを抱えている」ような人が、宗教を一つの拠り所とするわけですよね。そうなるとどうしても今の社会が必ずしも正しいわけじゃないよという、反社会的な教えになっていくというわけです。
反社会的って言うとね、どうしても犯罪とか暴力団みたいなイメージを持つと思うんだけど、必ずしもそういうことではないってことは分かってもらえると思います。
こんな感じで本書では教義の作り方から、その教えをどうやって広めていくのか?信者をどうやって獲得し、増やしていくのか?などなど、実に具体的なやり方を教えてくれています。
この通りにやれば「あなたも教祖になれるぞ!!」とは断言はできませんが、少なくとも何も知識がない状態でスタートするよりは、方向性を間違えずに済む気がしますね。
まとめ
そんなわけで、今回は『完全教祖マニュアル』という本を読んだ感想を書いてみました。
ノリとしては、「この本読んで書いてあることを実行すれば、あなたも教祖になれちゃいますよ♪」という割と軽いものではあります。なので、もしかしたらメチャメチャ真面目に宗教について考えたい人からすると、「なんだこの本は!?」と思う事もあるかもしれません。
ただ書かれている内容は筆者の単なる思い付きではなく、既存の宗教をしっかりと分析されたものです。なので特に僕のような宗教に関してあまり知識のない人の場合、「へぇ、こうやって宗教って出来たんだ」「宗教の仕組みってこうなんだ」などなど学べることが多いはずです。
文章も非常にとっきやすいし、わかりやすいので「難しい内容はちょっと苦手かも‥‥‥」という方でわりとサクサクと読める本だと思います。宗教の仕組みなんかに興味がある方はぜひ一度ご覧になってみてください♪
それでは今回はこの辺で。