オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

『みんな政治でバカになる』何度も読み返したい一冊でした!

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久々に面白くてなおかつ自分にとって役に立つ本に出会えたので紹介します。それがこの本『みんな政治でバカになる』です。

 

 

 

SNSなどで政治の話題を見ると、とても客観的で合理的な意見がある一方で、立場が違う人をやたらと強い口調で誰かを攻撃したり、とても偏った意見を目にすることってありますよね。もはやそれって陰謀論なのではみたいなものも。本書はそうした政治の話題について「おや?ちょっとおかしくないか?」と思ってしまう言動を、なぜ人々がしてしまうのかをとても丁寧に解説しています。

 

タイトルからして政治に関する本と思って興味が持てないって人も多いとは思います。ただ、この本は確かに政治を取り上げてはいるんだけど、同時に人間の本性についても取り上げています。その本性とは「人間はバカである」というもの。いやぁ、なかなかどぎつい言葉ですね。でも、これは別に他人をバカにしているわけではなくて、筆者や僕、そして読者の人たちも含め全ての人たちがそうであるということです。

 

つまり、政治云々関係なく「みんなバカな言動しちゃう」理由を知る上で手掛かりになる。どうでしょう。政治とか関係なくなんで自分がバカな言動しちゃうのか気になりません?そういう点で、政治にそんなに興味がなくても自分ごととして読めるので、この本は面白いなと思うわけです。もちろん、他人の言動の理由を知る上でも参考になりますし。

政治と関わると人はバカになる?

ここからはちょっとだけ本書の内容を紹介します。なぜ、人は政治でバカになってしまうのでしょうか。筆者はいくつか理由を挙げていますが、特に重要なのが次の二つだと思います。

 

①人間の本性(認知バイアス)

②環境(政治的無知)

 

一つ目の認知バイアスはかなり簡単にいうと、非合理的な思い込みによって物事を判断しちゃう人の心理のことです。その種類は様々ですが、本書に出てくる一つの例を挙げると「内集団バイアス」というものがあります。これは「他の集団より自分の所属する集団に好意を持ちやすいよね」っていうものです。

 

こういうバイアスが僕たちの言動に影響を及ぼします。そうなると、政治的に立場が違う人たちを敵対視して攻撃的な言葉を投げつけ、逆に自分の所属する集団に対してはおや?と思う言動を擁護したりしてしまうわけです。どうでしょうか?SNSを見てるとそういうの目にしませんか?また、自分自身も振り返ってみたらもしかしてなんて事を思うかもしれません。そういう自分自身の言動にもバイアスがかかってるのではと気づかせてくれるので、僕はこの本読む価値あるなぁなんて思います。

 

で、もう一つは環境によるもの。僕たち一般人が政治にどれぐらいの影響を及ぼせるかを考えてみましょう。確かに選挙はあるしデモしたり、SNSなどで抗議の声を上げることで政府が方針を変えるなんてこともあります。でも、基本的にあまり政治は変わらない。選挙に行っても自分は大勢いる人々の中のたった一票でしかないわけです。そうなると「政治に対して自分は無力だな」と思ってしまうわけですね。自分の力じゃなんも変えられないと。

 

変えられないものに対して、ずーっと関わり続けられる人は少ないですよね。なので、多くの人が政治に興味がなくなり勉強しなくなってしまいます。で、わからないからさらに興味は薄れという形で、どんどん政治的に無知な状態が助長されていくわけです。

 

その無知な状態で、時々政治について何か言葉を発したり行動を起こそうとすると、先ほど説明した様々な認知バイアスによって思いっきり偏った意見や、バカな行動をとってしまうんですね。

 

僕がここで説明したのはかなりざっくりとしたものですが、本書を読むとより詳細に僕らがバカになってしまう理由を知ることができます。

 

バカにならないためにどうすればいいのかを考えるきっかけになる

すでにお伝えしたように、僕らの本性は「バカである」というものです。これはもう本性なのである意味しかたがないものです。もちろん、人によってその加減にはグラデーションがありますが、基本的に知識人であっても一般人であってもバカな言動をしてしまいがちであるということです。これは覚えておきましょう。

 

で、大事なのは「僕らはみんなバカである」と知っているかどうかなんですよね。自分がバカだという自覚があるとしたらどうでしょうか?何か発言する際に気をつけません?ちょっと自重しません?一旦調べてみてから発言しようかとなるじゃないですか。

 

逆に「自分はバカじゃない!なんでもわかってる!」という人はどうでしょうか。おそらく自信満々に断言するでしょう。たとえ自分の知らない分野のことであっても、それが客観的にみて極端に偏っていたりバカなものであったとしてもね。

 

ですから、まずは自分たちはみんなバカであって、自分もバカなんだと自覚することが大切です。この本はまさにバカであることを読者に突きつけてくれるので、それが自らの言動を省みるきっかけになるはずです。僕も読みながら頭抱えましたもん。「あぁ、俺バカだ」って。

 

そこに気付けたら「じゃあ、どうすればいいのか?」って考えるじゃないですか。過去の言動も含めて反省するじゃないですか。そうやって、「バカにならないためにはどうすればいいか」って考えるきっかけとしてこの本はとても優れていると思います。

 

まとめ

今回は『みんな政治でバカになる』の感想を書いてみました。一応くくりとしては政治の本ではありますが、人の本性の部分について知りたい方はとても面白いと思いますし、何より自分の言動を振り返るきっかけになると思います。

 

僕もまだまだバカな言動をしてしまうと思いますが、時々この本を読み返して自分の言動を省みていければと思っています。とても面白い本なので興味がある方はぜひ読んでみてください!