会社員や学生など、肩書きを問わずにある程度の年齢になれば、年下の人と接する機会ってあると思います。その際にあなたは年下の人からどのように見られているかを気にしたことはあるでしょうか?
「いやっ、自分は年下から慕われ尊敬されているよ」
「大丈夫。毎日ちゃんとコミュニケーションをとっているから」
「ぶっちゃけ、年下とか後輩って何考えてるかわからん」
などなど、様々な意見があるかと思います。もちろん、年下や後輩と円満に関係を築けているのであればそれはそれで喜ばしいことです。でも、もしあなたが「なんか年下といい関係を築けていないな」とか「もしかしたら避けられているかも?」と感じているのであるならば、何かそうなる理由があるはずです。
ではいったいどうすれば年下といい関係を築けるのでしょうか?今回はそれを考える時に参考にしてほしい一冊を紹介してみようと思います。それがこちらの一冊です。
著者の山田玲司さんは、『ゼブラーマン』を描いた漫画家さんで、現在はニコニコ動画で、「山田玲司のヤングサンデー」を配信中。映画や漫画をはじめ様々なジャンルについての解説は非常におもしろいのでおススメです。
山田さんは、これまでに「人生の成功者」と呼ばれるような人たちにたくさんインタビューをしてきました。その中で出会った人たちは多くがご自身よりも年上で、なおかつ尊敬させてくれる人だったそうです。
「いやいや、成功者だからそりゃ尊敬して当然だろう?」
とあなたは思うでしょうか?いやいや、それが違うわけです。成功者の中にも「あの人すごいけど尊敬はできないよなぁ」という人がいるわけですね。では、尊敬される年上の人はいったいどういうことをしているのか?山田さんはタイトルにもあるように「年上の義務」というものがあり、年下から尊敬される人、少なくとも見下されない人たちはみなその義務を守っていると言います。
では、その義務と一体何なのでしょうか?今回はちょこっとだけその辺にも触れていきたいと思います。
年上の義務を学ぶことで年下と良好な関係を築こう!!
山田さんは本書の中で、年上が守るべき義務について以下の三つを挙げています。
「愚痴らない」
「威張らない」
「ご機嫌でいる」
引用元:『年上の義務』p9 著者 山田 玲司 光文社
もちろん、これ以外にもいろいろあると山田さんもおっしゃっています。でも、あえて絞るとするならばこの三つ、愚痴らない、威張らない、ご機嫌でいるとのこと。すげぇシンプルですよね。でも、意外とこれができていない人って多いんじゃないかな?(僕も自信がない)
一つ、「愚痴らない」について取り上げてみましょう。
どうですか?例えばあなたが会社員だとして、上司が仕事中なり、飲みの席なんかで愚痴ばっかり言ってたらどうでしょうか?すげぇ嫌じゃありません?
まぁ、これがね同僚とか部下ならまだわかるじゃないですか。「あー、辛いよな。その気持ちってわかる。」ってなるし、なんなら「こうしてみるといいんじゃないかな?」アドバイスとかもしやすいと思うんですよね。もちろん、その時間すら嫌だという人もいるとは思いますが‥‥‥。
じゃあ、これが上司とか先輩みたいな年上の人が愚痴る場面に出くわすとどーなるかというとさ、「ひたすらその愚痴をきくはめになる」という超ハードな時間を過ごすことになるわけですよ。しかも有無を言わさずにね。
なぜならこの社会(会社、業界、学校など)においては、まだまだ年上の言うことはきくもんだという通説が行き届いているからです。そんな状態で「いや、先輩それは‥‥‥」ってどれだけの人が言えるでしょうか?「それ愚痴るぐらいなら別のこと話しませんか?」ってどれだけの人が提案できるでしょうか?おそらくほとんどの人ができないはずです。
そして、年下の人たちは本当はスゴイ嫌なんだけど、表向きはそんな態度を取れないから「はい、その通りです」とひたすらうなずき、同意をしながら愚痴をきくということになるわけです。
これは、他の「威張らない」とか「ご機嫌になる」も同じです。上司や先輩を始めとする年上がそれをやり始めると、もう年下は逃げ場がない。ひたすらにストレスのかかる時間を耐え続けないならないわけです。
そして、そういうことばかりをしてくる年上の人はだんだんと煙たがられ、年下の人たちから見下され無視をされてしまうことになるわけです。
今からでも遅くはない!!年上の義務を身につけよう!
というわけで、結論としては僕らはみんな「年上の義務」を身に着けた方がいいんじゃね?というところに到着します。
まぁ、それでも年上の義務なんて身につけたくないという人もいるだろうし、「自分は自分のやり方で年下と接するわ」という人もいるでしょう。それでうまくいけば問題ないです。
ただ、あまりにも年上が尊敬できない場合、年下との関係が上手くいかないばかりか、その年下がつぶれてしまったり、「こんな年上ばかりの社会は嫌じゃー」ともなりかねませんので、最低限年下の人をつぶさないようにするぐらいの配慮は必要かなと思います。
あとは、「自分は同年代や年上との関係を大切にするから大丈夫」という人もいるかもしれません。ただ、今はいいかもしれませんが、年を重ねていけばやがて年上の人たちはいなくなるし、同年代でもポツポツと何らかの理由で会えなくなることもあるでしょう。
何より、同年代だけの関係性というのは非常に世界が狭くなりますし、進歩がありません。ましてや定年退職をした後ともなれば、話題はゴルフやお酒や結婚している人なら旦那さんや奥さんの話題ぐらい。じゃあ、そこから年下の知り合いや友達をと考えても、すでに「年上の義務」を放棄し続けた人が、「よし、今から年上の義務を守って年下と接するぞ」となっても、なかなか長年培われてきた習慣を変えるのは容易ではありません。
おそらくちょっとしたやり取りから「この人はめんどくさいタイプの年上だ」と見抜かれて年下から敬遠されてしまう可能性が高いのではないでしょうか?
もちろん、「別に孤独でもいいや」という人なら無理する必要もないと思うんですよ。わが道を行くのも一つの選択ですしね。でも、もし仮に「自分は年をとっても年下の人と接して、世界を広げたいし、自分の経験を基にアドバイスなんかもしたい」なんて考えているのであれば、年上の義務というのは意識する必要があるのではないかなと思っています。
まとめ
そんなわけで、今回は山田玲司さんの『年上の義務』という本を読んだ感想を書いてみました。
僕ももう30過ぎたいい年ですし、同年代ばかりではなく年下の人ともいい関係を築いていきたいと思っています。ただ、本書を読みながら「ああ、もしかしたらちょっとやらかしてたかもなぁ」と思うところもあり、この文章を書きながら反省しているところです。
今後はとりあえず「愚痴らない」「威張らない」「ご機嫌でいる」をテーマに、年下の人と接していきます。とはいえ、すぐに完璧に出来るわけでもないと思うので、もし、読者さんで僕と会う機会があって僕が不機嫌そうにしていたら「オバッチさん不機嫌になってますよ(笑)」とりあえず突っ込んであげてください。
この本は、現在年下の人と接する機会が多い人はもちろんのこと、これから年齢を重ねて誰かの年上になる人にも役に立つ一冊だと思います。
「愚痴る」「威張る」「不機嫌になる」を繰り返し、年下の人から距離を取られて、いないものとして扱われるのか、はたまた逆に「あの先輩接しやすいよね」といい関係性を築いていくのか、
あなたはどちらがいいでしょうか?ぜひ考えてみてください♪そして、もし「年下といい関係を築きたい」と考えるのなら、この本は参考になるのでぜひ読んでみてください♪