お坊さんとか僧侶の人が書いた本っていうのは、ブッダの教えとか、仏教について解説したものが多いんですよね。それはそれで面白いし、僕も参考にさせてもらう部分は大いにあって、特にメンタル面に関しては仏教の教えとかって役に立つよなって思うことも多いです。
例えば、以前に読んだ『反応しない技術』なんかは、まさにそういうメンタルを安定させるためにおすすめの本なので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
参考記事:『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』落ち込んだ自分の気持ちを楽にしてくれたので紹介してみる!! - ニート気質な僕の生きる道
まぁ、その話は置いといて、今回は僧侶の方が書いてるんだけど、そういったメンタル面とか、仏教の教えについて書かれたものとはちょいと趣向が違う本を紹介してみたいと思います。それがこちら!!
タイトルにもあるように著者の静慈彰さんは、車で暮らしている僧侶です。家もなく、家族もなく、特定の組織にも所属せず、必要最低限のものだけを車に積み込んで生活をしています。そんな静さんの日常や考えた方が詰め込まれた本書から何が学べるのかを今回はお伝えしてみようと思います。
世の中の普通や常識に縛られた人に新しい視点を与えてくれる!!
静さん自身は、いわゆる僕たちがイメージするお坊さんとは違います。お坊さんというとお寺に住んでいて、そこで説法をしたりといった形を想像しますが、なんとなんと静さんは車で暮らしてます。
「車暮らしのお坊さん・・・?そんな人聞いたことないぞ」っていう人がほとんどだと思います。もちろん僕もそうでした。これまでの人生において、くるま暮らしをしているという人は聞いたことはあれど、それをお坊さんがしているというのを知ったのは、この本を読んだからです。すげぇ珍しい人だと思います。
で、こういういわゆる世間的な常識とか普通みたいな人の生き方っていうのは、正直みんながまねできるかって言われるとそうではないと思うんですよね。いやっ、物理的には可能でも精神面でブレーキがかかっちゃって「自分にはちょっと・・・。」ってなる人がほとんどなんじゃないかなと。
ただ僕はそれはそれでいいと思うんですよね。別に読んだからといって「この人みたくなろう!!」って思う必要はないとも思うんですよ。無理にそうなる必要もないわけで。普通の波風立たない生き方がしっくりくる人もいるわけなので、それはそれでいいんです。実際、静さんも本書の中でこんな風におっしゃっています。
愛する家族や信頼できる仲間に囲まれて、信頼できる社会の中で生きることができれば、それはとても幸せなこと。「普通」や「常識」がみんなと共有できれば、それにこしたことはない。
引用元:『くるま暮らし。』p190 著者 静慈彰 飛鳥新社
僕もこの考えには賛成なんですよね。別に無理してアウトロー的な生き方をする必要なんてないし、みんなが思う普通とか常識の範囲で「ああ幸せだな」って思えるのであるならば、そういう人生を歩んでいけばいい。
でもね、世の中には静さんのようにどうにも「普通」とか「常識」みたいなものに縛られるのが嫌だっていう人もいるじゃないですか。あるいは、そういう生き方をしようと思ってもできない人も。それで生きづらくなってしまったり、「自分は社会不適合者なんだ」と自らを責めてしまう。
そういう人にはこの本をぜひ読んでみてほしい。静さんのような「普通」とか「常識」から解き放たれた人の生き方や考え方に触れてみてほしいんですよね。きっと「ああ、こういう生き方もあるんだ」って気持ちが楽になります。なぜなら、こういう生き方があると知ることで「生き方は一つじゃないんだ。ほんとにしんどかったら別の道を行ってもいいんだ」という新しい視点を持つことができるからです。
人生には一本の道しかないと思うと、ほんとにしんどいんですよ。そこで詰まっちゃったり、うまくいかなかったとき押しつぶされそうになってしまう。でも、別ルートから通ってもいいじゃんっていうのを知った時の安心感ですよね。そういうお守り的な役割がこの本にはあるんじゃないかと。しんどくなった時に見てホッとするみたいな。こういう生き方があるって知ってると、心の支えになったりするもんです。
なので、もしあなたが「普通じゃなければならない」とか「常識的に生きなければならない」って思い詰めてなんかしんどくなっちゃってたり、苦しくなっちゃってたりするならこういう本を読んで、少し視野を広げてみるといいんじゃないでしょうか。
車暮らしに興味がある人もぜひ!!
とにもかくにも「視野が広がる、生き方の幅が増える」ってことで、この本をおススメしたいんですけど、もう一個おススメする理由を挙げるとしたら「くるま暮らしやってみたい人にも非常にも役に立つ知識が書かれている」ってことですね。
静さんが車暮らしに利用している愛車は30万円で購入した日産キャラバンです。ただ、もともとは商用のワンボックスカーなので、ずーっと生活するにはちときつい。そのためよりよい車暮らしをするためには車内を改造しなければなりません。本書では、その時の改造の過程についても、詳しく書かれています。また他にも車暮らしをしたい人が持つであろう様々な疑問に対しても答えてくれてるんですよね。
例えば風呂とかトイレとかどーしてるの?とか。電気はどう?ネットは?季節で寒暖差があるけどその辺の対応は?みたいなことを思いつくじゃないですか?そういう疑問にはしっかり答えてくれています。
そういう点でも、ちょっと車で暮らしてみたいとか、「車で生活?それって大丈夫なの?」っていう人にもおススメです。もしかしたら「車生活って快適かもな」って驚かされるかもしれませんよ。
まとめ
そんなわけで今回は静慈彰さんの『くるま暮らし。』の感想を書いてみました。
「この生き方しかない」「こうじゃなければだめなんだ」と一つの道を突き進むのも立派なことです。そしてそれを全うできればそれに越したことはないでしょう。
でも、もしあなたがその生き方に生きづらさや、逃げ出したくなるぐらいのしんどさを感じているのだとしたら、別の生き方を模索してみてもいいのかもしれません。そして、本書にはおそらくこれまであなたが普通とか常識と思っていた生き方とはまるっきり別の僧侶の生きざまが書かれています。
何度も言いますが、別にこの本の生き方をそっくり真似する必要はありません。でも、「この生き方もありなんだ」という気付きはあなたの心をフッと軽くしてくれるだろうし、追い詰められそうになった時の心の救いにもなるはずなので、もし時間があれば読んでみてください。
生き方は決して一つじゃない。そのことをお忘れなく。