つい先日、日本で有名なドヤ街の一つ山谷について学べる『山谷スタディツアー』に参加してきました!!
山谷スタディツアーとは、山谷でホームレスや生活保護の人などをサポートしている特定非営利活動法人『山友会』が開催しているものです。山谷の歴史や現在の様子、山友会がどんな活動をしているのかを、実際に活動しているスタッフの方から教えてもらえます。
今回はこの『山谷スタディツアー』に参加して気づいたこと、学んだことを中心にお伝えしてみたいと思います。
山谷スタディツアーの簡単な概要
まずはちょろっと山谷ステディツアーについての説明を。スタディツアーは以下のようなタイムスケジュールになっています。
- 10:30~ 南千住駅集合して、山友会までの歩く。この際ボランティアの方から周辺エリアの歴史などの説明
- 11:00~ 山谷についてのオリエンテーション。山谷の歴史から山友会の具体的な活動についてのレクチャー。
- 12:00~ 昼食 山友会の施設内には食堂があり、山友会と関りがある人たちは無料で食べれるそうです。メニューはある程度は決まっているそうですが、毎日同じではないとのこと。(この日はスタディツアーの参加者もハヤシライスをごちそうになりました)
- 13:00~ 記念品づくり
- 14:00~ 街歩き 山友会のスタッフと街歩きをしながら、地域の歴史や豆知識、ホームレス、生活保護受給者の方たちの生活状況についてのレクチャー
- 15:30~ 山友会の施設に戻り、ステディツアーの感想をシェア。
- 16:30 終了。
参考:http://sanyukai.or.jp/studytour.html
実際には、多少タイムスケジュールにずれはあった気がするけど、おおむねこんな感じでした。
ちなみに参加費が2,000円かかりますが、これは山友会への寄付金としての扱いになるそうで、きっちり領収書ももらえます。
居場所をつくることは山谷だけじゃなくて日本全体で必要
山友会のスタッフの方のお話を聞いていて印象的だったのは、「おじさんたちを孤独にさせないための居場所づくりが必要だ」というところでした。
かつては、ホームレスの方を生活保護まで結び付けて、屋根のある家に住んでもらうのが主な支援だったそうです。でも、人間それだけじゃあ生きがいがないんですよね。というのも、結局のところ家にいて食事をしてぼーっとして一日が終わりだと自分の存在意義というのを感じられないわけです。
実際に生活保護を受けたのはいいものの、孤独感を抱いてしまって「自分は社会に必要とされてないんだ」と自分を否定してしまったり、中には自死を選んでしまうこともあるとか。
あるいは、自死を選ばなくても、自分の人生をどうでもいいと思ってしまって、大量に酒を飲んだり、不摂生な生活をしたり、借金を重ねてしまうような行動をしてしまったり。
そういう自分のことをないがしろにすることを「緩慢な自殺」なんていうそうですけど、それじゃあいけないよねということで、山友会では現在様々な取り組みを通じてコミュニティを作り居場所を作ることを重視しているそうです。この日も、山友会の建物の前には何人かおじさんたちが来て話をしていましたし、食堂を開放して、山友会にかかわるおじさんたちに足を運んでもらうのも、そこで居場所ができたり、各々のつながりができればなんて目論見があるようですね。
これすごい重要だと思うんですよね。というのも、今の日本って、終身雇用も崩れ、非正規雇用は増加して、結婚しない人たちもどんどん増えているわけですよ。で、おそらくだけどこれからさらにAIが職場で活用されるようになり、労働者の仕事は減少していく。つまり、山谷や西成のように単身者で仕事もなくて孤立しているような人たちってこれから日本全国でどんどん増えていく可能性があるわけですよね。
山谷や西成にいるおじさんたちだけでなく、今後は日本全体で居場所がない人たちが増えていく。人とつながることが難しくなり、「自分には存在価値がないんだ」と思いつめてしまう人も出てくるでしょう。これからはそういう人たちが孤立しないための仕組みだったり、各々が存在価値を感じられるようなコミュニティを作っていく必要があるんじゃないかなぁと思いました。
街歩きはめちゃめちゃ面白かった!!
スタディツアーには、実際に山谷の街を歩く街歩きの時間があるんですけど、これが個人的にはめちゃめちゃよかったです。
実際に山友会のスタッフの方と一緒に歩きながら、山谷の街を歩き回るんですけど、その話が非常に聴きごたえがあります。山谷の歴史はもちろんのこと、普段生活保護を受けているおじさんたちはどこにいるのかといった話や、街の中でもひときわ目立つ建物の成り立ちについても、わかりやすく説明してくれます。
キレイにリフォームされた建物もあれば、昭和の趣を残す建物も
↑の写真にあるように、『○○荘』みたいな建物が山谷にはたくさんあるんだけど、そういったところは大体もともと簡易宿泊所で労働者の方たちが滞在していたところです。今では労働者の方たちも高齢化して仕事もなくなり、生活保護受給者となっている方も多く、現在はそういった人たちの受け皿として機能しています。
また、ここ最近の山谷は都内でも宿泊費が安いため、外国のバックパッカーなどにも人気とのこと。確かに最寄りの南千住駅付近を歩いていても外国人観光客の方をちょいちょい見かけたし、山谷エリアでもリュックを背負った外国の方がぞろぞろと歩いてましたね。
今ではそういった外国人観光客向けのホテルに鞍替えをするパターンもあるようで、山谷の街には古くからのドヤ街とは一線を画す、おしゃれな外観のホテルもちらほらと見受けられました。
この辺は、以前行った大阪の西成とも似てるのかなぁなんて思ったり。西成も歩いてると外国人観光客をすぐに見つけることができたし、そういった方たち向けのホテルもあちこちにあって、だんだんと街並みが変わっていってるようです。
はたして10年、20年たった時にかつてドヤ街だった場所はどうなっていくのか?ガラッと雰囲気変わっておしゃれな街並みに変化なんてこともあるかもしれません。
まとめ
というわけで、ざっくりとではありますが山谷スタディツアーに参加した感想を書いてみました。
本を読むだけでは学べない、山谷という街に根付いた人たちだからこそ語れる話を多く聞くことができ、自分の中でまた一つ視野が広がったなぁと思います。また、山谷という街を実際に歩くことで、建物や様々な施設から感じ取れる街の雰囲気、そこで暮らす人たちの様子を肌で感じることができました。
「山谷に興味がある」
「ホームレスや生活保護受給者の方にどういったサポートをしているのかが気になる」
「ドヤ街の歴史や今を知りたい」
「一人で山谷を歩くのはちょっと抵抗がある」
といった方であれば、この山谷スタディツアーは行って損がないと思うので、興味がある方はぜひ一度参加してみてくださいね(^^僕もまた時期を見て参加できたらなぁなんて思っています。
大阪の西成釜ヶ崎のドヤ街に行った時の様子は↓から