オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

『もしも、「死にたい」と言われたら』を読んだ感想を書いてみた!!

※このブログはアフィリエイト広告を利用しています。記事中のリンクから商品を購入すると、売上の一部が管理人の収益となります。

あなたの周りに「死にたい」という人はいるでしょうか?

 

僕の周りには今のところそう言った人はいませんが、日本は今でも自殺大国。年間2万人以上の人たちが自ら死を選ぶ中で、いつ自分の周りに自ら死を考える人が出てくるかはわかりません。

 

では、そういう人が周りにいたとしてはたして僕は何ができるのか?そう考えた時に、「何もできないしどうしたらいいかわからないな」って思ったんですよね。もちろん、自殺だとか死んでしまいたい人に対して中途半端な知識で接するのは逆効果にもなりかねない。じゃあ、何も知らないでいいのかというとそんなことはないわけで、それならまずは学んでみようということで読んでみたのが、今回ご紹介する『もしも、「死にたい」と言われたら』という本です。

 

 

著者は精神科医の松本俊彦さん。薬物依存、アルコール依存をはじめ自傷や自殺などメンタルヘルスの分野で多数の書籍を出版している方で、僕もいくつかの本は読ませてもらいました。

 

この本は、そんな松本さんが自殺予防に関する知識や情報を主に専門家や援助者、自殺志願者の周囲にいる人向けに記した一冊です。今回はこの本を読んだ感想を書いてみようと思います。

 

人はなぜ自殺するのかを知ることで、予防に結び付けることができる

僕をはじめ多くの人は、医者でもないし自殺をする人専門の支援者というわけでもないでしょう。そうなると、僕らにできること言うのは限られてくるわけですよね。当然ン、診断なんかできるわけないし、薬を処方することだってできないわけです。じゃあ、僕らにできることは何なのか?それは、

 

「人はなぜ自殺をしてしまうのか?」

 

ということを、ざっくりとでも把握しておくことなんじゃないかなと思うわけです。そうすれば、仮に身近な人から「死んでしまいたい」という言葉を受け取った時に、「この人がこう思うのはなぜなんだろうか?」と考えることができるし、それを知ることは死のうか生きようか悩んでいる人が抱える問題を発見し、解決するためのアプローチにつなげることができるでしょう。

 

本書では、人がなぜ自殺するのかを考える際のヒントとして「自殺の対人関係理論」というものを紹介しています。これによると、人が自殺する際には「自殺潜在能力」「所属感の減弱」「負担感の知覚」という3つに注目する必要があるとのことです。

 

ここでは詳しく書きませんが、当然本書にはこれらの詳細についても書かれています。こういったことを知識として身に着けるだけでも、自殺を予防するための第一歩になりますし、仮に自分では対処できなかったとしても、そういった問題を取り扱っている専門家につなげることは可能となるでしょう。

 

自殺を防ぐことは難しいということを改めて実感する!!

本書を読めば、ある程度自殺に関する知識を学ぶことはできると思います。ただ、読んで自殺について知れば知るほど「自殺を防ぐことは難しい」ということを実感するんですね。それはなぜかというと、「人は様々な要因が複雑に絡み合ったすえに自殺をすることが多いから」です。

 

ある人は、借金問題を抱え精神障害もあるかもしれない、ある人はアルコール依存症で仕事を失って家族とも離別して孤独な状態にあるのかもしれない。何か一つの理由だけで自殺をするということはあまりないといえるでしょう。

 

こういった様々な要素、すぐにパッと解決できない問題が複雑に絡み合った末に自殺に至るケースが多いということを本書を読むことで改めて実感するわけです。

 

ですから自殺を予防するためには一人の分野の専門家だけでは難しい。松本さんのような精神科医をはじめ、経済面、仕事面、コミュニティなどの居場所の確保など様々な専門家が連携して本人をサポートする体制づくりが必要となります。

 

じゃあ、その体制作りはどこでも確保できるのかというとそれもまた難しいし、たとえ体制作りができていたとしても本人がそのネットワークに引っ掛かっていないことだってある。自殺の問題を取り扱うことの難しさ、予防することのハードルは高いのだなということを本書を読んで改めて思いました。

 

まとめ

今回は『もしも「死にたい」と言われたら』という本を読んだ感想を書いてみました。

 

自殺というなかなかヘビーな内容を取り扱った本書ですが、著者の松本さんがこれまでに得た知識や様々な自殺未遂、既遂者と接してきた中で得た経験についてしっかり学べる一冊です。

 

「人はなぜ自殺をしてしまうのか?」

「どうすれば自殺を防げるのか?」

「自分の周りに自殺を考えている人がいる」

「これから自殺を予防する活動をしていきたい」

 

これらに当てはまる人であれば、読んで損はない一冊だと思うので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

 

 

松本先生の別の著書についての感想も書いてます。

 

『自傷・自殺のことがわかる本』を読んだので感想を書いてみました! - ニート気質な僕の生きる道

『中高生のためのメンタル系サバイバルガイド』思春期の悩みに寄り添ったいい本だと思った!! - ニート気質な僕の生きる道